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六車奈々、会心の一撃!

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タレント・女優の六車奈々によるエッセイ集。子育てをしながら働く、ハプニングと全力投球な日常をエッセイでお伝えします。
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2018年8月の記事一覧

金杯でカンパ~イ!

ご存知の通り、私は競馬が大好きである。 競馬の世界にも「一年の計は元旦にあり」というレースがあり、 金杯がまさにそうだ。 『一年の計は金杯にあり』と言われるほど、 金杯は競馬ファンにとって気合いの入るレース。 『金杯で乾杯!』となるのか、 『乾杯で完敗!』となるのか。 当然、誰もが前者を狙う。 さて、今年の金杯。 中山競馬場で行われる「中山金杯」は、700円で勝負! 京都競馬場で行われる「京都金杯」は、1000円で勝負! 合計1700円で勝負した。 さて、その結果は・・

ノーメイクの悲劇

私は普段、どすっぴんである。 メイクをするのは仕事する時、人に会う時くらいで、基本的には すっぴんの方が多い。 その日、私は実家でダラけていた。だるだるの家着に、どすっぴん。 仕事柄、人前ではきちんとしないといけないので、家にいる時くらいは 思いきり緩みたい。おやつを食べて、テレビを見て、幸せのユルユル時間を過ごしていると、突然『ピンポーン』と鳴った。 誰だ?玄関を見てみると、宅配便だった。すっぴんだし、 だるだるの家着だし、どうしよう。 30歳当時の私は、関西で色々な番

ビジネスクラスの蟻地獄

仕事で飛行機に乗ることはよくあるが、 ビジネスクラスに乗せてもらうことはなかなか無い。 ところが私は23歳のとき、海外ロケで人生初のビジネスクラスに 乗せてもらった。理由は『タレントさんだから』という太っ腹なもの。 あぁ、神さまありがとう! 私は特別待遇に感謝をし、機内へと乗り込んだ。    「機内食、楽しみ〜!」 ワクワクしながら窓側の席に腰をおろすと、さすがはビジネスクラス。 シートがゆったりしているではないですか。 贅沢気分を満喫していると、 「お。ワシ、奈々ちゃんの

キクラゲの白天と人生と私

『キクラゲの白天』を食べたことは、あるだろうか? 『キクラゲの白天』は、魚のすり身にキクラゲを刻んで混ぜ、 揚げ色を付けずに白く仕上げた平たい天ぷらカマボコのこと。 関西では大抵のスーパーで見られるが、関東では見かけたことがない。 醍醐味は何といっても、その食感。 ほんのり甘いすり身の味わいと、キクラゲのコリコリとした食感が、 とにかく絶妙である。 子供のころ、冷蔵庫を開けると『キクラゲの白天』が入っていることが あり、見つけると私のテンションは上がった。 「お母さん、こ

ミーゴレンの悲劇

バリ島へ旅行した時のこと。 到着した日に初めて『ミーゴレン』なるものを食べ、 あまりの美味しさに感動した! 甘からず、辛からず、かといって美味からず。 や~!ダチョウ倶楽部です。 ・・・まあそれはいいか。 とにかく、おいしいのだ。 ミーゴレンとは、簡単に言えばインドネシアの焼きそば。 これがどう美味しいかというと、甘からず、辛からず、かといって美味からず。 や~!ダチョウ倶楽部です。 もうええな。 とにかくミーゴレンは、甘みとスパイシーさと独特の旨味があり、 私はハ

愛のビリーズブートキャンプ

私はどうやら、愛が重い。 自分では全く思わないのだが、自分以外の人が全員口を揃えて言うのだから、 おそらく愛が重いのだろう。 私には好きなタイプなどなく、好きになったらその人がタイプになる。 自分と同じ身長の男性と付き合うと、 『やっぱり男の人は、背が低くなきゃね。 背の高い人なんて威圧感あって絶対にイヤ!』となり、 付き合う相手によって、 『やっぱり男はスポーツ万能じゃなきゃね!』 『やっぱり男は、スポーツより頭脳よね!』 『やっぱり男は、頭脳より発想力よ!』 と、好

接吻馬券

私には、節分の悶えるような思い出がある。 それは2008年の2月3日。 この年は節分が日曜日に当たり、京都競馬場では京都牝馬Sが行われた。 悪天候のおかげで、芝は雨を含んだ重馬場。荒れそうな予感がプンプンする。 穴狙いの私には、俄然楽しみなレースになった。 いつものように穴馬から狙い、命がけの予想。しかし結果は、大ハズレ。 当たっていれば、三連単で68280円の万馬券だった。 でも、こればかりは仕方がない。 私の選んだ馬が来なかったのだから、納得できる・・・ハズだった。

書き初め

10年ほど前、アメリカに留学している彼と超遠距離恋愛をしていたとき、 お正月の長期休みを利用して彼のもとへ会いに行った。 久々の再会で舞い上がっていた私は、新年を迎えた時点でベロベロ。 そのままアイリッシュパブへ行き、ゴキゲンでテキーラを飲んでいたらしい。 「Oh,really?」など、小学生レベルの英語を連発しながら、 笑った勢いで椅子から落ちるわ、トイレに行ったハズが店の外から 店員に連れて来られるわ、とにかくヒドかったそうだ。 翌朝、えげつない二日酔いで元旦の朝を迎

初夢

明け方、トイレに行きたいなぁと思いながらも面倒で寝ているとき、 「夢の中で用を足している」なんて経験は、誰しもあるのではないだろうか? この日、私もまさにそうであった。 冬の寒い朝、暖かい布団から出て、 冷え切ったトイレまで震えながら行くのかと思うと、 なかなか起きられない。 「あぁ、トイレに行きたい。」そう思いながら、ウツラウツラしていた。 夢の中で、私は温泉に入っていた。 「あれ。すごくトイレに行きたい。でもお風呂だし。。。どうしよう。」 私は迷った。 湯船から出て

ジェネレーションギャップ

私は40歳のとき、34歳のだんなさんと結婚した。 つまり私は、6歳年上の姉さん女房である。 6歳も離れていると、よく人から 「ジェネレーションギャップを感じることは無いの?」と聞かれる。 が、無いのだ。 二人の会話において、かつてジェネレーションギャップを 感じたことなど一度も無かった。 やはり『愛』の力かしら? ある日、ラジオ好きの私たちは、 ラジオパーソナリティーの話で盛り上がっていた。 妻:「女性パーソナリティーなら、誰が一番好き?」 夫:「うーん。やっぱ、ユキね

ビジネスホテル殺人事件

あれは私が24歳の時のこと。 『原田伸郎のめざせ!パーゴルフ』のロケのため、 ビジネスホテルの一室に前泊していた。 壁の薄い、古いビジネスホテル。部屋も少し薄暗い。 22時をまわっていただろうか? 部屋でゴロゴロしていると、いきなり悲鳴が聞こえた。 『きゃーっ!』 何事だ!? あまりの声に飛び起き上がると、 隣の部屋から女性の泣き声にも似た悲鳴が聞こえてきた。 『イヤーーーっっ!』 大変だ! 私は心臓がバクバクしてきた。 もしかしたら、男に暴力を振るわれているのか

東京さ行くだ

私は京都生まれの京都育ち。仕事もずっと関西でやってきた。 そんな私が2005年、いきなり昼ドラ『病院へ行こう!』の主役に抜擢され、 慌ただしく上京することとなった。 ずっと芝居をしたかったわけだから、昼ドラが決まったことは、心底嬉しい。 しかし、生粋の関西人がいきなり東京で一人暮らしを始めることには、 大きな不安があった。 『東京の人はよ、人の心を持たねぇ。若いねーちゃん騙くらかして、 とんでもねぇ所に売り飛ばすんだとよ。』なんてことは思わないが、 これまでオーディション

歳の差なんて!!!

私のだんなさんは、私より6歳年下である。 この『6歳差』の感覚は、年代によって全く違ってくる。 私が中学生の時、だんなさんは小学校1年生だった。 中学生の私が、小学1年生を本気で好きになるか? 1000%ありえない。 それは、相手にとっても同じだ。 確実にお互いが「恋愛対象外」である。 では、24歳女性と18歳男性ならどうだろう。 ちょっとエロい感じがしてきたではないか? 18歳の男子からすると、24歳の女性は憧れの大人の女性に映り、 女性から見ても18歳はカワイイ男の子

人間万事塞翁が馬

自分の人生が大きく変わる瞬間を感じることは、そう何度もあるものではない。私の場合、44歳の現時点で、二回だ。 一つは、昼ドラの主演が決まった瞬間。 もう一つは、プロポーズされたとき。 しかし前者は能動的で、後者は受動的だ。どちらも幸せな思い出だが、能動的な方は、自分で人生を切り開いた感じがする。 16歳から関西でモデルを始めた私は、徐々にテレビやラジオの仕事が増え、いつしかタレント業がメインになった。多い時にはひと月に40本も仕事をするほど、超多忙な毎日だった。 しかし女