『でもやっぱり、七尾が大好きだから。』―おでん串あげ灘インタビュー
「おでん串あげ灘」の人たち
自分の一部みたいな、そんな感じ。
———「おでん串あげ灘」はどんなお店ですか?
智博さん:自分の一部みたいな、そんな感じ。長い時間店のことを考えている。1日を通しても。何が必要かとか、これからどうしていきたいかとか。
———そもそも、料理人になろうと思ったのはどういう理由からなんですか?
智博さん:料理の世界だと個人のアイデアとか技術とかでいろんな展開をつくれるので、可能性をすごく感じている。自分の母が料理屋をしていたし、自分にも馴染みがあるから。
まちの人に喜んでもらいたい。
———その中でも、「おでん」と「串あげ」を屋号に掲げたんですね。
智博さん:七尾に戻って来るときに何が良いかなと思っていたときに、東京で串カツ田中さんがすごく流行っている時期で。
立ち飲みという形態も流行ってきたりもしていて。
それがすごく新しいなと自分の中で感じて、七尾にもこういった立ち飲みする文化みたいなのを持っていったら良いなって。
まちの活性化とかそういうのも考えて、まちの人に喜ばれるかなとも思ったし。
母のお店を継ぐというところから、母のお店もおでんが売りだったので、それにプラスアルファというところで考えると、おでんは冬のイメージで、串あげは夏のイメージがあるので。
好きなのかな、能登が。
———七尾に帰ろうと思ったのはどうしてなんですか?
智博さん:七尾ですごく楽しい10代を過ごしたから。
街中で走り回って遊んだりもした。思い出がたくさん詰まっている場だったし。好きなのかな、能登が。
よくデパートの中で鬼ごっこして、エスカレーター逆走したりとか、婦人服売り場の中で隠れたりとか、そんなの普通にやっていて誰からも怒られなくて(笑)
いろんな面でアドベンチャーな感じでしたね。
———料理人としての夢を教えてください。
智博さん:やっぱり、人に喜ばれるというのは前提ですよね。サプライズがあるような料理を。
店であって店でない、みたいな。
———えみさんにとって、「おでん串あげ灘」はどんなお店ですか?
えみさん:遊び場というか実験の場所というか。何かが生まれるかもという場所というか。
———遊び場、面白い表現ですね(笑)
えみさん:私の思考的に新しいところに行ったらそこで何が楽しそうかなとか。
何かするときに、一緒に楽しんでいる人とか、次何やろうかみたいにワクワクしている人がいないと結局楽しくないので。
そういうお客さんたちと一緒にご飯を食べながら会話をしたり。
———今後の「遊び」の展望を教えてください。
えみさん:誰かが何かがこの場所でやっているところを見たいという気持ちが最近はあるかな。灘を使ってね。
店であって店でないみたいな感じにもなっていくのかなとか。
でも、立ち止まってはいられない。
———今、七尾はどんな状況なんですか。
智博さん:屋根にブルーシートがかかっていたりとか、家が取り壊されて更地みたくなっていたりとか、瓦礫がそのままになってたりとか、被災証明の紙が張ってあったりとか。断水は続いている。徐々に通ってきているところもある。
港とか海の近くにいくと道が凸凹になっていて、全部もとに戻るまでにすごい時間がかかるだろうなと。
———どんな日々を過ごされているんですか?
えみさん:なんかすごく考えなきゃいけないことはあるけど、やらなきゃいけないこともいっぱいある。
でもそろそろ支援をして動くというのは終わりって言ったらおかしいんだけど、やっぱ私たちも生活していかないといけないから、そこでお仕事として動いていくということもやっていきつつ。みんなそうだと思うんだけど。
(支援に頼り切りになると)経済が回らなくなっていくでしょ、食べ物屋さんもスーパーも、物を売って商売している人たち。サービスもそうだよね。
そこらへんのバランスを見ながら。
次に進んでいかないと。
———今の心境を教えてください。
智博さん:次に進んでいかないといけないのかなという。
えみさん:地震があってもなくても永遠にやっていけるわけないんだから、なんかそういうきっかけをもらえたとポジティブに捉えるようにしているかな。
半年1年後を予測しながら「じゃあ5年後10年後はどうする?」という話を逆にこのタイミングだからできる。
でもやっぱり、七尾が大好きだから。
———今後の展望を教えてください。
智博さん:これまでと同じようにお店を開店したからといってすぐに元に戻るという認識はないので。
七尾がどうあることが自分にとって幸せなのかとか、今後どうしていきたいのかとかを改めて見つめ直せたらと思います。
でもやっぱり七尾のことは大好きだから、七尾にとってメリットのある動きはしていきたい。
新しい挑戦としては通販を始めていて。
(通販を通して、)七尾に来ればこんなに美味しいものを食べれるんだよということを発信していきたい。
七尾に行ってみたいというきっかけをつくれたりとか、行ってみたら住んでみたいなという人が増えたりとか、そういう活動を強化させていけたらなと思っています。
自分たちも楽しみながら、いろんなところへ。
えみさん:灘とか七尾とか、そういう地域の食材とか自然とかをバックグランドに持ちながらいろんなところに出ていきたい。
美味しい七尾の食べ物を通して、自分たちも楽しみながら提供していけるのではないかと思っていて、あとはこれをどう実現していけるかというところかな。
———お忙しい中、インタビューのお時間をいただきありがとうございました!
店舗情報
通販のご注文はこちらから!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?