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『オー!ファーザー』(新潮文庫)伊坂幸太郎著

はじめまして🧸
七海と申します。今回が初めての投稿です。
ブログの類も初めてやります。
文章の拙さや内容の薄さについてはどうかご容赦ください🥺
今後、改善していきます😊

今回は伊坂幸太郎さんの『オー!ファーザー』(新潮文庫)の読書感想です。


☆あらすじ☆
 主人公の由紀夫は、4人の父親と一緒に暮らしています。母親が由紀夫を妊娠した時に、4人の男性と同時に関係を持っていたからです。…わかりやすくいうと4股をかけていたということになりますね💦
 職業は大学教授で真面目な性格である悟、バーを経営する元ホストで女好きの葵、ギャンブルが大好きで怪しげな雰囲気もある鷹、中学の体育教師で武闘派な勲。
このように性格も職業も全く異なる4人の父親から由紀夫は様々なことを教わりながら、成長しました。
 そんな由紀夫が知事選にまつわる事件に巻き込まれ、窮地に追い込まれます。4人の父親は愛する息子を救うために…。


☆感想☆
 「4人の父親がいる高校生」という設定だけでもぶっ飛んでいますよね❣でも、それだけではなく、由紀夫が巻き込まれる事件の内容や由紀夫を助けるために4人の父親がとった行動もそれに負けないくらいぶっ飛んでいて、終始、楽しく読めました。
 コメディ色の強い作品ではありますが、4人の父親のセリフも印象に残るものが多かったです。
 私が個人的に特に印象に残ったシーンは、由紀夫と悟が2人で歩きながら会話をしているシーンです。(『オー!ファーザー』新潮文庫 p.303~p.304)
 県知事候補である2人が揃いも揃って品行方正さに欠ける人物であることに由紀夫が呆れていると、悟は由紀夫に「由紀夫、おまえは、今まで十何年か生きてきて、友人でも教師でもいいから、この人は優れている、と思える人間に会ったか」(p303,ℓ16~p304, )と問いかけます。その問いかけに対し、由紀夫は「あまりいない」(p304,ℓ4)と回答します。すると、悟は自分も心の底から感心できる人には出会ったことはないと前置きし、「優れた人間なんて、そうそういないってことだよ。国会議員にしろ、県知事にしろ、選挙に立候補する人間の大半は、俺たち同様の普通の人間なのかもしれない。おまえが中年になるころには、もっとましになっているかもしれないがな」(p304,ℓ10~ℓ12)と言います。
 私は悟のこの言葉に救われました。私は今、大学生で、時々、私みたいなダメな人間が社会に出ても大丈夫だろうかと悩むことがあります。でも、悟の言うように社会人だろうが、どんなに社会的地位が高かろうが、結局は普通の人間で、みんな、ダメなところはあるんですよね。
 確かに、考えてみたら私もこれまでの人生で心の底から尊敬できる人には出会ったことないかもしれないです。自分自身も含めて。皆さんはどうでしょうか?社会で生きる大人もみんな完ぺきではなくて、ダメなところを抱えながら何とか生きているんだと思うと、なんだか安心できました。
 このシーン以外にもズドンと心に来るセリフはたくさんありましたが、とても書ききれません💦
 この作品はミステリーとしても読みごたえはもちろんのこと、4人の父親から学ぶべきことも多くありあす。ぜひ、読んでみてください。


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