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「おつかれですか?」5分小説『シュークリームと象』

私の誕生日の日に突然、蜃気楼みたいな空気をまといながらどこからか象が現れた。

その象は(多分)招かれてもいないのにパーティーテーブルの前まで来て、おもむろにシュークリームに鼻を伸ばす。

リンゴを食べるみたいな手付きで、フワフワトロトロなシュークリームが次々と象の口に吸い込まれていく。

私はその様子を唖然として見ていた。

周りの皆は象のことなんか気づいてないようで、カラフルなドリンクやキラキラのお菓子を楽しそうに食べている。

私はただ、驚きすぎて声が出なかった。


私はクリーム色のベッドで目を覚ました。

不思議な夢を見ていた気がする。

私は桃色のパジャマから適当な部屋服に着替え、歯を磨き、髪をとかして、その時、カレンダーを見て気がついた。

そうか。今日は私の誕生日か。

私は今日はシュークリームでも作ってみようかなと思う。

昔母に教わったきりだから、うまく作れるかわからないけど。

もしかしたら…なんだか家に象が訪れてくる気がするのだ。そうなったらとても愉快だ。でも、なぜそう思うのだろう?


「こんにちは。」
「…やぁお嬢さん。こんにちは。何年ぶりかな?」
「数時間ぶりよ。シュークリーム、沢山作ってあるわよ?」