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戦場のジーニャとWe Are The World

あまりに衝撃的だったので書いて落ち着こうと思う。NHKスペシャル「戦場のジーニャ ~ウクライナ 兵士が見た“地獄”~」兵士となったウクライナ市民が撮影した戦争の実態を描いたドキュメンタリー番組だ。

まず番組は以下の注意書きから始まった。


西欧の供給する最新鋭の戦車は地雷で使い物にならなくなる。地雷で吹き飛ばされる人がいる。結局、小隊が塹壕を掘り最前線は人が守る。

愛おしい人たちとビデオ通話をする父は、手榴弾を取り付けたドローンを飛ばす…ゲームだと思って敵を爆破する。でもその真実を家族に伝えることはできない。

戦争は陣取り合戦ではなく、最小単位は人対人だ。それが痛いほど伝わってきた。

NHKだからこそ放送できるのだろう、目を背けたくなるシーンもあった。
ひとがひととして扱われない写真や映像はわたしの小さなトラウマを呼び起こす。
(番組冒頭の注意書きは正しいと思う)

図書室の片隅にある埃を被った大きな本、小学生の頃にベトナム戦争の写真集を開いてしまったことがある。同時期にクラスの子がふざけてコソボ紛争の動画を教室で流していて、それも忘れることができない。
どうしても忘れられない。

でも子供も大人も関係なく、できれば隣に抱きしめられるひとがいる中で戦争の悲惨さを痛みを理解してほしい。

そうすれば私や貴方は家族や友人を大切に、今を生きていける。ひとりひとりが隣人の痛みに寄り添うことが小さな平和を紡いでいくのだと思う。

いっぽう、何度聞いても素晴らしい歌についてのドキュメンタリー。

1985年1月25日の夜に音楽界のスーパースターが集結して行われた「ウィ・アー・ザ・ワールド」のレコーディングの舞台裏に迫るドキュメンタリーだ。アフリカの飢饉救済のためにマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが計画した「ウィ・アー・ザ・ワールド」を歌ったのは、スティーヴィーワンダーやボブ・ディラン、それにシンディ・ローパーなど私でも知っている人ばかりだ。

冷戦もアフリカの飢饉も音楽が分断された社会に影響を与えてきた歴史があると改めて思う。最終的にチャリティは158億円近くを集め、成功を収めたわけだが、今音楽にそんな力はあるのだろうか?

ポップス至上主義はとうに廃れて、皆が共通して聞くジャンルもない。
それでもガザやウクライナを思う時に、現代の「ウィ・アー・ザ・ワールド」があれば…そう考えてしまうのはきっと私だけではないと思う。

閲覧ありがとうございます! 貴方も私も今日が素敵な一日になりますように!