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映画初心者によるWSS初見の感想

こんにちは、Nanaです。

先日、ウエストサイドストーリーを見ました。


ウエストサイドストーリー。不朽の名作ですよね。
本当に今まで映画に疎かったので、かろうじてフィンガークラップを知っている程度&CMで見ただけの完全初見で、ラブストーリーだと思って観ました。ウエストサイドストーリーは、名作として有名ですし、お金のかかっている映画なことは私でもわかったので、絶対外れないと自信満々に友達を誘って観に行きました。
私の勉強不足であったと思うのですが、正直、私は苦手でした。
友人がどう思ったかは、わかりませんが、2人していやぁ重かったね、と。「面白かったね~」とニコニコお茶できる映画ではないね、と。
重い映画が悪いわけではありません。重い映画を自分の中で噛みしめる時間が好きだったりもします。映画を観ていろいろと考えて、言語化する時間が大好きなのでこうしてnoteを続けられています。
私が苦手だと感じた理由を言語化して残しておこうと思います。


①バイオレンスなシーンが苦手だから

正直、これに尽きると思います。
生きづらいほどに、どんどん苦手になっているんですよね。痛そうなシーンを見ると必要以上に心を痛めてしまうので、直視できなくなってしまうんです。どれくらいダメかと言うと、名探偵コナンの殺人シーンで肩をすくめるくらいに。コナンでもダメな人間にはちょっと強すぎました。
人には死んでほしくないし、この物語では「仕方ない」と思える要素が少なすぎました。「殺さないで」と願うことができる、というのも苦しさを増大させます。死なないでほしい。殺さないでほしい。

②一目惚れが理解できない

一目惚れって何なのでしょう。フィクションでは見ますが、自分はおろか周囲の人間も経験していません。
もちろん、経験していないことは全て理解できない、というわけではありません。わからないから受け入れない、というのは間違っていると思います。ですが、どうしても、ここまで彼らを強くつなぎとめるものが何なのか理解できなくて、「もうよくない?」と思ってしまう自分が何度も現れました。
マリアがアニータに対してあなたも恋をしたことがあるならわかるでしょ、と歌いますが、出会って2日目の愛と何年も育んだ愛では種類が違うだろう、と思ってしまいましたね。いや、本当に、なぜあそこまで愛することができるのか。わかりませんでした。感情移入が出来なくて世界に入りきれませんでした。

③誰がメインなのかわかりにくい

これは、良さでもありますが、主役級のキャラクターが多すぎて、しかもみんなそれぞれの気持ちをもって対立しているため、誰目線で見ればいいのかが難しかったです。これは素人ならではの意見かもしれません。
ですが、見ようか悩んでいる映画初心者には大事なことだと思います。
小説だと、視点の入れ替わる群像作品好きなんですけどね…
映画と小説は違うんだなと、今書きながら思いました。
自分が誰の気持ちで見ているのかわからなくなるんです。登場人物への願いがどれなのかわからなくなります。おそらく、自分のジェンダーが女性なのも相まって、マリアやアニータに肩入れしてみていたのですが、そうするとどういう気持ちで見たらいいのかわからないシーンも結構あったんです。
魅力的なキャラクターが多いからこそ、丁寧に描こうとするからこそ、私には少し難しいと感じました。

④不自然な点が多々ある

ミュージカルなんだから当然だと思われても仕方ないのですが、個人的にはえ?ここで歌う?踊る?みたいなシーンが多すぎました。ミュージカルなら恋愛感情をはじめとする個人的な感情やみんなの団結が高ぶったときに歌うのは理解しているのですが、え?今?何のための歌?みたいに感じた点がいくつかあったんですよね。
これでもオリジナル版よりは減っているようですが、戦うシーン・人の命がかかったシーンでは踊らないで!と心から思いました。緊張感がなくなってしまうので。


ただ、もちろん良かったところもあります!

①歌がうまい

とにかく歌がうまい。
マリアの歌声が好みすぎて最高でした…とても良かった…
マリアのソプラノとアニータのアルトが光る2人のデュエットは最高ですね。私もあの2人みたいに歌いたい…!
あと、ラテン系の音楽がマイブームなので、「アメリカ」も大好きでした。アニータの歌と、それにこたえるみんなの感じがとても良いです。あとお掃除バイトのシーンの曲も大好きです。自分かわいい!最高!って曲は最高です。
CMなどによる単純接触効果もありますが、「Tonight」は当たり前に良かったですね。2人のハーモニーが最上級に素敵で、映画館に来てよかった~と思わされました。
物語後半のtonightなどがリミックスされた曲もとても良かったです。ミュージカルらしくて最高に好きでした。

②リアルなシーンが多々ある

悪い点で不自然さを挙げたのですが、その反面、苦しいくらいにリアルなシーンもあって良かったです。
いや、正直、とても苦しかったのですが、レイプのシーンです。西側に住む彼らがそういう事件を起こしやすい、とかそういうことを言っているわけではありません。というか知りません。だけど、レイプをする前に女性を部屋から出すところとか、嫌だと言っても抵抗しようがないところとか… すごく苦しかったです。女性はどこに行っても、こういった瞬間に急に弱者にしかなれなくなってしまうのだと突きつけられました。
自衛じゃどうにもできない。いろんな負荷がかかると、誰でもこうなり得るのではないかと思います。うう、苦しい。

あと、クラシックバレエをルーツとしていないような踊りが見られて面白かったです!
キャストのみなさんが何をルーツとしているかはわかりませんし、もしかしたらクラシックバレエかもしれませんが、なんだかちょっと違う感じがして面白かったです!
他にも、逆光をたっぷり使った画作りが、カメラを趣味とするものとしては楽しくてたまりませんでした。美術館のシーンとか、写真を撮るうえで良いインプットになりました!楽しい!


そんな感じであまり得意ではありませんでした。
ちょっと前に気が付いたこととして、私は現代の作品が好きなんですよね。脚本段階から、現代の人をマーケティング対象としているような、自分もその対象に入っているような作品が好きです。当たり前ですが。時代を、感性をある程度共有している作品が好きです。
そのため、ウエストサイドストーリーはちょっと私には合わなかったのかもしれません。

死なないでほしい。殺さないでほしい。傷つけないでほしい。
綺麗事かもしれないけれど、自分の切実な願いに気づくことが出来ました。

図らずも、とある大きな国の西側で、痛ましい出来事が起きています。
死なないでほしい。殺さないでほしい。傷つけないでほしい。
みんながそう思えたら平和になれるのかな、


多様な意見の1つとして、読んでいただけたら幸いです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Nana

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ケーキが食べたいです。今はモンブランが食べたい気分。