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『竹取物語』イントロ04(古典ノベライズ後編)

(昨日 ↓ から続き)
https://note.com/namikitakaaki/n/n0070165fe73b


 その日の夜から。
名前が決まったパーティーは、3日間にも亘り、みんなで歌ったり踊ったりと、気分は文化祭の後のカラオケボックスでの打ち上げ。
 ひたすら腿に打ち付けるタンバリンが欲しいくらい、歌も踊りも止まなかった。
 おじいちゃん的にはわたしの婚活的な意味合いもあったみたいで、節操もなく男は誰でも構わず集めてそれはそれは盛大に騒いだ。
 名づけてくれたアヤシイ秋田さんが(失礼だけどゴメン見た目によらず)実はめちゃくちゃいい声で、歌うまくて、「神職すげー!」ってなった。
 わたしも吹奏楽部だから、フルートのノリで、竹で作った横笛を吹いた。いけた。
 この時代って音楽ができるとメチャクチャ褒められるみたいで、シャレで選曲した『Moon River』は大絶賛だった。
 気分は(実の祖父母がお気に入りの)オードリー・ヘップバーン。

「本当に、お美しい! 僕と結婚してください!」

 なーんて、世の男たちはいろんな人が家にやってきて、入れ代わり立ち代わり、次々とお見合いをやってる感覚。
 わたしの勉強したメイクに、なんとなく平安時代白い感じがマッチしたのか、御簾越しとは言えこの世のものではない女神様を見るみたいに、ポカンと口のきけなくなった男性もいた。
 気分は(やっぱり!)オードリー・ヘップバーン。
 でもなぁ……。
 その男どもがなーんかすっげーエロい目で見てくるのだけは、気になったんだわ。

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