Vol.18 禁酒番屋か

「禁酒番屋かっ」

昨日は日本中の落語ファンがツッコミを入れた一日だった。言うまでもなく小池都知事による酒類提供禁止要請を受けての話である。
なんでそういう発想になるのだろうか。悪いのは酒でも飲食店でもなく客。大勢で馬鹿騒ぎし飛沫を飛ばしまくる客である。だからそういう客を締め出せばいいだけの話。何故そんな単純な事が分からないのか? いや、分かっているのだろう。それでいて〝何かやったふり〟をする。自分の手は汚さず政府に〝要請〟する。そして少しでも結果が出れば自分の手柄。それが彼女のいつものやり方だ。

落語「禁酒番屋」のあらすじはこちら↑ をご覧頂きたい。
要は「酒を売りたい酒屋」と「それを取り締まる役人」の攻防戦である。これだけ聞けば例の「見回り隊」を連想するがそこは落語。役人も酒が好き・・・というのがミソである。「二番煎じ」などにも共通するテッパンのネタだ。
余談だが私はこれを定席寄席で聴くのが好きだ。サゲ(注:オチのこと)間際、役人が小便を飲んだ瞬間、周りの客席で「うわ〜ッ」という声が上がるからだ。大体年配の女性に多いように思う。定席寄席は普段落語を聴かない客層も多いためサゲを知らずこのような反応になるのだろう。この「うわ〜ッ」の多さに演者の力量が表れている気がする。

と、話が逸れたが問題は酒だ。
禁止されればされるほど飲みたくなるのが人間である。家で飲む酒と店で飲む酒は違うのものだ。もちろん飲食店にとっても死活問題である。それを理解しろよ。談志も【業の肯定】と言っているではないか。流石に条例で決まれば「肯定しろ」とは言えないが、絶対コッソリ出す店は現われる。それこそ二番煎じではないが土瓶に酒を入れ「煎じ薬です」と出す強者も現われるかもしれない。内心そんなニュースを楽しみにしている自分がいる。不謹慎で申し訳ない。



【猫ムスメより】
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