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肉体のジェンダーを笑うな(読書感想文)

 他に予約していた本が図書館からどんどん入ってきているため、ナオコーラさんウィークは一旦ここまで。この春は、ナオコーラさんの世界に浸ることが出来て本当に良かった。

 そしてこれは極め付けと言っても良いかも知れない。ジェンダーに関して、自分が知らない間に2つの性別をハッキリ分けてしまっていること、それが当たり前になってしまっていることを嫌と言うほど思い知らされる。

 例えば、この本にある4つの話の中には、性別がハッキリと出てこない。にも関わらず私はどちらかの性別を勝手にイメージして読んでいる、ということに気付くのだ。読み進めている間に、名前や話し方からなんとかして性別を読み取ろうとしている自分に気付く。そして、最後は結局この人はどっちだったんだ?と思う自分にウンザリする。

 「どっちだって良かっただろ、人間なんだよ」
と自分に向かって言いたくなる。自分の中に革命が起こりそうな本だった。この自分の中に根付いた「当たり前」をもっと読み解いていきたいと思うと共に、こんな機会をくれたナオコーラさんに感謝。

 親子に関する記述も、子どもが巣立ったから今感じ入るものも多い。出来るだけ長生きして、この「新しい当たり前」が浸透する世界を見ていたいと思う。

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