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【母と娘のパリ日記-1】羽田空港~エールフランス航空



母と娘のパリ日記。

すべて忘れたくないほど、楽しかったパリ旅行。
いつか「こんなことがあったね」って
この日記を見て、母と懐かしく思い出せるように
楽しかったこと、困ったこと、出会った人たちのこと
ほかの人から見たら、それいる?って情報まで
私たちにとって大切な思い出を記録します。
あたたかく見守っていただけると嬉しいです。



久しぶりの海外旅行。6年ぶり!!
母は新婚旅行ぶり、わたしは初めてのヨーロッパ。

4泊7日、とにかく無事に帰ってくることを目標に
いざフランスへ!



旅のはじまりは伊丹空港

トランジットなんてしたことないし、ロストバゲージも怖い。
「あらゆるリスクを避けるには直行便しかない!」と
【直行便限定】でパッケージツアーを探し始めた。

本当は関空発着がよかったけれど、
関空から唯一直行便が出ているエールフランス航空だと
往路は夜着、復路は昼発しかない。

少ない日程で、めいっぱい楽しみたい欲張り母娘は
羽田発着であれば、同じエールフランスでも
往路は早朝着、復路は夜発という
まさに探していた便を発見!

というわけで、
まずは伊丹空港から羽田空港へ向かったのであった。

都内上空を飛ぶ航路
東京タワーとスカイツリーが両方見える!とお上りさん全開


羽田空港から海外気分

時間にかなり余裕をもって、出発約4時間前に到着。

東京にはよく来るので、羽田空港は慣れている。
でも、第3ターミナルから飛行機に乗るのは初めて!
たくさんの荷物を抱えた外国人観光客に囲まれ
「もう海外やん!」とすでにテンションMAXな母娘。

ずらっと並ぶチェックインカウンターを見るだけでワクワク!

私たちより2日ほど早く家を出発していたスーツケースを迎えに行き、
いざチェックインカウンターへ。
(事前に空港まで荷物を送り、手ぶらで空港まで行けたのがとてもよかった!また後日、準備編で書くつもり)

エールフランスのアプリでオンラインチェックインしていたこともあり、
パスポートをかざすだけで簡単にチェックイン完了

自動チェックイン機から出てきたバゲージタグをスーツケースに付け、
手荷物を預けるカウンターを探すも見つからず。

近くにいたグランドスタッフさんに聞くと、
まだエールフランスのカウンターは準備ができていないとのこと。
じゃあ羽田空港を探検してから戻ってくるか~と
振り返ると、ちょうどエールフランスの職員さんが集まりだしていた。

私たちと同じように、周りでウロウロしていた人たちが列を作りはじめ、
これは乗り遅れるわけにはいかない!となんとなく列に加わる。
途中で、ほかの人から「これエールフランスの列?」などと聞かれるも
みんな不安げな表情。

そうこうしているうちに、エールフランスの職員さんたちが
列をさばき始めた。
どうやら私たちはビジネスクラスの列に紛れ込んでいたようだ。
エコノミーなのに、厚かましくごめんなさいね。

さて、そろそろ始まるかな~。
なんてのんきに話していたが、一向に列は進まない。
それどころか、列は伸びる一方。どうなってるの?
これはパリでも、再び痛感することになるが
フランス人はお客さんがどれだけ並んでいようが、
焦ることなく自分たちのペースで優雅にふるまう。
そんな文化への憧れもあるが、せっかち関西人には苦行だった。

並び始めて45分。飽きはじめていたところに
同じ便に搭乗予定のわんちゃんを発見。
勝手にグスタフと命名。
とってもおりこうさんだったのに、
「日本ではケージに入れないとダメよ」と注意され、列を離れてしまった。
犬好きとしては、日本も海外のようにドッグフレンドリーになってほしい。

グスタフ、パリで元気に暮らしてる?

グスタフを見送り、さらに15分。
ようやく列が流れ始めた!
並び始めて1時間。もう疲れちゃったよ。

荷物を少なくしたつもりでも18.1㎏。荷物多い族なんです。

さあスーツケースよ、行ってらっしゃい。
次に会うときはフランスだ。
荷物を預けて身軽になり、羽田空港探検に出発!!
と思いきや、すでに搭乗3時間前。
しかも保安検査場が混んでいるらしい。

荷物を預けるだけで疲れちゃったし、
サクッと見て、出国しよう。

第3ターミナルがオープンした時、よくニュースで見た橋。
みんな無事に楽しい旅にしようね!って同志の気持ちになる。

いざ出国

保安検査場は15分ほど並んだものの、
スマートレーンのおかげで想像以上にスムーズに通過。

JAL SMART SECURITY
https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/baggage/smartsecurity/

JALホームページより

これ皆さんご存知ですか?

保安検査のとき、数人が同時にレーンに並んで
かばんや上着を「そのまま」トレーに載せるだけ。
液体のジップロックもPCも、かばんの中に入れててOK!
トレーは自動で流れて行って、あとは準備ができた人から
金属探知機をくぐるだけ。
検査で出したものをかばんに入れたかな?忘れ物ないかな?と
心配しなくていいんです!
早く全世界の空港に導入されてほしい!
※帰りのシャルルドゴール空港でスマートレーンの素晴らしさを実感。
その話はまた今度。

出国審査も自動化ゲートであっさり通過し、無事出国



さあ免税店でお買い物~と意気揚々と繰り出すも
すでに19時半。思ったより時間がない。

とりあえず一番近くにあったエルメスに入店。
かわいいツイリーを見せてもらったけど、
パリでもっと素敵なものに出会えるかも!と我慢。
ごはんを食べても、忘れられなかったら戻ってこようと思って
念のため閉店時間を聞くと0時!遅くまで大変だね~
(結局ごはんの後にはすっかり忘れて、戻らなかった)

家を出てから何も口にしていないから、もう腹ペコ。
出国前、最後のごはんは何にするか。(たかが数日で大げさやねん)
「関西人なら、たこ焼き一択!」と心に決めていた。

フードコートは色んな国の人たちでいっぱい。
ブロンドのかわいいティーンたちが
カードゲームで大盛り上がりしているテーブルの近くに
なんとか席を見つけて、無事にたこ焼き納め。

たこ焼き屋さんのお兄さんも外国人。
もはや海外でたこ焼きを食べている気分。

そこから水を買ったり、歯を磨いたり
あっという間に搭乗時間。

搭乗口へ

機体を見るだけでわかる。もうおしゃれやん。

ついにエールフランス機とご対面!
搭乗口に向かう途中でクルーの方たちと遭遇。

紺色のワンピースに、赤のリボンベルト姿が
とんでもなくかっこいい。
中でも目を引いたのが、スキンヘッドのアフリカ系女性クルー
小顔で、頭の形も美しく、本当に素敵だった。
のちに、機内で彼女に助けてもらうことになる。
優しくて気が利いて、仕事もできるなんて…彼女に幸あれ!!

隣にはハワイアン航空。ハワイもしばらく行ってないな~
次はハワイもええな!と、まだパリにも着いてないのに次回の計画を考える母娘

エールフランス機と記念撮影し、
家族に行ってきますのLINEと共に送信。

出発45分前から搭乗開始

ついにエールフランスに搭乗

3-4-3の座席配列。
エールフランスは、事前座席指定に別途料金がかかる。
前方、後方、バルクヘッドなどそれぞれ料金が異なる。

私たちは並び席、通路側がよかったので、
後方座席指定料金4800円を支払って、
後方中央列の通路側から2席を事前に指定。

しかし、当日のチェックイン前に座席を確認すると
前方であれば窓側席が3つ空席!

エールフランスのアプリから座席指定できる

「もし窓側が空席のままなら、
景色も楽しめて、通路にも出やすい!めっちゃええやん!」


そんな下心もあり、前方席指定の追加料金1915円(合計で約6700円)を支払い
窓側列の通路側(ややこしいな)を並び席で指定。
本当はお金のことは書きたくないのだけれど、
のちのち、これが肝になってくるのである。



ぞくぞく搭乗中。

チェックイン前は空席があるように見えたものの、
乗ってみるとほぼ満席状態

CAさんから「ボンジュール、マダム!」と言われ
おおお!フランスが始まっている!と一瞬緊張が走ったが
「ボンジュール!」と元気にご挨拶。
わたしのボンジュールデビューであった。

座席まで進んでみると、窓側に人影がみえる。
どうやら窓側ちゃっかりGET作戦は失敗したようだ。

いざフランスへ

飛行機は定刻通り、21時50分に離陸。
これから約15時間のロングフライトが始まる。

羽田を飛び立ち、東北方面へ北上。
昨今の事情を鑑み、ロシア上空は飛ばない航路らしい。
多少揺れたものの、ほんの一瞬だった。

機内エンタメはフランス語、英語のほか
日本語や中国語など様々な言語に対応していたものの
見たい映画は英語版しかない。
英語で見始めるも、すでに眠気が襲ってくる…
でも機内食までは寝ないぞ!と気合で、ガイドブックとにらめっこ。

離陸して約2時間。お待ちかねの機内食の時間。
みんな機内食好きじゃないから寝てるとか言うけど、
飛行機の中でしか食べられない、このわくわく感がたまらないんだよ!

チキン?orサーモン?
パンがトレーに直置き。く~っフランスだね~。

ふたりともチキンをオーダー。
ドリンクは何があるか分からなくて、万国共通で最高のコーラで
母はせっかくエールフランスに乗ったから、白ワイン。
小さなボトルに入ったワイン、
紙コップを帽子のようにかぶっておめかしして登場。

眠さがピークで、味はあんまり覚えてない。
チキンは正直パサパサ。
でもポテトは妙にしっとりしてて美味しかった気がする。
このプレートで一番気に入ったのは、
レモンとアールグレイの紅茶ケーキ。
ふわっと軽くて、後味さわやか。さすがフランスのケーキ!

機内食が終われば、消灯の時間。
起きたらフランスかな。ネックピローを着けて、いざ就寝。

真夜中の大騒動

…と、ここで問題発生!
座席のリクライニングのボタンが見当たらない。
というか、それっぽいボタンはあるのだけれど、
奥に押し込まれていて、まったく動かない。

まぁリクライニングしなくても寝れるか!と
直角な座席のまま眠りに就こうとするも、すぐに起きてしまう。
これは困ったな~と思っていたところに、若い男性CAさんが通りかかり
拙い英語で「リクライニングのボタンここ?動かへんねん」と伝える。
すると男性CAさん、アームレストを力ずくでたたき出した。
周りのひと起きるやん!と慌てていたところで、
シートベルト着用サインが点灯。
CAさんは「あかんわ」と首を傾げて、暗闇に消えていった。

パリに早朝に着く便。朝から予定が入っている。
どうしても機内で寝て、体力を温存したかったのに。
課金して座席指定したのに、運悪いわ~と自己嫌悪。
前列に座ってたフランス人のおじさんは、隣2席が空席だったから、
まるでビジネスクラスのように横になり、通路に長い脚をはみ出している。
暗闇で何人かそのトラップに引っ掛かっていた。
その様子を見ていると、無性に悔しくなった。

シートベルト着用サインが消えてから、
次は物腰が柔らかそうなおじさんCAさんに助けを求めた。
するとおじさんCAさんが、ねじ回し片手に
搭乗前に出会ったスキンヘッド女性CAさんを引き連れて
助けに来てくれた。
先ほどの男性CAさんと同様、ねじ回しであらゆる方向から
アームレストをたたき出した。やっぱりボタンは出てこない。
ついでに私の座席の背もたれも、ぐいーんと倒そうとした。
もう大騒動だ。

結局、うんともすんとも動かず、
もう諦めるしかないのか…と思ったら、
スキンヘッドCAさんが、おじさんCAさんに
なにやらフランス語で指示を出している。
すると、おじさんCAさんが「こっちついてきて~」とわたしに手招き。
どうなるのか分からず、とりあえずついていくと
「ここ座り!」と後方の空いている座席に通してくれた。

通路側には大学生くらいの男の子が寝ていたが、
スキンヘッドCAさんがたたき起こして、
「あんたの隣にこの子寝るから、荷物どかして~」と
座席を空けてくれていたのだ。

これでリクライニングでゆったり眠れる!!と安心したのも束の間。

ブランケットも枕もスマホも、すべて自分の座席に置いてきてしまった。
でも大学生をまた起こすのは申し訳ない…と思っていると、
再び救世主現る。
おじさんCAさんがビジネスクラス用のふかふかブランケットを、
スキンヘッドCAさんが私のスマホを持って来てくれたのだ。
私には、このふたりに後光が差しているように見えた。
気配りが行き届いた、素晴らしい連携プレーを見せてもらった。
本当にありがとう!

おじさんCAさんに最後にもうひとつお願いをした。
母への伝言だ。眠っている間に、娘が姿をくらましたのだ。
いくら機内で誘拐は難しいとはいえ、びっくりするだろう。

「私の席の隣にいた人、私の母なんです。
彼女に私が移動した座席を伝えてくだい。」

簡単な文なのに、いざ英語で口にしようと思うと、
ゆっくりしか言葉にできなかった。
そんなノロノロ英文を、目を見てゆっくり聞いてくれて、
「OK」と、にっこり立ち去ったおじさんCAさんの後ろ姿は
まさにヒーローだった。
迅速にすべての手配をしてくれたスキンヘッドCAさんにも、
心からの感謝を。

彼らのおかげで、このあとはリクライニングを利用して
ゆったり眠ることができた。

結局、消灯中の約10時間を、この後方座席で過ごした。
「せっかく座席指定したのに」という気持ちが拭いきれず、
帰国後、この件に関してエールフランス航空に「前方座席指定料金のみ」を
返金してもらえるかダメ元で確認した。
すると座席不具合や、同行の家族と離れてしまったことなどに対する
謝罪と共に、座席指定料金を全額返金(約6700円)してくれた。
かえって申し訳なくなるほどの誠実な対応に、
ますますエールフランス航空のファンになってしまった。
次回も必ず、エールフランス航空を利用します!

朝食を食べたら、そこはフランスだった

明かりが点いた。朝食の時間だ。
お世話になった後方座席を片付け、元の座席に戻った。
母と再会。すこし安心した。

すぐに朝食が入った紙袋が配られた。
この紙袋までかわいい。さすがフランス。(何回言うねん)

手前の油が染みた袋は、たまごデニッシュ。
今回のドリンクは温かい日本茶。お砂糖いる?と聞かれてびっくり。
ほかほかで美味しかった。

朝食を食べながら、窓側に座っていた女性とお話しした。
彼女は、お米が美味しい県から来たそう。
旅慣れた様子だったので聞いてみると、海外旅行が趣味らしい。
美術が好きのお友達とパリ近郊の街を巡るツアーに参加するとのこと。
お互いにおすすめの旅行先を情報交換。

こんな出会いも旅ならではの一期一会。
彼女もフランス楽しかったかな?お目当てのマスタードは買えたかな?
いつかまた世界のどこかで会えるといいな。

地球のてっぺんを飛んでたのね

朝食を食べ終わるころには、ヨーロッパ上空。
ロシア上空を避けると、こんな航路になるのね。
夜中に窓の日よけを開けた人がいて、強烈で真っ白な光が差したのは
グリーンランドやアイスランドの氷だったのかな?
きっと行くことはないだろうから、ちょっと見てみたかったな~。

どこか分からないけど、ヨーロッパ上空の朝焼け
ドイツなどヨーロッパ上空を通過し、パリは目前!

もうすぐシャルルドゴール空港に到着。

いろんなことがあったこの飛行機とも、もうすぐお別れ。
ヒーローたちのおかげで快適な空の旅でした。

さて、パリへの旅がついに始まるよ!

この続きは、また次回。


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