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レールから外れむと筑波へ

桜蔭は3人中1人が東大か医学部に行く学校である。鉄緑会もそのようなものだ。しかしよりよい社会や教育について疑問を抱く人に、興味を抱く人に、わたしは出会えなかった。それはつまりこの人たちが行くルートに沿っていては教育についての考えも深まらないのではないか。大学に行く理由として掲げた、社会に還元すべきわたしの最大の使命=よりよい教育とは何か、を真面目に考え続けた結果、行き着いた答えが「大学に行かない」となるとは。

ここで困ったことが発生した。大学に行くのは当然と考える親と予備校。河合塾の授業は面白かったから、真面目に毎日予習復習はしていた。だから成績が良かった。河合塾に桜蔭に親にとすべての方面から説得された。よりよい社会より合格実績。大学に行かないというのは無理そうだった。それは諦めた。しかしせめてもの抵抗として東大受験は避けたかった。そうだ。東大以外のどこかに、推薦入試で受かればいいのだ。

教育について大学で深まる可能性はゼロではないと思っていたから、その勉強ができるところを探した。浪人生で受験可能な学校は限られていた。出願締め切りが迫る9月頃に見つけたのは筑波大学知識情報・図書館学類。そこにあって東大にはない研究を探しまくり、それをやらないと一生後悔すると言ってなんとか三者を説得した。無事合格し、入学した。


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