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君の代わり、睡眠導入剤

「おはよう」
隣を見て笑いかける相手が居ない

「おやすみ」
その言葉の前の、もう寝るの?って確認が好きだった

当たり前のように温もりに包まれていた冬
今年、クローゼットの奥から引っ張り出したのは電気毛布
そんなものが必要ないくらいに君の体温は暖かかった。
それを今も忘れられずに眠れない夜を過ごしている、とか。

「薬を使って眠る、君の姿をもう見てるのが辛い」と言っていた君が、今の私を見てどう思うのかはもう知らないし、考えたくもない。考えたところで分かるものでは無いし。

数分前に飲んだ睡眠薬が、君の代わりに、私のことを眠らせてくれるまでの、これは単なる日記。記録であり、明日には無くなる記憶である。


君は元気でいるだろうか。
今頃、誰かの温もりに包まれて眠れているのだろうか。少し寂しいけど、君がちゃんと眠れる日々を過ごせているなら、幸せであるならそれでもいいと思う。
そんな、離れてから迎える初めての冬だ。

サイレース。欠伸をした後に来る不安感が眠りにつけるサインです。きっと寝落ちするだろうから短めに済ませようと思う。

生きていたくないと泣きじゃくっていた一日。しょうもない。働かない頭で必死に言葉を探ってノートに書き留めている。

視界はぼやける。鬱とストレスから来る発熱にはもう困ってばかりだよ。君は元気でいるのだろうか。

私の方は、最近バイトで忙しくしているよ。虚しさと、あと言葉にならない何か、他の感情にいつも、いつまでも蝕まれていくのだろう。きっと君が知れば呆れるのだろうな。

今日は一日動けなかった。鬱だから、ではなくただ疲れていたからだと信じたいな。どちらでももう構わないのだが。


ただ会いたい。ただ声が聴きたい。名前を呼んで欲しい。
眠れるまで抱きしめていて欲しい。君の腕枕が恋しいんだ、今でもずっと。朝起きると私を抱きしめて眠る君を忘れられないでいる。あれほどまでに人を愛おしいと思ったことは無かった。
どんなに喧嘩しても、月日が流れても、君はいつだって大事そうに、まるで宝物のように私に触れた。あの手を今も求めているなんて馬鹿らしいか。

会いたい。君といたときは眠りたいなんて思わなかった。君とずっと話しをして、抱き合って、キスをして、止まらなくなってセックスをして。そんな日々がただただ恋しかったんだ。



戻れない日々を今も夢にみます。
一生眠りにつきたいのは、夢の中でだけは君に会えるからだ。今日も夜、深い所で落ち合おう。
会いたいと思うのは今もずっとこれからも、私だけなのだろうけど。

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