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吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる(読書感想文)

 若い頃読んでいた作家さんを最近読み直している。吉本ばななさんは少し前に改めて読んだ本をとても綺麗だと感じたので、また読んでみようと思った。
 私が今読んでいる本は40代過ぎてから選んで出会っているので、なんとなくしっくりとくる。誰かが以前書いていたけれど、本の良さは自分の立場や年齢、経験が変わってまた味わいが変わると言うところ。同じ本を再び読んだ時に感じ方が違うところを楽しめるのも本の良さだと思う。

 吉本ばななさんの本をよく読んだ。でも実際はその時の流行りに乗っていた様な感じで、よくわからない部分も含めて読んでおきたいと思っていた。あの時の自分に感謝したい。あの時読んでいたからこそ、今の自分とのコントラストを楽しめる。

 図書館に8冊程お願いしておいたものが一気に届いたその一冊目がこれ。エッセイは読みやすいかな、と初めて吉本さんのエッセイを手にしたけれど、読みやすくはなかった。というのも、相談が重いのと吉本さんのこたえも重いから。

 人との距離感、子どものこと、恋愛...と、若い頃に読んだら感想は違ったかも知れないけれど、吉本さんと同じ様に時を積んできた私からしたら「そうそう!」って共感したり「なるほど」と思うことが多い。最後の方はそれがクセになりそうだった。感想は同じでも、ここまで言い切れない、というだけの違いだけれど、それは大きい。私だったらもっとソフトに伝えようとして、うまく伝わらない感じになるかもな。

 吉本さんのバウンダリーの引き方をクールに感じて、心地よく思った。

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