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フランス語におけるRの発音問題

日本語に比べフランス語は母音の数が多く、日本人の耳には判別しづらい音がたくさんあります。日本語の母音はあ、い、う、え、おの5音。対してフランス語は、16音。
これを聞いたとき、なんて日本人に不利な仕組みなんだ!と思ったけれど、アラビア語の母音は3音だそうです。




逆にフランス語ではHを発音しません。日本語を学ぶフランス人にも聞こえない音があるのです。ほかにも、わたしたちは無意識のうちに使い分けていますが、日本語の「ん」には5種類の発音があるのだとか。


聞こえない音は発音することもできません。自分には明らかに聞こえる音が相手には聞こえなかったり、わたしには全く同じ音に聞こえるのに相手には全く違う音に聞こえるって、不思議です。


母音だけでなく、違いが聞き取りにくかったり、発音しにくい音はたくさん。とくに日本人はRの発音が下手くそで有名です。RがLになることがしばしば。


LとRの発音の違い

この動画がわかりやすいと思います!


いまだにちゃんと発音できてなくて、相手の顔に「?」が浮かぶこともしばしば。ただ、完璧に発音できていなくとも、文脈で読み取ってもらえますし、撮影現場で一緒になるフランス人たちは日本人と話し慣れてる人も多い(パリには日本人のヘアさんとメイクさんがたくさん!)ため、自動的に頭の中でL⇄Rの変換を行って意思の疎通を図ってくれます。



フランス生活で身につけたサバイバルテクニック

どうしても発音できない頻出単語は文章として言い換えてしまいましょう。撮影現場では頻繁にretour(荷物の引き取り)と言う場面があるのですが、何回教えてもらってもうまく発音できません。reとouの発音が難しい!
そんなとき、例えば
Retour Chanel
だと通じないので
Il y a un coursier qui est venu à récupérer un sac Chanel
と言い換えます。
短い文章だと各単語の発音が正確でないと伝わりませんが、長い文章だと伝わりやすいようです。


ただし、言い換えの効かない単語ももちろんあります。例えば食べものの名前。フランス人に全然伝わらなくてヤキモキするのが"ラーメン"
世界的にラーメンはRamenと綴られるのではないでしょうか?わたしが"ラーメン"と発音すると、フランス人には"Lamen"と聞こえるようで(しかもenの発音もわたしとフランス人では違うみたい)、日本食の話をしているのにラーメンが伝わらず、苦虫を噛み潰す気持ち。
ほら!あのスープに麺が入ったあれ!
ああ〜なんだRamenのことね!
という会話を何度繰り返したことか。


しかしもともとラーメンは中国由来。ラーメンではなくて、拉麺と発音するのでしょう。となるとわたしの発音だって、中国人からすれば失笑ものかも知れません。


パリに一風堂ができたときに1度だけ食べに行きました。そこには日本では見かけないラタトゥイユラーメンなるものが。中国の拉麺が日本オリジナルのラーメンへと進化したように、パリのラーメンはすでにラーメンからRamenへと進化しているのかも知れません。


ちなみに、かの有名な"寿司"もなぜか伝わらない。わたしの発音だとフランス語のsouci(心配事)に聞こえるようで、フランス人から何度も、
ああ〜Sushiね!なんでななお日本人なのにちゃんと発音できないの〜!
とからかわれます。

わたしの発音の方がネイティブなんだよ?


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