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カープ大野練習場と、チチヤスのプールの思い出。

ななほしサミットのかわずです。
自分は常日頃、地元広島の新聞社、放送局といったメディアのサイトやチャンネルをブックマークし、ローカルで以前から馴染みある情報を遠く離れた関西の地からキャッチしています(そこから創作のネタが浮かぶことも多いので・・・)。

そんな中飛び込んだ、「廿日市市大野町のカープの練習場が、ちゅーピープール跡地に移転する」という広島人にとっては楽しみでもあり、寂しくもあるニュース。今回はどちらも長年広島人にお馴染みだったカープ大野練習場ちゅーピープールのお話です。


▶︎若ゴイの鍛錬の地、「大野練習場」

大野練習場は廿日市市の旧大野町地区にあるカープの屋内練習場。場所は世界遺産宮島の目の前。施設内には2軍選手の寮も設けられており、若手選手の鍛錬の場として長年カープファンにはお馴染みの場所となっています。

そんな大野寮。完成から40年以上経過し、今では「旧市民球場時代の古き良きカープ」の雰囲気が色濃く残る貴重な場所でしたがこの度、老朽化による移転計画がまとまったようです。それは、すぐそばにある「ちゅーピープール」の用地を取得し、再整備を行う、という計画。

設備面はプレーする選手にとって、もちろん大切です。実際カープも、2009年に市民球場から現在の新球場(マツダスタジアム)へ移転し、昭和が置き去りだったそれまでの環境は一気に様変わり。後にスタジアムそばに立派な屋内練習場、主に一軍選手が利用する選手寮(大州寮)も新築され、カープは25年ぶりの優勝を果たし、3連覇を成し遂げるなど新たな黄金時代を迎えることができました。

長年カープの貧乏さ設備の不十分さが選手補強のネックになっていたカープにとって新球場移転による環境の変化は大きなターニングポイントだったようで、毎年のドラフト会議でも、以前はあまり踏み込んでいなかった競合必死な有名選手の指名も今では積極的に行うようになりました。そのため今回の練習場移転計画も「カープの未来は明るいのかな」と思わず思ってしまいます。

トラウマブレイカー

また、現在は管理が厳しくなり不可能となったようですが、以前は一般の人も寮の敷地内に入り、練習の見学や、選手にサインをもらったりすることができました(自分も何度か行ったな・・・)。そのあたりの選手とのふれあい環境も移転先では整備されるそうです。まだだいぶ先の話ですが、今から楽しみですね。


▶︎ちゅーピープール=チチヤスダイヤモンドプール

天然水を使用してたので「ダイヤモンドプール」だったとのこと。

一方、移転先となる「ちゅーピープール」。中国地方より外の人だと「“ちゅーピー”ってなんやねん」て思いそうですが「ちゅーピー」は鳩を擬人化した中国新聞のマスコット。同社が運営する会員制サービスは「ちゅーピークラブ」。ケーブルテレビは「ちゅピCOM」。そしてコミュニティFMは「FMちゅーピー」です。

むかし中国新聞からもらった「ちゅーピーくらぶ」のハンガー・・・

そんなちゅーピープールは元々、このあたり一帯に本社、工場を持つヨーグルトでお馴染みのチチヤスが長年運営するプールでした。名前も「チチヤスダイヤモンドプール」。流れるプール、ウォータースライダーといった大規模プール定番の設備があり、広島市や岩国市近辺の住民には現在に至るまでお馴染みの屋外プール。宮島の玄関口、JR宮島口駅前ではシーズンになるとプール直行シャトルバスも出ています。

一大観光地である宮島周辺は、かつてこのダイヤモンドプールだけでなく、昭和を知る広島人にはお馴染みの遊園地、広島ナタリー。展望台を備えた広電宮島ガーデン。山手には宿泊もできたレジャー施設、廃墟マニアにもお馴染みののうが高原もあり、広島でも有数の一大レジャーエリアでもありました。

自分は広島市の東部、安芸郡エリア出身なので、廿日市市からは少し外れた距離。たまに宮島へ家族で行くことはあっても、ナタリーやダイヤモンドプールは中々連れて行ってもらえませんでした。

ただ多くの人が経験したであろう、夏休み終了後にクラスで1人ずつ夏の思い出を発表する、という場で「家族でチチヤスダイヤモンドプールへ行った!」と答えた子が毎年5人ほどおり、「自分も1度行ってみたい」と親にお願いするとOKしてくれ、夏休みに連れて行ってもらえることに。

流れるプール、ウォータースライダー、そして広島・山口中の人々が集まったんじゃないんか、てくらいの人、人、人・・・。地元では味わえない新鮮さで溢れ、とても楽しかった記憶があります。(親は疲れたのかもだけど・・・;)


▶︎レジャー不毛の地、広島・・・

チチヤスから中国新聞に譲渡された後も、巨大バケツの新設など元気に営業を続けていましたが、2024年シーズン終了後のちゅーピープール閉鎖により、広島市周辺では貴重な屋外プールが姿を消すことになります。開場から40年以上経つ旧市民球場そばの中央公園ファミリープールも一帯を含めた再整備が予定されており、レジャースポット不毛の地とも呼ばれる広島はまた新たな局面を迎えそうです。

大野練習場の新築移転というワクワクするニュースと共に、長年広島人に愛されたプールが閉鎖されるという寂しいニュース。駅の建て替えやサッカー場の完成と、大規模開発が進む広島市中心部だけでなく近隣の街でもこういった動きが今後も出てくるのかもですね。


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