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冒険の匂いがする『心の冒険』

青い空、冷たい冬の風、誰もいない路地を
私は行きたい方向へ歩く。

今住んでいる場所は、今年の2月に引っ越して来た場所なので、まだまだ知らない所がある。

入り組んだ住宅街を気ままに散歩している時、ワクワクするのはなんでだろう。

カラスも、野良猫も、電柱も、小さな水路も、別に他の地域でだって見てきた。
32歳の私には、目新しいものなんて近所の風景には早々無い。

それでも、何故か心が踊る。
誰にも見つからないように、そっと足を忍ばせて。
みんながあまり興味がなさそうな、何時もそこに在るものをワクワクしながら眺めている。

(近所の水路)

水が流れる音だけで、私は山の沢を想像できる。こんこんと湧いた冷たい水が苔むした岩肌を通り、激流となって山を下り、緩やかな時を過ごし、母なる海に混じる。
そんな水の旅を思い浮かべて、楽しくなるのだ。

足取りは軽くなる。水から得た心地よさが私の心を人間の世界から守る。

(狐様が遊んでいる空)

青い空で、雲が遊んでいる。
「わぁ、、、きつね、、、」
尾がいくつかある狐が空を駆けているように見えた。なんだか、とても楽しそうだ。そして、ご利益がありそう。笑
そうだ。近所の稲荷に小さな狐様を還してこないとね。

(私の目にはこの様に写っていました)

畑の畦道を小鳥のようにぴょんぴょん進み、電柱の上から私見下ろすチョウゲンボウを撮る。
私は被写体に話し掛けがちだ。チョウゲンボウは遠いので話し掛けられないが、近くに来るカラスなんかには話しかけてしまう。
花や、電柱にも話し掛けているので、端から見たらやばい人だと思う。笑

(足の羽最高もふもふ)

何気なく、そこに何時も在るモノがとてつもなく愛おしく感じる時がある。
物語とは、主人公が創るものだが、それには必ず『背景』が必要だ。薄暗い森、豪華なお城、荒れた海、賑わう街。
どれも、お話の中では語られない。しかし、確かにそこに在って、無くてはならないモノ。

(カラスが主人公。青空と電柱は背景)

この、物語が始まりそうな景色が好きだ。
青い空が在って、電柱が在って、カラスが1羽そこに居る。きっと風に羽を広げ飛んだカラスの目には、もっと広い景色が見えていて、とまった電柱の事なんてなんとも思ってないに違いない。
電柱も、電柱として仕事をしているだけで、とまったカラスの行く末を知る由もない。
空に至っては、もう、地球を包む規模だから、そんなちっぽけな事、気にする気もないだろう。

けれど、それを見ている私は心踊らせる。
何気ない散歩は私にとって『心の冒険』

風が吹いて、空が面白そうで、鳥が騒いでいて、人がいなくて、知らない道で、聴いたことの無い音で、嗅いだことの無い………冒険の匂いがするっ!そう感じる。駆け出してしまいたくなる。自然と足が前に出て、全てのものがキラキラと輝き出す。

(良い香り山茶花)

写真を撮ると、昔の事も思い浮かべる。
山茶花の花びらを集め水に浮かべる遊びが幼稚園生の私の中では流行りだった事。童謡の歌詞に山茶花が出てきた事。落ち葉から出る白い煙。燻った匂い。アルミホイルにまかれたサツマイモ。それを管理する祖母の背中。近くの木にとまるキジバト。冬のぼんやりとした曇り空。
すべすべと気持ちの良い山茶花の花は、今も昔も変わらない。冬の彩り。

(日光の男体山も見える)

遠く日光の男体山が見える。視線をスライドすると、赤城山がどーんっと構えている。
さらに視線をスライドしてみれば、真っ白に雪景色した浅間山が見えてくる。
本当に天気が良い日は、遠くの筑波山も見えるし、富士山も見えるし、新宿区のビルも見える。

贅沢だ。とても贅沢。 
 
何気ない風景に、心がじわじわと満たされる。そして、冒険に出かけ始める。

自分の心に何時までも子供がいる。
その子と手をとって駆け出してしまう大人な私もいる。

あ〜。楽しかった。1時間の散歩。

夜は花火があがるらしいから、楽しみ。花火も大好き。


ここまで読んでくれて有難う御座いました!

画面の前のあなたも、あなたの物語の主人公で、誰かの物語の背景です。

何ページもあるから、苦労する章もあるけれど私なりの『めでたし、めでたし』を目指してみようと思っています。
どこかで、私の記事が誰かの何かになればいい。
そんな風に思います。

よかったら、また遊びに来てくださいね。
私はここに在ります。
そして、そこかしこに居るのです。








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