野球の聖地甲子園に行きたくて

セ・パ交流戦。
プロ野球ではセントラルリーグ(セ・リーグ)とパシフィックリーグ(パ・リーグ)に分かれて春から秋にかけて多く試合を行っているが、そのセパ両リーグが唯一戦うのが、この交流戦である。(正確にはオールスターや日本シリーズなどもあるが、便宜上、唯一としておく。)
リーグ内の相手とは毎年25試合ずつ戦うが、交流戦の相手とは3試合のみの戦いである。

セ・パ交流戦

プロ野球公式戦で、阪神タイガースは阪神甲子園球場を使用している。甲子園といえば、誰しも一度は聞いたことがあるだろう。高校野球も行われるいわば"聖地"である。
阪神タイガースはセリーグ、私が応援している千葉ロッテマリーンズはパリーグであり、この機会にしか戦うことはない。また、本拠地の使用権は二年に一回しか訪れないため、次に行けるのは2年後である。
5月の頭頃に甲子園のチケット、新幹線、ホテルをそれぞれ予約した。

が、しかし。

数日前、日本中に大きな影響を残した、線状降水帯。私もその影響を受けてしまったのだ。

6月2日午後　東京駅

学校を終え、東京駅に着き新幹線に乗ろうとしていた私は、途方に暮れていた。大雨の影響で安全に走行する基準値を超したため、東京と名古屋の間で運転を取りやめているとの情報だったからだ。この時点で16時半である。
雨雲は収まるどころか、拡大する一方。地元へ向かう京葉線は関東での強風により運転を見合わせていたため、行くも帰るもできない状況だったのである。どうにか運転の再開を願うが、その思いもむなしく、19時ごろ、「本日は終日運転取りやめ」の知らせ。

東京駅でこんなの初めて見た

甲子園の試合自体は中止が決まっていたのだが、1日分のホテル分が無駄になり…。
京葉線・総武線の混雑も相当激しそうなので、家に帰るのはあきらめて、東京のネットカフェに泊まり、翌日の朝の様子をうかがうことにした。 (みんな考えることが同じなので、東京駅に近い神田・秋葉原・上野のネカフェ、近くのホテルは軒並み埋まっており、池袋まで避難。)

地味にネカフェ初宿泊でした
これもまた旅の面白いところ(面白い…？)

3日朝　池袋のネットカフェ

朝、運行状況を確認。すると、「午前中は運転見合わせ」とのこと。午前に行く予定だったなんばグランド花月もいけなくなることが確定した。それでも、甲子園だけは行きたい、これを逃したら次は2年後になってしまう、、

ネカフェで見た情報

東京駅に再び戻ると、そこには運転再開を待つ長蛇の列。どうにか列を進み、12時台の少しでも早い新幹線に乗車し関西を目指す。
そして乗車したのが、臨時「のぞみ357号」。この列車等含め5列車は、グリーン車を除く席がすべて自由席になる特例の列車だ。普通ののぞみの約4倍自由席がある。

「普通車全車自由席」
普段ののぞみ号では絶対見られない表示である。
でも、下の「時刻番線未定」の方が珍しいかも。

そうとなればもう、席の争奪戦である。争奪戦に敗北を喫した私は、東京～新大阪で立ちが確定した。(正確には、1時間前に乗車が始まったため、もっと長かった。)
12時18分、ついに東京駅を出発。品川、新横浜で信号待ち、新横浜、名古屋で非常停止ボタンが扱われたため、結局新大阪には約1時間遅れで到着した。 (定刻14時50分ごろ、到着15時45分頃。)

この行列じゃ座れるわけないね

甲子園の試合開始は18時。それにはさすがに間に合うだろうが、試合前から堪能したい、少しでも早く、と考えるが、新大阪でも改札が激混み。結局新大阪を出るのに15分くらいかかり、梅田は16時半。

大阪梅田駅から甲子園行きのノンストップの臨時列車に乗り、ついに甲子園へ。

ノンストップ

甲子園駅に着くと、見たことある風景が…！

やっと、阪神甲子園球場に辿り着けたのであった。この時点で17時15分。

阪神vsロッテ

見たことある！！

甲子園球場

試合は予定通り18時に開始。
初回、阪神・大山に3点本塁打を打たれ、リードを奪われる。
両者2点ずつを取り、3点ビハインドの9回表に千葉ロッテは岡、藤岡の連続タイムリーで同点まで追い上げた。
しかし、11回裏に阪神・小幡にサヨナラを浴び、痛恨の敗戦。

悔しい、、でも楽しかった

と、見に行けた試合で負け、次の日の朝には帰るという、本当にこの試合を見るためだけに大阪に来た日であった。
新大阪着が16時、発が10時なため、時間でいえば、18時間。
本当は24時間以上はいるはずだったけど…。前に書いた大阪弾丸旅と同じような滞在時間になっていたのであった。これもまた旅。また別の機会で大阪は訪れたいと思います。

翌朝10時6分発東京行きのぞみ8号

最後までご覧いただきありがとうございました。