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2169 『変幻』

◇2169 『変幻』 >今野敏/講談社文庫

「同期」シリーズ第三弾。こちらも楽しんで読了。

今回は女性同期の大石が潜入捜査に駆り出されてしまうというストーリー。潜入捜査は日本では違法だそうだが、果たしてフィクションの世界だけの出来事なのか、実際には考案を中心に実施されているのか。

本シリーズでは警察内部の事情をリアルに描いている。例えば聞き込みの際には手帳ではページ数が足りなくなるので実際にはノートを持参するなど。こういったリアルな書き込みがあるからこそ、潜入捜査といった現実味のないストーリーにも厚みが出てくるのだろう。

締めくくりとして刑事以外の仕事にも応用できそうな一言を抜粋しておきたい。

「刑事はな、自分で考えるんだ。警察官は兵隊じゃない。上の命令に従っていればそれでいいというもんじゃない。でなけりゃ、いつまで経っても一人前にはなれない。(中略)勝手なことをしろって言ってるわけじゃない。頭を使えって言ってるんだ」



あらすじ:警視庁捜査一課刑事の宇田川の同期、特殊班の女刑事が「しばらく会えなくなる」と言い、音信不通となった。かつて公安にいた同期と同じように……。「同期」シリーズ完結篇!公安を辞めさせられた男。特殊班で消息を絶った女。たとえいなくなっても、俺たちは同期だ――。


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