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「誰にも会わない運最強じゃん」

自転車の上で私は確かにそう言った。
駄菓子屋と床屋と畑のある、あの細道を、立ち漕ぎしながら、そう言ったのだ。

なんてことのない話。


中学校にあがってからの私は、なんというか色んな意味で可哀想だった。
しかし、そんな可哀想な私にも、良い事はある。

初推しに(たまたま)街なかで会う(ただ単にすれ違う程度)こと。

学区の違いで中学校は離れてしまったが、そんなに広くもない地区だ。
遊び場になっているイトーヨーカドーやジャスコ(いまだジャスコなとこってある?)なんかで会える確率は高い。

『もしかしたら、居るかも〜』

一目でいい。
一言でいい。
わくわくする。
推しの存在を目で確認するだけで
一週間は元気でいられる。(凄っ)


しかし、なんの因果か。 

翌日の教室で

「ねねっ!昨日〇〇君に会った!」
とか
「〇〇達がいてさー、一緒にカラオケ行こーぜって話になって」
とか
「え?koedaさんも昨日ジャスコいたの?〇〇君いたよね?私達もいたんだよ!」

というのがだいたいお決まりのパターン。

そう。 
同じ時間、同じ場所に居るのにも関わらず、私は推しに会えない運命の持ち主であった。
それだけではなく、苦手で会いたくないと思っている同級生にも会わない運命だった。(これは、有り難い)

1度や2度なら、偶然と思うのだが、あまりの頻発具合に
題名の台詞を、気持ちのいい光さす午後の自転車の上で言ったのだ。

その日も見事に会えていなかったことを後日知る。


『会いたくない』はともかく、『会いたい』も弾かれる。
それが私の自動防御壁の在り方。

最近言われた〈パッシブスキル〉という言葉が、しっくり来たのはこのエピソードを持つからだろう。 

パッシブスキルっちゃなんね?という、ゲームをあまりやらない勢に簡単に説明すると、
コマンドで選択(必殺技とか)したり、条件下でしか発動しない能力(なんか力をためて発動するとか)ではなく、常時発動している能力を指す。
そんなに強くないけど、一定の力をなにかしら、プレーヤーに与えているもの。


 
私のややこしいパッシブスキルについての考察をダラダラ書いていたが、なんか、伝わりにくいし、無駄に効果を高めそうで、消した。 


 
「私のパッシブスキルに負けないで、でも、勝たないで」

ってドット文字の台詞が出て、いったんパーティーメンバーは別次元のダンジョンに落とされるんだろうなって、謎にゲームシナリオを考えたりして。笑
(注※パッシブスキルはそんな強力なもんではない。そんな強力なパッシブスキルはチートにもほどがある。まぁ、使い方次第。私のスキルはポンコツ。)


あれも、これも、パッシブ効果かなぁなんて。
まぁ、そうでなくてもタイミングよ。

とか思う。
風が強い。寒い。

サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。