組織開発とChain of Leadership
あけましておめでとうございます。
私の所属する製造業においては、安全操業第一、その他様々な理由から組織は下図のようなピラミッド構造をとります。
過去Noteでは、組織の要である”課長”層を主役とした組織横断型ワーキンググループ(WG)の取り組みについて紹介してきました。
私は昨年10月に”管理職”に昇進したものの実務を担当する立場なので、ポジションはピラミッドの中の”スタッフ”です。実はこのスタッフ層の下にはオペレーター(現地採用の運転員/実験担当者)や派遣社員、さらには協力会社の方々が存在しており裾野が非常に広いです。
課長は中心のような概念図を描きましたが、組織の中では上層部クラス。今回は、組織開発の波がピラミッド上部に止まらず下部にも伝播する”仕掛け”とその”結果”について記録します。
【伝播の仕掛け】
その仕掛けとは何か?
ファシリテーションの観点からも、話し合いの場で建設的に議論できる参加人数には上限があります。したがって、WGにスタッフ層以下を巻き込むという手法には人数の限度があります。事務局としては世界経済会議やその他昨今のワークショップの取組みを参考にしながら、サブワーキンググループという形を提案しました。全部で7つあるWGのうち、いくつかのWGがこのサブワーキンググループの概念を取り入れて、スタッフ層以下のメンバーを選定して意見を話し合いに反映させています。
そのやり方はもちろんそれぞれで、WG会合に参加させたり、WG話し合い結果を課長さんが部下に伝えてフィードバックを求めたり。
このような過程で部下は事業所で今何が起きているかを知る機会を得ます。ただし、巻き込まれる人は全員ではありません。伝播は生じますがまだ不十分です。
【広報機能の活用】
そこで、会社の”広報”機能を活用することにしました。
従業員向けに定期的に発信される社内報にてWGの活動を紹介するのです。
活動の紹介方法として、各WGのリーダーにインタビューを行い、その内容を記事にするという形をとりました。必ず質問する内容は次の3つとしました。
1.ワーキンググループのリーダーに選任された時のお気持ちは?
2.撮り進めて得た気づき、嬉しかったことは?
3.今後の意気込み!
インタビュワーは総務人事の若手スタッフと私。
役割としては、インタビューの設定・メインの聞き手を総務人事の若手スタッフに担当していただき、私はインタビューメモの作成および質問の深掘りを行いました。インタビュー結果を1枚のポスターに仕上げる役も若手スタッフに担当してもらいました。
この取り組みの結果、得られた副次効果は次の4つ。
・若手スタッフの彼女に、組織開発の全体像を伝えることができた。
・準備次第で30分でこんなにも心が通う有意義な時間が過ごせるのだという事実を知った。
・各リーダーのお話が非常に深く、聞き手として大変勉強になった。
・リーダーの方から感謝される形でインタビューを毎回終えた。
インタビューに挑む際には、私達二人もドキドキ。普段は異なる部署で働く大先輩であり、こんな機会でなければ話をすることなんてできません。離れた現場にて指揮をふるいながら、時間をとってくださったリーダーの方々の時間を無駄にしないように、二人は早めに集合してインタビューの進め方などを事前に確認します。待ち合わせて社有車で現場に向かう。その時に生まれる会話は非常に豊かなものでした。
あらかじめインタビューする3点はお伝えしていたので、しっかり考えをまとめてくださっていて、記事としてまとめる話の骨格はすぐにピックアップできました。
話を聞けば聞くほど、リーダー皆さんはご自身のキャリアや経験(成功も失敗も)が光る取り組み方をされていることが理解でき、あぁこんなアプローチもあるのかと驚嘆するばかり。
最後にはリーダーの方から「ありがとう。元気が出たよ!!」と言ってもらえて、このインタビューは話し手の頭の整理にもなっていたんだなと実感しました。
前半からそんなこんなの気づきがあったので、後半のインタビューは私は意図的にインタビューから離れることに。若手スタッフがその後輩を連れて、二人三脚で見事に全7リーダー+WG推進役の8名にインタビュー実施とポスター制作を全うしてくれました!!
インタビュー記事のポスターは、リーダーさんの顔写真付きで事業所未来報に掲載され、そのタイトルはズバリ、
「突撃!若手記者が行く 職場訪問」
〜番外編 事業所次期中期運営計画策定の最前線〜
で中期計画の方針と、各WGの役割がわかるように上手に記事にしてくれました。この記事は事業所内の全従業員にメールで配信されます。その更新頻度も約2週間に1度のペースとなるように、2ヶ月に渡るWG活動を支える形でスケジュール感を意識して動いてくれました。
Change Agentを名乗る私が意識しているChain of Leadership。
リーダーシップはフォロワーシップと表裏一体。
その熱量は周囲に伝播し、大きくなっていくはず。
そんな想いを持ちながら、新しい年を迎えました。
まだWGでの活動結果により得られたアウトプット(マイルストーン/アクションプラン/達成指標)をブラッシュアップしていく作業は残っていますが、楽しくやれそうです!!
では今年も1年よろしくお願い致します。
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