保護者から見た教員は「わかってない人」
【想定している読者層】
・学校に関係している方
・学校に関心のある方
1.記事の結論
保護者等から「あなたには分からないでしょ」と言われたら、教員は反論せずに、「確かに本当に分からない部分がある」ことを実感を伴う形で理解を深めた方がよい。なぜなら、本当には分からないのだから。
2.「〇〇なあなたには分からないでしょ」
例えば、保護者の方が、「結婚していないあなたなんかにはわからないですよね」とか「子育てしたことないあなたにはわからないですよね」とか、「障害を持った人が周りにいないあなたなんかにはわからないですよね」等々言う事があります。
一方で、教員は次のようなことを影で言っています。
「結婚していなくたって、子どもがいなくたって、障害者が身近にいなくたって、仕事はできるし、そういった人たちの話も聞くし、そういった人たちと接してきているし、普通よりは分かっているよ」
こじれた教員は「保護者は教育をわかっていない。学校を理解していない。」といってバトルを始める場合もありますよね。
さて、ここに対する私の考えは、
何がどうあれ「そもそもわからない」です。
保護者が、未婚や子どものいない教員に対して色々言いたくなる気持ちは、めちゃくちゃ分かります。そして、実際に、保護者が言っている事は正しいと思います。やっぱり、子育てをしないと、その大変さは分かりません、絶対に。親によっては自殺も考える大変さなんですからね。
そして、そういった経験のない教員はそれを分かった気になってはならないと思いますし、分からない事を真剣に受け止めるべきではないかと、個人的には思います。
そういうことをしない教員が、聞きかじった知識・理屈や学校の事情みたいな部分で保護者より上に立とうとするわけです。仕事に慣れ始めたころの教員におこりがちですよね。
保護者が自分の子どもを学校に送り出すという、そのプレッシャーや覚悟、何かあったらどうしようという心配、何か人に迷惑をかけてしまったらどうしようという苦悩、これらに実感がもてる教員は、同じことをしたことがある教員だけでしょう。
3.ただし教員は仕事にすぎない
そうはいっても、教員は学校の職員で、公務員で、普通に仕事をしているだけです。文部科学省や各種研究者が言っていることをしているだけです。
本来は最低限でいいし、仕事の範囲での保護者理解・生徒理解ですよね。
私はかなり踏み込む方ですが、それでも「自分を犠牲にすること」は考えませんし、職務に支障がありそうな要求等は明確に拒絶しています。また、理不尽な物言いに対しても、受け流しています。「自分が明日、気持ちよく通勤できること」はとても大切なことですからね。
なので、分からない事は分からないと言います。
ただし、分かる努力は必要だと思います。
話がそれそうですが、結論、「分からなくても仕事はできる」
極論、子どもが好きでなくても仕事であればできます。
それでもやろうと思うかは別ですけれど…。
4.余計なことはしない
まず、保護者から怒りの言葉が出る場合や、「先生にはわからないよね」という言葉が出る場合、教員の応対が保護者の個人的な事情とフィットしていなかったがために起きている「すれ違い」の結果であると思います。
このようなすれ違いは、本当に些細な事の積み重ねで起こります。
例えば、懇談の場面に「ペットボトルの水」を持参するのは、避けた方が良い場合がまれにあります。
「先生って水を買うんですね」とこじれの萌芽がやってきます。
他にも、終始ニコニコしている、低い声でうなずいてばかりいる、「うん」と言う、相槌がおおすぎる、息を切らしている、リアクションが大げさ、高級なアクセサリーやネイルをしている、整髪料や柔軟剤のにおいをさせる等々あります。
さらに、結婚指輪をしていない、柄もののシャツを着ている、髪や顔をさわりすぎている、目が泳いでいる、考える時に目をつむる、といった部分でもこじれることがあります。
もっと言うと、「先生は長男(長女等々)だよね、だからそんなんなんだよ」等も全然普通に言われる事です。
しかしながら、そのような事を言う保護者は単純に「この人分かってないな」と思っているのです。そして、それはそう思わせてしまった教員の対応にやや問題があるものと思われます。
「自分の見せ方」なんて大学で学びませんから、分からなくて普通ですよね。教員は、営業職でも起業家でもありませんから、あまり気にしないのだと思います。
保護者の方々は、そういう苦労を知っている人達ですので、「この教員はだめだな」と思いやすい部分もあるのでしょう…。
なので、教員は「何が分かっていないのか分かる」必要がありますし、印象作りをする必要もあります。
「先生なんかにわかるわけないじゃん、分かってもらおうとも思ってないよ。」と、保護者に言われないように努力していきたい所です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。