Vol.33 「私、作る人 僕、食べる人」 〜炎上CMに感じるジェンダー論のモヤモヤ

その昔「私、作る人 僕、食べる人」というCMがあった。調べてみたら1975年、ハウス食品によるインスタントラーメンのCMだった。1975年と言うと私はまだ生まれてすらいないのに何故知っているのだろう。恐らくそれくらい有名なCMだからだ。〝炎上CMの元祖〟として。

思えば平和な時代だった。このCMが企画を通ったのだから。今なら秒でアウトだろう。なにせファミリーマートの「お母さん食堂」が炎上する時代だ。今放送したらエセフェミニスト格好の餌食となりハウス食品社長が謝罪会見を開かされるに違いない。

しかし私は「私、作る人 僕、食べる人」が何故ダメなのか分からない。別に本人達がそれで良ければいいじゃねーか。お母さん食堂しかり。何故お母さんが作りたくないのに作らされていると決めつけるのか。そちらの方が差別ではないのか。確かに今は当時に比べ共働きが多い。でもだからと言ってお父さんが何もしていないとは限らない。お母さんが料理している間に子のおむつを替えているかもしれないし風呂を洗っているかもしれない。要は「いちゃもんを付けたいがために付けている」のだ。何が目的なのかは知らないけれど(←意味ありげ)。そういう意味ではCMに香取慎吾という絶妙なキャラを使ったファミリーマート、見事な危機回避能力である。


私は思う。
「差別と分業を混同してはいけない」と。
今は一部の人間によりそれが意図的になされている気がする。「母子手帳」にまでイチャモンが付けられた時は唖然とした。この人たちは「母性」って言葉を知らないのだろうか。子を股なり腹から捻り出すのは女であり、乳が出るのも女だ。まずそこから違うだろ。人間には出来る事と出来ない事があり、それは生まれた時から決まっている。もしそこの差別を無くせというならそもそも生まれる時から男女の性差を無くさなくてはならない。
ジェンダー問題にしろレイシズム問題にしろ本来の意味から外れ政治的・○○的に利用されればされるほど本当に迫害を受けている人が声を上げられなくなる。

ちなみに私は家で夫に言っている。
「アナタ、稼ぐ人 私、育てる人」と。
夫は激務だ。そして今の私には夫ほど稼ぐ能力も無ければ気力・体力も無い。だから稼ぐのは夫に任せ、家事・育児は全て私が担うとハッキリ決めている。いわゆる「分業」だ。そう考えれば夫が仕事後に疲れ果てソファでイビキをかいていようと全く腹が立たない。皿の1枚も洗ってくれれば「ありがとう」という言葉すら出る。妻を専業主婦にし子を1人育て上げるだけのサラリーをキープするのは今の時代、容易な事じゃない。自分も長年会社員をやっていたのでとてもよく分かる。ある意味、稼ぐことも立派な「育児参入」の1つなのである。

だが、こんな発言も有名人が発したら叩かれるのだろう。「男はなんにもしないのか!!!」と。

「僕、稼ぐ人 キミ、育てる人」
面白いから一度リクルートかあたりのCMで使ってみて欲しい。案外炎上商法として成功するかもしれない。


【猫ムスメより】
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