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海外ドラマ『リミットレス』を見よう ─「頭のいいキャラ」に説得力を持たせるために─

前作のnoteが出来てTwitterにシェアしたら、軽バズり(執筆時点で17RT、29いいね)したので軽くビビり散らかしています。ななしぃです。
またもや前置きが長くなってしまったので
「前置き長ったらしく書いてんじゃねえ!さっさと本題に行け!」
と思ったお方は、お手数ですが目次から本題へ移動して下さいますようお願い申し上げます。

前置き
─どうしていきなり海外ドラマの話になったのか


前回やこれに限らず、しばらくダブルクロス(もしくはTRPGにおけるロールプレイ)についての記事を書こうと思っているのですが、
如何せんダブルクロスという“システムそのもの”について書くのはほぼほぼ二番煎じになることでしょう。
そして、大抵二番煎じはつまらないものです。

それを回避しよう、つまり面白いことを書こうと思ったら、
前作で紹介した『凛としてダブルクロス』のように、ルール裁定やトリッキーなシナジーを語る。
もしくは、『ダブルクロス3rd シンドローム考察・寸評』のように、
ユニークな文体かつ確かな理解を元に解説記事を書くべきでしょう。

そして、それを語るためには入念なダブルクロスというシステムへの理解と、
それを形成するための豊富なセッション経験が必要となります。

残念ながら私はそこまでのべテランではありませんし、データやルールに細かいタチでもありません。
サプリメントもまだまだ手元にないものがいくつかありますし、
他人に誇れるほどの文才といえるスキルがある訳でもありません。けれど、

せっかくnoteを書くならば、ユニークで、面白いコンテンツを皆様に提供したい。

ならば、オタクらしく自ジャンルのことを語らいつつ布教をするのはどうか


そんな時、Dlifeで『リミットレス』の再放送が始まりました。
この海外ドラマのおかげで、私の、頭がいいキャラの描写、すなわちダブルクロスのノイマンの描写が向上したのです。

よし、これを布教しよう!

即決即断で今、こうやってnoteを書いている次第です。

ほら、このnoteを読んでから見るには丁度いい機会ですから…
一部見放題サービスでも視聴可能ですし。


序論
─『リミットレス』のあらすじ(長いので飛ばしても良い)

『リミットレス』、原題も“LIMITLESS”。

本当は同タイトルの映画の続編なのですが、私はその映画を見たことがありません。
しかし、その映画版を視聴していなかった私でも楽しめた作品です。
読者の皆さんがそちらを見るかどうかはご自由に。

ドラマ版のあらすじを簡単に紹介します。

売れないミュージシャン、いわゆるダメ人間の主人公、ブライアン・フィンチ
彼はたまたまバイト先の銀行で、栄転した元・バンドメンバーからスマートドラッグ「NZT-48」を手に入れます。
覚醒し、自分の頭が驚くほど良くなったことに気づいたブライアン。しかしこれをきっかけに事件に巻き込まれ、逃亡。

しばらくしてNZT-48の副作用に苦しんでいたところ、大統領候補と名高い政治家、モーラに接触されます。
定期的に使用することで副作用を抑える注射を打ってもらったブライアンは
引き換えに、注射の存在とモーラとの関係を秘密にし、モーラの言うことを聞く取引をしました。

後にどうにか無実を晴らすことが出来たブライアンは、警察のコンサルタントになります。
上記の秘密に加え、ブライアンはNZT-48を使用して捜査の手伝いをしていることを家族に隠して暮らします────

本題・前編
─『リミットレス』の面白い所

警察・家族・モーラの板挟みになるブライアンの立場がもたらすヒヤヒヤ感もさることながら、
ブライアンが超人的に賢くなる描写が素晴らしいのです。
(具体例は本題③にて)

頭がいい、と一言に言うのは簡単でも具体的に、どのように頭がいいか描写するのは困難です。
「○○は なんかかっこいいわざを くりだした!」と言ってみても全然かっこよくないのと同じです。

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頭がいい、ならばどのように、どんなことを考えているのか。
頭の良さを緻密に描きつつ、我々凡人にもその凄さが分かるように描写している

『リミットレス』は「頭がいい」という属性の裏付けが上手なのです。

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本題・後編
―頭が良いキャラ(ダブルクロスにおけるノイマン)にどう反映できるのか

いったん私の好きなTRPG、ダブルクロスの話に移行します。

ダブルクロスには、キャラクターの能力の一つに
平たくいえば【頭がいい】能力、ノイマンが存在します。
頭がいいことのかっこよさに惹かれ、今書いているキャラクターシートのシンドローム欄にノイマンを記入している人。
もしくは、既に作ったキャラシにノイマンのシンドロームを持ったキャラがいる人が少なからずいるはずです。

ですが、ノイマンの描写はなかなかに難しい。
キャラクターの頭がいいという事は、そう容易く表現出来ることではありません

先程言った「なんとなくかっこいいわざ」のように
「頭がいい」と言うだけでは、その様に見えませんし、
巷では、作者より頭のいいキャラは作れないという説もあります。

そのうえ、頭がいいことを裏付ける参考描写は探すのが難しい
真っ先に思いつくのは推理小説ですが
アレは作者がトリックを理解した上で、それがわからない人にはどう見えているのか・どう分からないのかまで把握しなければなりません。
つまり、頭が良い事を示す描写は見つけるのも、参考にするにしても、難易度が高いのです

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そこで、『リミットレス』に話を戻します。
『リミットレス』は、トリックに頼らずに超人的な頭の良さを表現しています。

例えば、銀行のバイトで人事ファイルの仕分けをするブライアン。
NZT服用前は数万のファイルを前に居眠りしてしまいますが、
NZT服用後は二週間掛かると言われていたそれを二日で完遂
しかも、全員の経歴を読んで五段階のセクハラリスク順に人事ファイルを仕分けることで、解雇すべき人や警戒すべき人、問題を起こさなさそうな人が誰かまでまとめてしまいました。

なによりNZTを服用する前の凡人ブライアンの感覚で、超人になる感覚が描写されているのがわかりやすく、参考にしやすい。

たいてい、頭が良いキャラは凡人の感覚を持ち合わせていないものですが、ブライアンは常に天才ではないが故に、凡人の感覚と頭の良さを両立しているのです。
そこが、推理小説と違って頭の良さを参考にしやすい理由なのです。
おそらく、ダブルクロスでいえば覚醒枠のキャラクターにも応用しやすい描写に溢れていることでしょう。

結論

ドラマ『リミットレス』は、凡人であるブライアンの感覚で【頭がいい】とはどういうことかを具体的に描写されるのが面白く
加えて、推理小説など他の作品に比べて頭がいいキャラの描写の参考にしやすい

以上の二点をもって、皆さんに『リミットレス』を布教するためにここまで書いてきました。

だからみんなも、『リミットレス』、見よう!


……残念ながらスポンサー側の打ち切りによって、『リミットレス』はたったシーズン1で終わってしまっているのですが
逆に言えば、シーズンが長々と続きがちな海外ドラマにしては短い話数で見終われるということです。
漫画で言うなら5巻で終わるくらいの短く面白いもの、みたいな。

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