いつかのライブ映像その1

パソコンの中をチェックしていたら、「後でYouTubeにでもあげようか」と思ってそのままになっている映像データがだいぶある事が分かった。なので、少しずつやる事にしました。
 自分語りはあんまりなあと思いつつ、ライブの楽しみ方を少しでも見つけてもらえればと思うので、解説のようなものをちょこっとここに書くことにします。

 これは、演奏の感じと2人の体格の具合と自分が履いている靴から見て、一昨年くらいだと思う。こういう風に演奏をしていると、ジャズっぽくないかのような事を言われるのだけれど、なんでそんな風に思うのかなと思う。おそらく、フランクシナトラ的でも、サラボーン的でもないからなのかもしれない。しかし、アプローチもやっている事もジャズなんだけどなあ…。
 こういうゴリッとしたテイストは個人的には好きで、たまに荒っぽくなるところも自分の傾向なのだと思う。ライブ全体を通して、色んなテイストのあるカラフルな感じにするのが好きで、こういうのは行き過ぎるくらい行ってしまった方が、ライブとしては良いのかなと思う。後で聴くと「荒っぽいなあ…」と思ってグッタリするのだけど、全体のバランスでいうとこれくらいやってて良いくらいなんだろうと思う。
 こういうのをやるタイミングは、大体セットリストの後ろの方に1つだけ。でっかい花火を打ち上げるつもりでやります。特にこの日のような編成だと繊細なものが多い方が楽しめるので、最後の方に忍ばせるわけです。
 それから、ドラムのませきにはいくつか注文をつけていて、リハーサルで色々と調整した後に「天才みたいに叩いて」って言ったはず。噛み合っているところとそうでない部分とが色々あって、面白いなあと思いながらやってた記憶がある。そもそも細かく決めているわけではなく、インスピレーションが軸になっているわけで、しかもこの日はおそらく彼と初めて2人でやった日だと思う。そういう日はのびのび楽しむのが良いなあと思うので、ディテールに気を取られすぎて萎縮するのだけはつまらないところなのです。 例えば最後の方で、歌詞の部分が終わった後のピアノとドラムの動き方が、お互い手探りで「どっちだどっちだ??」ってなっていて噛み合い切れてないところも、個人的には楽しいなあと思うわけです。
 スパニッシュ(フラメンコ)のシンガーや、タイや日本やメキシコやいたる所の民族音楽、それからヨーロッパの音楽も好きなので、そういう音楽の中でやられている歌のアプローチなんかを意識したりする事も多いのです。ソウルやファンクやR&Bにはそんなにハマった事がないのに、よくそういう音楽性なのだと誤解される事がある。きっと、細かくリズムをとる事が多いからだなのだと思う。世界の音楽に詳しい方にはたまに気付いてもらえる事もあるけど、気付かれないとしてもそれはそれで面白い。
 それから、そうだ。1つ思う事なのだけど、この曲の冒頭部分のませきが叩き始めるタイミングで、クラッシュシンバルを「パシャーン」と一発叩くところがある。ドラマーがよくやるやつ。あれは「入ってきましたよー」っていう意味で、曲の展開を分かりやすくする効果なんかもあるのだけど、ああいうのが俺はあんまり好きじゃない。特にただ癖でやっちゃう人や、キック(バスドラム)とセットでやっちゃうのを見ると、ピクっとなる。曲の関節部分が見えすぎると興醒めしてしまう感じがあったり、クラッシュは残響が長いし無駄なエネルギーが持続してしまって、ちょっと落ち着かないなあと(この件についてなんかも、彼とは意見交換済みで既に解決しているので、彼への批判ではありません。あくまで俺個人の嗜好でもあるのだろうし、この日のこのませきの「パシャーン」は、俺と一緒にやる音楽への思いやりでしかないのは言うまでもないのです。)。

 こんな感じで解説しつつ、ちょくちょくライブ動画も出して行こうと思います。インタビュー動画なんかも紹介してゆくつもりで準備をしているので、たまに覗いて、たまに楽しんでもらえればっ。

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