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【読書メモ】#2 『質的調査の方法 他者の合理性の理解社会学』 を読んで学んだ "フィールドワーク"の方法
みなさまこんにちは。
七香です。
今回は、読書メモです。📗
この本を購入した理由は、大学の授業で「共生のフィールドワーク」を行うため、事前に調査の方法を学ぶために使用したからです。
また、「他者を理解する」ために、NPO法人のインターンでは 実際に訪問してお話を伺う という機会を与えていただきました。
そして現在も、様々なことを学んで実際に体験したり当事者の方にお話を伺うことに興味を抱き、引き続き 学びの場 に参加しています。
そんな私には、とっても勉強になる本だったので、メモしておきます。🤓
記事がとても長くなってしまったのですが、みなさまにとっても、調査してみたいと思うきっかけになったり、卒業論文やレポートを書くための参考になれば嬉しいです。📝
序章
社会学とは何か
「いろんな社会問題について調査して研究する学問です」(岸 2016:3)
質的調査とは何か
![](https://assets.st-note.com/img/1643022389826-C2nFE9DPB9.png?width=800)
第1章 フィールドワーク
質的調査は、社会問題や他者に対する、漠然とした興味関心から始まります。
調査をしながら問いを考え、また調査をし、それからもう一度問いを考え直す、これを何回も繰り返すことで調査は進んでいきます。
1、フィールドを探す
このことを知らなかった私は、調査というものは、
問い→調査→解決
という簡単なサイクルを思い浮かべることしかできていませんでした。
狭く深いフィールドワークは、
◎問いと調査を何回も繰り返し行う
ことによって、問いの答えを導き出せるものだと学びました。
そして何回も繰り返し行うことに伴い、
◎実現可能な計画を立てる必要
があります。
(ちなみにインターンの際は、問い→調査→解決 の先に 実現 まであったのですが、私の
強みである 好奇心旺盛なところ と、
弱みである 無計画性・内容が詰めきれないところ
がぶつかって、実現できない悔しさ も経験しました。
だからこそこの本を読んで、
◎計画性の重要性
◎内容が詰めきれない→問いと調査を繰り返す重要性を再確認しました。)
2、先行研究
・データベースで検索する。
・文献をリストアップする。
問題意識を育てる最初の段階で必要なのは、
自分がこれから取り組もうとしているものと類似した研究にはどのようなものがあり、
どのような学問分野に属しているのか、
その分野も研究はどのように発展してきたのか、
どんな問いが立てられてきたのか
を知ることです。
3、フィールドに入る
障害者の作業所に調査に行きたいと考えているなら、その作業所や運営する法人のウェブサイトを読んでおくのは必須です。
また、その作業所が、就労継続支援事業B型と呼ばれる事業をしているなら、その事業はどんなものか、根拠となる法律は何かも調べておかなければなりません。
また、その作業所や作業所の代表者について、過去に書かれた新聞記事や、雑誌、論文、本がないかを調べ、事前に読んでおくことも重要です。
事前にフィールドワークについて十分に調べ、そのうえで話をしたり質問をしているという姿勢が見られれば、あなたがその対象に深く関心を持っていることや、その対象にかかわりたいという熱意が相手にも伝わり、それだけ調査の許可を得られやすくなります。
インターンでは、訪問の前に、これらにすごく苦労したのを覚えています。ただ、それと同時に、下調べを十分にしておくのは、私たちに時間を割いていただいている方への礼儀ということを学びました。
4、調査者の守るべき倫理
調査をする人がよく考えておかなければならないのが、
何のために、誰のために調査をするのか、
ということです。
調査に協力してくれたとしても、それは親切心からのことがほとんどで、相手が調査に応じなければならない理由はありません。
自分がする調査が誰のための、何のためのものなのか、そして調査に協力してくれた人にどのように成果を還元することができるのか、調査者は繰り返し考えておく必要があります。
インターンで訪問に行く際は、こういった
『Win-Winの関係』
を考える重要性を教えていただきました。
これを学んでから、調査以外でも、自分は相手に何を与えられるのか
を常に考えることができるようになりました。💡
5、調査の依頼をする
事前に調査依頼書を送るのが礼儀です。
1)調査の目的・計画・スケジュール(インタビューなら何時間程度かも明記する)
2)個人情報をどのように守秘するか(個人が特定できる情報は公開しないことを明記したほうがよい)
3)調査結果の公表の仕方・公表時期・公表される範囲(事前にチェックしてもらい、公表の同意が得られない記述は削除すると明記した方がよい)
6、フィールドワークをする
初期のころに抱く素朴な疑問や違和感は、のちに研究の方向性を大きく決めることがありますから、感想も含めて書いておくといいでしょう。
・ぶらぶらして過ごす
自分が知りたいことは直接は関連しないように思われることでも、アンテナを広げておくと、思いもよらなかった新たな発見があるかもしれないのです。
インターンや大学の授業では、
フィールドワーク前の自分の考え と
フィールドワーク後の自分の考え の
疑問や変化や違和感が
「共生」というものを理解する大きな鍵になりました。
・インタビューをする
![](https://assets.st-note.com/img/1643024831745-XnKkSTztKY.png?width=800)
・てみやげと謝礼
・記録をとる
🌟私のノート例
(著者のノートの書き方と似ているところがあったので、載せてみます。)
![](https://assets.st-note.com/img/1643025286699-670fEakXgz.jpg?width=800)
「記録する」ということも大事ですが、自分のノートを見返した時に、
「フィールドワーク時にタイムスリップする」ことができたら、それはとても良いノートが書けたんじゃないかなと私は思います。
・記録を取るコツ
どんな場所でメモを取るかには、注意が必要です。(中略)
インタビューをする時は、可能であれば、録音させてもらいましょう。
(中略)
映像も使えます。
(中略)
フィールドの様子や出会った人など、ぜひ録音させてもらいましょう。
7、データ分析と論文の執筆
疑問が浮かんでくるのは、話を聞いているその場よりも、あとでふりかえってみたときということが多いのです。
そして重要なのは、こうして浮かんできた疑問をそのまま放置しないことです。
フィールドワークをするなかで、どこに焦点を定めて見ていくのかを絞っていき、調査も終わりに近づいた段階になってようやく、問いを本格的に考えることができるようになる、これが質的調査なのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1643026329955-wPcH5cqQjv.png?width=800)
大学の授業では、私が掲げた最初の焦点は、「民族差別問題について」だったのですが、フィールドワークのなかで、「男子中学生との関わり」へと変わっていきました。
インターン後、まだ調査し足りない・もっと深めていきたいと感じたのは、面白いと思う焦点がたくさん発見できたからだと思います。
そのなかでも、
音楽を遠い存在とする聴覚障がいの方が、どのように音楽を楽しむのか
という焦点に、興味を抱き、研究を深めたいと思っています。
8、論文を書く
<作法>
第一に、自分が取り組んでいる研究課題について、先行研究でいわれていることを整理します。
(中略)
第二に、(中略)それに対する批判を述べます。
(中略)
第三に、自分自身の問いを書きます。
・根拠に基づいて書く
・調査の痕跡を残す
・プライバシーに配慮する
・研究成果の還元
私は、この、論文を書く というのを、現在取り組んでいる ブログ記事の執筆 と見立てて読んでいきました。
レポート記事をお世話になった方に読んでいただいた時に、
素晴らしい記事を書いてくれてありがとう
と言われた際、そこではじめて研究の成果を還元できることになるのだと思いました。
また、実現したものを実際に見にきてくれたり、今でも関係性が続いていることは、すごく嬉しいです。
9、まだ見ぬ他者と自分に出会う
じつは自分とはなにものなのかを知っていくことでもあったのではないでしょうか。自分はどんなことに興味を持つ人間なのか、自分にとって大事なことはなんなのか。フィールドワークの過程では、他者と関わることをとおして、きっとそんなことを考えさせられるはずです。それはあなた自身にしかできない、かけがえのない経験になるでしょう。
最近、私の地元の親友とお話ししている時に、
『自分を客観的に見ていて、すごく成長している』
と褒められました。
ここ数年でたくさんの人に出会い、私のことを理解しようとしてくれたり大切にしてくれる方たち、親切に寄り添ってくれる方たちに囲まれて、
私も、他者を理解したいと思うようになりました。
その過程を通じて、自分とも向き合っていることになっていたのです。
さいごに
これからも、フィールドワークを通して、自分なりの「共生」を考え、多くの人の心に寄り添う方法を学んでいきたいです。
インターンの活動をきっかけに始めたこの note は、まだまだ目的や道筋が定まっていないし、誰かの役に立っているのか、与えられているものはあるのかと考えると、微塵なものでしかないのです。
でもいつか、このnoteを見せて
と言えたらかっこいいなと思っています。
フィールドワークというかけがえのない経験をさせてもらっていることに感謝して、これからも頑張ります。
本日も読んでいただきありがとうございました。🕊
次回報告
大学での最終発表時に、訪問先の方から記事を載せてOKとの許可をいただいたので、実際にフィールドワークをした体験談を近日公開したいと思います。
また覗きにきてください♩
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