怖かった春を待てるようになる
息も詰まる、芽吹きの春。
暖かな日差しに焼かれる業火を感じ取る。
春めいた服の軽さと柔らかさの中で
傷つき続けるアナタへ。
終わりを愛し、夜の長さに焦がれ
人の伸びゆく様に内側から灼けるアナタへ。
眠っていていいよ。
大丈夫なんだよ。
春は全員の目覚めではないのだから。
ただ巡りの中の一つに過ぎないのだから。
起きたくなるよ。
そのうち。
今は土の中で小さく息を潜める。
土の中の楽しいこと。
優しい匂いのこと。
冷たく重くも温かなこと。
大切なこと。
多様だと騒ぐけれど
積み重ねた地層を無視できるほどじゃない。
その中で何かを無視して生きる。
それでも、きっと、それがアナタなのだとしたら
それがいい。
私はそう思うよ。
暖かなら、柔かなら、良い香りなら、優しいなら、それが心をホッとさせてくれるなんて絶対じゃないのに、絶対だって信じて疑わない人達の心の重さに耐えられなくても
大勢の人の季節に耐えられなくても。
大丈夫だよと、私は言いたい。
きっと、アナタの季節が巡る。
アナタが目覚める春はアナタが巡る。
他の人にはわからないところで
そっと芽吹く時が来る。
誰にもわからない
小さなそれでいいと
その時アナタが想えますように。
かつての私がそうだったように。
ざわつく心に鎖をしないでも
春を
待てますように。
サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。