ニューバランスの993
ニューバランスの名作の中でも特に業界内支持が高いような気がする993。雑誌のファッションスナップ系でニューバランス履いている人がいれば、ほとんどこの993か990v5だったりします(あくまで印象)。長谷川昭雄さんのスタイリングでもよく登場しますね。
ローテク・ハイテクが絶妙にブレンドされたこのいなたさ加減、メイドインUSAの高級感とその一方でまさにアメリカの田舎のおじさんが履いてジョギングしてそうなリアル・クローズ感。この辺りがアメリカ好き・洋服好きに愛されている理由でしょうか。
加えて、この悪目立ちしすぎないちょうどよいクセの強さが、服になんかこだわらないぞという人のささやかなこだわり具合や、996あたりをおしゃれに楽しんでんじゃねえぞという、私を含む実にめんどくさいニューバランス原理主義のおじさんのプライドをくすぐるのですよね(褒めてます)。
色はもちろんニューバランス定番のグレーもよいのですが、やはり993や992はネイビーがいけてる気がします。この絶妙なグレーの量とのバランスやレイヤード具合、スエードの風合いが足元でちょうどいい重厚感を演出してくれます。生産中止モデルなのでがんばって楽天やメルカリで探すしかないのですが、実際グレーやブラックに比べてネイビーはなかなか見つからなかったり。
履き心地は近年の990vシリーズなどと比べるとさすがに若干ソールが硬いような気がしますが、その辺も含めて元祖ダッドなスニーカーとしてのクラシカルな趣が詰まった一足。この靴が似合う場所はおしゃれスナップ撮影スポットではなく、きっと片田舎のパブやスーパーやガソリンスタンドなのです。
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