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ハイボールの誤解を解きたい


「ハイボールください」

『ハイボールですね。どのハイボールにしますか?』


このやり取りを見てどう答えるのが正解なのかわかったか否かで、ハイボールに対するあなたの理解度がわかります。


ハイボールという名称自体は世間に認知されているものの、ハイボールが本当はどういうものなのかを説明できる人はいったいどれだけいるのか、あなたは考えたことがあるでしょうか。


それとも . . . なんとなくハイボールという言葉は使っていたけど、実はご存知ない? 


ご存知ない方は、「ハイボールとは?」の答え合わせまで少し考えてみてください。(わかる方はニヤニヤしながらお待ちください)



実は最初の会話には続きがあります。

私がいたあるお店で聞いた会話なのですが、私の近くに座っていた男性がこんな注文の仕方をしていました。


「ハイボールください」

『ハイボールですね。どのハイボールにしますか?』

「え、だからハイボール」


この男性の返答のなにがまずかったのか、あなたはわかりましたか?


この時点でわかる人にはわかってしまいます。どうやらこの男性はハイボールが何なのかを知らずに注文してしまったようです。が、この男性だけの落ち度かというと、そうとも言い切れないのがこのハイボール問題の難しいところです。(あの大企業の広告宣伝が、ハイボールに対する認識を少なからず歪めてしまったことも関係しています)



では、ここまで読んでいただいたところで答え合わせです。


ハイボールとは、「ウイスキーの炭酸水割り」です。


厳密には「スピリッツに炭酸飲料を入れて、氷を入れて作るドリンク」なので、本来はウイスキーに限定されませんが、今回はウイスキーのハイボールに焦点を当てて説明しています。


カクテルの名称として認識されてはいますが、ハイボールはウイスキーの割り方の一種であって、『缶で売られているアレ=世界共通のハイボール』ではないのです。恐らく、件の男性はハイボールと書かれているのを見て、缶のハイボールみたいに既に出来上がったものがそのまま出てくると思い込んでしまっていたのでしょう。


『ウイスキーの炭酸水(ソーダ)割りがハイボール』という点を踏まえると、頼み方としては、「〇〇のハイボールをお願いします」「〇〇をハイボールでお願いします」と、お店にあるウイスキーの銘柄を伝えた上で頼むのが正解です。(あまり詳しくなければ遠慮なくお店でオススメの銘柄を聞いてください。)


ウイスキーにはストレート、ロックなど、飲み方の指定があります。そのうちのひとつが炭酸水割り(ハイボール)ということになるので、ハイボールという飲み物ではなく、ウイスキーを頼んでいると思ってください。


ちなみに、先ほどのやり取りを水割りに置き換えてみるとこうなります。


「水割りください」

『どの(銘柄の)水割りにしますか?』

「え、だから水割り」


どうでしょう。急に意味不明になったように感じませんか?

焼酎なら『黒霧島』とか『中々』とか『しろ』とか、水割りで頼むにしてもなにかしらの銘柄は伝えますよね? それと同じですね。


「ハイボールください」という人はいても、「〇〇をハイボールでください」としっかり伝えて注文できる人が少ないことにモヤモヤしていたので、今回記事でぶつけてみた次第です。


本物のウイスキーは奥が深い、高貴なお酒です。ハイボールにするのであればこだわりのあるお店でいただくか、3000円前後の、それなりの味が保証されているウイスキーを買ってきて、それに炭酸水と氷を入れて作りましょう。(レモンスライスもあるとさらによし)


間違っても角ハイボールなんて飲んで「ウイスキーとハイボールってこんな味なのかー」と思ってはいけませんよ!(そもそも角がウイスキーとは到底呼べないような別物)


この記事が、ウイスキーとハイボールに対する誤解を少しでもなくす一助になればと願うばかりです。

ウイスキーにまつわる話は、またいずれ。



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