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【感情移入】新社会人が没入できるかもしれないエンタメ6選(後編)

五月病に悩む新社会人に肩の力を抜いて楽しんでほしい。そんな思いから、前回は私が勇気づけられた3作品をご紹介しました。

今回は主人公につい感情移入してしまう、没入感たっぷりの映画とドラマ、ドキュメンタリーの3作品をご紹介します。日々のストレスはいったん忘れ、作品にグッとのめりこんでみては?

4.フランシス・ハ ノア・バームバック

ニューヨークに暮らす主人公のフランシスは、プロのダンサーを目指し奮闘しながら楽しい日々を過ごしていました。しかし、恋人との破局や親友とのルームシェア生活の解消など、厄年か?と思わんばかりの災難が次々と発生。居場所を求めてニューヨークの街を転々とするはめになります。

周りの人たちも身を固めていき、ダンサーとして芽が出ない自分に焦りを感じるフランシス。自分を見つめ直すべく、実家があるカリフォルニア・サクラメントに帰省したり、お金もないのに自分探しになぜか突然パリに行ったり……。

フランシスは27歳。仕事はうまくいかない、周囲の人たちは結婚していく。でもプロのダンサーの夢は諦めきれない。悩み、焦るフランシスの姿に共感する若い女性は多いのではないでしょうか?

誰しもあこがれるワンダーウーマンではない、どこにでもいる27歳の女性が不器用ながら前に進んでいく姿に思わず感情移入してしまいます。

とあるできごとをきっかけに、迷走するフランシスは本当の自分を取り戻し、再出発します。作品タイトルの「ハ」は、彼女の苗字“Halladay”から付けられているようですが、私は笑い声“HAHAHA”の“HA”に感じます。苦しい日々を超えて、最後は自分らしく笑って生きるフランシスの前向きさを現しているように思えるのです。

没入感のあるモノクロの映像とデヴィッド・ボウイによる主題歌「モダン・ラブ」がぴったり合ったオシャレな作品。若かりしアダム・ドライバーもルームメイト役で出演しています。ぜひ笑って、泣いて、フランシスの自分探しの旅を一緒に楽しんでみてください。

5.エルピス-希望、あるいは災い- 関西テレビ放送

長澤まさみが演じる主人公は、スキャンダルを理由にエースの座から転落したアナウンサー。冤罪事件の真相究明を進める中で、一度失った「自分の価値」を取り戻していきます。実在する数件の冤罪事件から着想を得たフィクション作品です。

主人公は深夜の情報バラエティ番組のキャスターを務めます。放送時間帯も内容も、スキャンダル前に彼女が担当していた報道番組と違い、番組スタッフも現状維持を守るだけで、あまりやる気がありません。

そんな中、眞栄田郷敦演じる新米ディレクターがひょんなことから同僚の女性に、過去にあった女性連続殺人事件について取材しろと脅されます。彼女は世間では事件を起こした犯人のさらわれた被害者とされていましたが、実は容疑者は冤罪だというのです──。

最初は戸惑っていた取材班も、だんだんと使命感を持ち、さまざまな圧力にも屈せずに事件の深層に迫っていきます。私も経済ニュースではありますが同じキャスター業に携わる身として共感することが山ほどありました。

我々が日々目にしているニュースとは?正義とは何か?真実と事実の違いとは何なのか?社会への影響や発信のあり方、仕事の向き合い方について考えさせられる作品です。

6.なぜ君は総理大臣になれないのか 大島新

衆議院議員の小川淳也の2013年から2020年までの17年間の活動を追ったドキュメンタリー作品。監督の大島新は「政治家を笑っているうちはこの国は絶対に変わらない」と真っすぐ語る小川議員に惹かれ、撮影を始めます。

2009年の自民党から民主党への政権交代で、「日本の政治は変わります。自分たちが変えますと」輝かしく語り、若手政治家と期待された小川議員。しかし、霞が関の権力への欲望が足りず、ただ真っすぐに突き進んでしまう彼は政治の渦に翻弄されていきます。家族からも「政治家には向いていない」といわれる始末……。

政治の世界はあらゆる権力や思惑で成り立っているので、小川議員のような人はタイトル通り、総理大臣になることはできないでしょう。でも、彼の持つ清々しさは周囲の人を惹きつけ、応援したくなると思わせる力がある気がするのです。

私が番組で出会ったビジネスパーソンたちにも、そんな清々しさがある人が多くいました。愚直に、ズルをせず、淡々とやり続けることがいかに難しいか。人々の思惑が蠢くビジネスシーンでは「清々しさ」がある人が珍しいため、応援される理由なのかもしれません。

そして応援したくなる人には、一緒に頑張ってくれる仲間も自然についてきます。そうすれば、自分に足りない能力もチームで補えるようになる。特にまだあまりスキルを持たない新入社員の人こそ、周囲を惹きつける清々しさは強力な武器になるはずです。

「新社会人に読んでほしい本5選」(「変えられないものは『自分の武器』として活かせ」 新社会人に贈る、働くヒントをくれる本5選 (前編)|奥井奈南 (note.com))に続き合計11作品をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?仕事の悩みを吹き飛ばし、前向きに頑張る糧になれていたらうれしいです。

読者の皆さんがおすすめするリフレッシュコンテンツがあれば、ぜひコメントで教えてください!

構成:大竹初奈

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