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若手起業家に投資しますか?

起業のベテラン化が進んでいる。シリコンバレースタートアップの成長率上位1%の創業者の平均年齢は45歳(出所)。40代、50代の世代グループの成功確率が他世代と比べて高いという統計がある。ベテランらしく経験のある事業領域で強いチームを集め、人脈を駆使して資金調達をなんなく行う姿がある。

変革は「よそもの、ばかもの、わかもの」に任せよ、という古くからの言葉がある。既成概念や古い成功体験に凝り固まっていない柔軟な発想がブレイクスルーを生み出すということだが、起業のベテラン化はインターネット産業そのものが成熟化してきてこと、イノベーションのための思考方法や手法が一般化してきた、ということだろうか。

そんな背景もあってか最近「学生時代に起業したのですが、投資対象になりますか?」と聞かれることがある。あまり気にして来なかったのが本音だが、あえて答えると若手もベテランも「ラーナビリティ(学ぶ力)」は重要な要素であると見ている。

ラーナビリティはそれぞれの世代で発揮の仕方が違う。学生起業であれば社会での常識やスタンダードに触れていない事がある。原石で何色にも染まらず突き進む姿は魅力であるが、基礎をおざなりにせず、経営とビジネスパーソンとしての基礎と両方を磨けるか。ベテランは基礎はしっかりしているが、過去の思考や行動習慣をアンラーンできずに一箇所に止まってしまう事がある。経験を生かしつつ、新しい技術や様式、考え方さえもアップデートし続けられるか。この様に、ラーナビリティを発揮して自己変革ができる経営者は強い。

先日100人程度のメンバーを持つ若手起業家の方とお話ししたところ、少し恥ずかしそうにいまエクセルを再度勉強していると教えてくれた。一生懸命に経営してきて事業も組織も伸び、メンバーに任せて出来る事も増えた。ただ自分のプレイヤーとしての基礎力がアップデートされてない事が、事業構想力の足枷になっていると気づきキャッチアップ中であるとのこと。経営者として成長してきた事に胡座をかかずに弱さを素直に認めて、変化する努力ができることを素晴らしいと思った。

優れた経営者は、会社の成長にあわせて自己変革を遂げていく。社会における自分の位置を理解し、現状に甘んじることなくアップデートし続ける力「ラーナビリティ」があるかどうかであって若手・ベテランは関係がない。もちろん事業の成長に必要な知見は存在するが、ラーナビリティの高い経営者の元には補完関係となるベテラン幹部が集う姿もよくみる。日本には起業家が足りない。学び続ける姿勢のある起業家が増えてくることを願っている。


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