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わたし、メンヘラなので。

メンヘラって言葉が浸透したのは
中学生の頃、当時の「社交」としてルーズリーフを少し可愛く折って中に手紙とプリクラ(ほとんどがカラーコピーしたもの)を入れてそれを交換していた女は同世代だと少なくないだろう。
そんな中で、「病み期」とか「リスカしてる」とか、自分の内側を暴露するような内容になればなるほど親密度が上がっていくシステムだった。
わたしは基本的に表面上、誰とでも打ち解けるタイプだったし、今でも信頼を勝ち得るのは結構得意だ。すぐ疲れちゃって裏切るけど。
そんなこんなを思い出している中で、「わたし、メンヘラなのかな。」みたいな会話になったことがあったかどうかを考えていた。
確実に言えるのは、「アイツはメンヘラ」といった陰口は聞いたことがなかった。
メンヘラという言葉が無かった?

メンヘラってネットから始まったんだっけ
古い記憶を辿っていく。黒いHPが流行っていた頃、それこそ†ルシア†みたいなHNの痛い男女がネット上に溢れていた頃、
自分の腕を切って血塗れの画像、
縫ったあとの画像、大量の薬なんかをupして
「いかに自分が辛くて苦しいか」
を表現するのが自分なりの自己顕示欲を出すところ、なにかを発散する場所になっていたんだと思う。
同時に、勿論それを批判する人達も出てくる。
批判といえば2chのメンタルヘルス板、そこで(上記のような痛いHPの人達だけでなく)病んでいる人を半ば蔑称のような響きを持ちつつメンヘルと呼んでいて、何かしらの形でメンヘラに移行していった経緯があったと記憶している。

その頃「メンヘラ」だった人
アイツって、メンヘラだよな。
そういう言葉が日常で使われ始めたのは、わたしが大学生になってからだと思う。
しかし、「メンヘラ」という言葉はなくとも、精神を病んだり薬を飲んでいたり、腕やそれ以外の見えない場所を切ったり、椎名林檎に憧れて内容の過激なメールを送るような子は周りに溢れていた。

その子たちが今、どうしているか。
人は、たいてい思春期や反抗期を乗り越え、当然のように仕事をして、当然のように大人になって、当然のように結婚したり出産したり、リスカや病み期のことなど忘れ、いや、大人だからと忘れることを求められる部分もあり、
「普通」に、「正常」になっていく。
「メンヘラ」として生き残る者は一部だ。それは紛れもなく社会不適合者で、精神疾患患者という分類になる。

一方で、恋愛関係において
恋人に構ってもらいたい。ひとりが寂しい。浮気が不安。気を引きたい。もっと好きになってほしい。自分が一番かどうか不安。捨てないでほしい。思い通りにいかない。
そんな諸々の感情から、「死にたい」とラインしてみたり、心配されるのが嬉しくて自殺を仄めかしたり、被害妄想を膨らませて恋人を刺すようなことも稀にあったりする。
それは学生でも、成人していても、そこそこ同じ割合でありえる出来事たちだ。
そういった意味での「メンヘラ」は、きっと尽きることがない。
ただ、少し違うのは恋愛が上手くいっているときは何ら「正常」と変わらない、「普通」の人として生きているというところである。

人は皆、病んでいる。
人間は自分が一番大切だ。そうじゃないと自負するならば、何もかも大切な人に捧げられるというならば、それは例え自らの子どもにだとしてもマトモな精神状態とは思えない。
自分自身を大切にして、自分自身をまず第一に殺さないようにしなければ、大切な人やものを守ることすら出来ないんだから。
自分が大切で、自分の思い通りになってほしい。そう思うのは当たり前のことで、故に何かしらのきっかけで心を病ませる原因になるのはおかしいことではない。
人は生きている限り「メンヘラ」から逃れられない、とわたしは思う。
「メンヘラ」と周囲に認知されず、強く意思を持って、自立して、前向きに生きている人はとてもすごいと思う。でも、そんな真面目な人ほどうつ病になりやすいっていうんだから、メンタルの問題というのはとても身近でとても難しい。

わたしは「メンヘラ」だ。
わたしが「メンヘラ」じゃなかったときなんてない。ハイブリッドのメンヘラだ。
躁鬱や不眠の症状をずっと持ち、情緒不安定で、最近は幻聴が目覚ましで、好きな人が出来ればド依存してしまい逃げられ、
今後もう二度とそんな思いをしたくないし恋人や旦那さんを作りたくないからという理由で別れた彼氏と結婚を決め(これは諸事情でまだ籍は入れていない)、
きっとどこかがズレていて、きっと何かが狂っている。
「メンヘラ」じゃないわたしを知ってる人なんてきっとほとんどいない。だってずっとメンヘラだったから。誰に対しても、いつ何時も立派にメンヘラとして生きてきたから。


関わらないでほしいのに
わたしは最近マッチングアプリをたまに使ってるのだけど、自己紹介文にはっきりと「メンヘラなので気をつけてください」と書いている。
割とマッチする人は多く、その中でも、「メンヘラってどういうところが?」とか、「全然メンヘラじゃないじゃん。」とか、「メンヘラくらいの女の子が可愛いよね」と言ってくるやつらがいる。
要はヤレればいいのか、本心からそう言っているのかは知らないけれど。
「じゃあ本物のメンヘラをとくと味わってください」というような気概で(というものの、実際のところは、やりたくてやってる訳ではありません)、
時間を問わず不在着信を入れ続けたり、会話しててもラリってるか酔っ払ってるかで次の日内容を覚えておらず、遊びの約束をしたことなんて当然のように忘れてて、自分の思い通りにならなかったらブチ切れて、自分の機嫌が戻ったり寂しくなったら「会いたい」って言い出して。
そうやって振り回してるうちに、全員音信不通になる。今のところ100%だ。
その度に悲しくなって、こんなわたしに時間を割かせてごめんなさいと思う反面、もう二度とメンヘラに軽率な気持ちで近寄るんじゃねえぞと思う。
トラウマになってくれたら、わたしはもしかして良いことをしたんじゃないかという気持ちにすらなる。
だって、わたしはメンヘラだけど良識があるから、「婚約届けを持ってきたよ」とか「付き合ってくれなきゃ目の前で死ぬ」ってタイプじゃないから。


わたし、メンヘラなので。
今まで一度も隠そうとしたことがないと思う。その方が楽だし、関わりたくない人は関わらなければいいと思ってるから。
同じ悩みを持つ友達が出来ることもあるし、まあ恋愛関係はほぼほぼうまくいかないんだけど、もう諦めてるし。仕方ない。それがわたしに与えられた人生だから。
何を書きたかったのかな。
ひとつは、簡単に「わたし、メンヘラだから」ってあんまり言わないでほしいってこと。これはめちゃくちゃ難しくて、本人としてはわたしと同じで傷つきたくないから、本当にそうだと思ってるから言ってるんだと思うんだけど。
でも、何かしらの原因がないときは病みもしてなければ何かに依存してるわけでもない。薬飲まずに寝られて、ちゃんと生活出来てて。
そういう人に「メンヘラです」って言われると、勘違いする人がたくさん出てくるから困っちゃうの。でもこれは、わたしの我儘だね。
うん、自分で自分をどう思うかはやっぱり好きにしてください。でも、少なくとも「メンヘラ」っていい意味とかじゃ一切ないから、「わたし結構元気だな」って思ったら「やっぱりメンヘラとかじゃなかったです」って言っといてほしいな。人間に病むときがあるのは当たり前だから。
もうひとつは、
わたしがいくら周りに「お前はメンヘラだから無理」とか、音信不通になったりとか、それが原因で嫌われたりとかしても、もう慣れたので平気です。人生、ずーっとそうだし。メンヘラ特有の行動をしてしまうが故にそうやって嫌われていくのだから、自分のせいだし。
うーん。何かが違う。
伝えたかったこと、んーとね。
今や「メンヘラ」って言葉はすごく軽々しく使われすぎなんじゃないかなと。んでも、自分がバチバチのメンヘラアピールをしたいわけでもなくって。でも自分がちょっとおかしくて精神疾患を患ってるってのも自覚してて。
ここからここまでが「正常」で、ここからここまでが「メンヘラ」とか、そんなのないから、結局各々と世論のさじ加減だと思うんだけど…

メンヘラとして生きているわたしにとって、メンヘラとわざわざ関わりたいと思う人がいること自体、なんとなく気持ち悪いんです。
関わってほしくないし、理解した素振りもしてほしくない。
まあ、でももし、
それでも愛してもらえるのなら、一緒に地獄まで付き合ってください。
切実に、お願いします。
身長165cmくらいのベーシストで。

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