通訳現場に行く途中、事故に遭ったら?
その日は記者会見の手話通訳依頼で、自宅から40分ほどの会場へ向かっていた。
2車線の追い越し車線を走っていたら、左から70歳女性の運転するステーションワゴンに横から追突された。
幸いお互いケガなどなくて、歩けるし話せる状態だったので、そこから警察が来るまで待ってからの現場検証となった。
もちろん約束の時間に間に合わないので「今日の通訳、行けなくなりました。すみません。。。」とすぐ派遣元に連絡を入れた。
特別な通訳内容のため、普段から数名しか該当通訳者がいないのは分かっているけれど、不測の事態が起こってしまった以上、致し方ない。
他の方をすぐ探さなくてはならないので、とにかく早めの連絡が必要だ。
また、10年ほど前にも通訳をドタキャンしてしまったことがある。
これは自分のミスなので恥ずかしいのだが、朝の通学時間帯にスクールゾーンに入り、警察の取り締まりに引っかかってしまった。
やはりそこから切符を切るまでに10人くらい待っていたので、かなり時間がかかった。
こちらの場合もすぐに連絡を入れて、キャンセルとしてもらった。
現場に行く道は初めて通ることもあるので、交通ルールには気を付けないといけないと痛感した。
こういった場合、平日なら別の通訳者を探してもらうことができるが、土日は事務所が閉まっているので、連絡を取ることさえできない。
それを考えると恐ろしいことだ。
ペアの通訳者に一人で通訳をしてもらうことになるし、何より現場のろう者や聴者にも迷惑をかけることになる。
ちなみにだが、手話通訳者の労災としての補償はなく、あるのはボランティア保険と自分で加入している損害保険のみ。
なんとも綱渡り的な業務環境なのが現状である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?