『ダリア』
家の近くに咲いていたのは、ダリアだった。
調べるとダリアは7月~10月頃見ごろだそうで、私は花には疎いから、これはダリアじゃないのかも。笑
でも、ダリアらしき花を見て思い出すのはギリシャ。
コルフ島に行った時に泊まったホテルが「ダリア」という名前だった。
ビーチが近くにある、とてもいいホテルだった。
私は海外旅行に行くと決まってホステルという、2段ベッドが一部屋に3、4個置いてある共同宿泊施設に泊まるので、ホテルにはあまり泊まらない。けど、シーズンだったからなのか、調べたホステルがあまりにひどかったからか、この島ではホテルに滞在することにした。
たまに泊まるホテル。一部屋に自分だけしかいないことに凄く高揚したし、同時に寂しさを感じた。
コルフ島はケルキラ島とギリシャ人に呼ばれていた。
ヴェネチア共和国に支配されていた時に作られた建築の名残が今でも残る。素人目にもなんとなくヴェネチアっぽい。
初めて家と家の間に洗濯物を干しているのを見たのもコルフ島だった。
コルフ島には小さなチャーター機で行った。
飛行機の中でギリシャ人のおじさんと仲良くなった。
英語ができず全編ギリシャ語だったけど、優しくしてくれた。コルフ島にチャーター機がついてすぐ機体から降りてしまったので「お礼したかったなぁ」ともやもやっとして、コルフ島の土地に足を踏み入れた。
空港に降りたち、ゲートの外を出るも街の中心地がどこか分からずうろうろしていたら、さっきのおじさんを発見した。
確かお礼をするつもりで近づき、あわよくば中心街を教えてもらおうとしたら、成り行きで案内してあげる!となった。
てっきり、地元の人なのかと思ったら、全然土地勘がなかったらしく、結果的に遠回りした。多分歩いて1時間ぐらいで行けるはずのところに、2時間はかかった。
というのも、おじさん結構太っていたし老いていたので途中休憩を挟んだのだ。
「ほれ、食え」と、チョコパンをもらってしばらく休憩したのが懐かしい。
一ミリも話が分からなくて、本当に困惑したのに、なぜ2時間も、チャーター機の中も含めれば3時間ぐらい一緒にいたことになるが、何時間も一緒に入られたのだろうかと不思議でたまらない。
それでも、このコルフ島を忘れられない理由の一つがこのおじさんの存在なのは変えようのない事実。
海外旅行は疲れる。海外に限らず旅行は疲れる。私はできることなら行きたくない。休日は予定がなければ家に何時間でも、一日中でも引きこもれる人間なのだ。
それなのに海外旅行に行きたがる。
どんな精神状態なのだと自分自身を問い詰めたくなるが、きっとこういう不思議な出会いがまたしたくて旅に出るのかもしれない。
ダリアの花を見た、ことからここまで思い出すとは。
というか、最終的な着地点がこうなるとは笑
最後に、最終日にみた朝焼けの写真でお別れ。
ホテル「ダリア」近くの海辺で太陽が昇るのを待ってみた。
飛行機の時間があり、太陽が出る前に去ることになったのが唯一残念だったことかもしれない。