電車遅延による非日常|日記
今日は、いつも通勤で使っている電車が大幅に遅延した。
いつもよりも気持ち早めに家を出たというのに、最寄り駅で1時間くらい待ちぼうけしてしまった。
動き始めたあとも電車はコミコミで、暑いし気分はサゲサゲだ。
やっと目的の駅で降り、なお混雑する駅内を抜ける。
駅には仕事に向かう人や、学生たちで溢れかえっていた。
仕事人たちは、みな一様に無の表情をして、どこかに電話をかけたり、虚空を眺めたりしていた。イライラしている人も多かった。
だが、学生たちはみな、ハイになっていた。
友達との再開を大げさに喜んだり、何かに大声を出して笑ったりしていた。
いつもよりも人数も多く感じられ、眩しいくらいにやかましかった。
電車の遅延というと、まあ、巻き込まれた人や仕事に支障が出た人など嫌な思いをしたり、悲しい思いをしたりした人の方が多いのはもちろん分かる。
が、電車の遅延で登校が遅れ、いつもと違う時間に友達と街を歩くというイベントは、彼ら彼女らにとってはある種の思い出になるのだろう。
彼ら彼女らは、この非日常感を満喫しているように見えた。
でも、この興奮も学校につき、1,2時間もすれば薄れていくのだろうとも思った。
放課後には、いつも通りなのだろう。
朝着込んだ上着が暑かった。
上着の前を開けるとサッと涼しい風が入り込んできた。
おしまい。