20,05,10。家庭用ゲームの思い出⑦
数本の人気ソフト発売のはざまで発売されたファイアーエンブレム暗黒竜と光の剣でしたがあえて購入した理由を思い出すとやはり何かピンと来るものがあったのだと思います。
既にファミコンウオーズと言うファミコンユーザー向けにアレンジされたSLGが発売されていましたが、信長の野望でファミコンのスペックにSLGを移植するには無理があると感じていたので未プレイでした。
リアルな再現が難しいのであれば舞台を思い切ってファンタジーの世界に。
簡略化された信長の野望がドラゴンクエストと合体したようなものです。
各ユニットはレベルアップするキャラクターでアイテムも存在し、しっかりシナリオがありそこには夢中になれるストーリーがありました。
タイトルバックの画像をご覧頂ければ一目瞭然。フィールドはドラゴンクエスト風です。各パラメーターの表示は基本ひらがなで表記されるフォントでも耐えられるレベルで簡略化されており大人から子供まで楽しめるようアレンジされています。
キャラクターデザイン的には天下の任天堂様直々の発売の所為かあまりマニアックな感じになっておらず、どちらかと言うと若干野暮ったいと言っても良い感じです。
にも拘らず抵抗なくその世界間に浸れたのはグラフィック表示の弱さ故、実際の戦闘はシーン等の描写がプレイヤーの想像力で補われる部分が大きかったからかもしれません。
ドラゴンクエスト同様。初めてプレイするSLGであろう事を意識した導入部でプレイヤーは気が付くとドハマりの入り口に。おそらく多くのユーザーを後にSLRPGと称されるジャンルへと導く事になったこのゲームですが予想外の事もありました。
「ドラゴンクエスト+信長の野望」と表現しましたがファイアーエンブレム暗黒竜と光の剣にはもう一本名作の要素が加わっていました。
それはウイザードリィーの「敗北=マジで死」という概念です。
各ユニットが鋼鉄の塊である戦略物と違い、必ずしも人間ではないとはいえプレイしていくうちに頭の中では人格すら構成されていくファイアーエンブレム内のユニット達。ゲーム中は一対一のタイマンで表現される戦闘シーンにおいて彼&彼女らは一度でも敗北するとマジで死にます。
おまけにタイマンに敗れ息を引き取る際にはプレイヤーの分身である主人公に対する末期のセリフまで用意されています。アイテム等による蘇生と言う物が無い為に(例外的な救済アイテムはあるにはあるのですが確かレアアイテムで一つに付き一人とかだったように記憶しています)ピュアな少年少女や大きなお友達であれば号泣必至です。
マップ攻略ごとにセーブされる為、キャラとお別れしたくなければリセットして攻略前に戻らなければなりません。序盤のマップで有ればなんということは無いのですが後半のシビアで攻略に時間のかかるマップとなると物凄いジレンマに頭をかきむしる事になります。
そしてキャラクター各自に用意された独特の設定ゆえにマップ攻略中は「不慮の死」がそこかしこにある為、まさに一手ごとに緊張を強いられるゲームだったのでした。
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