『日本駆け込み寺』玄秀盛さんの65歳でもモテ続ける生き方

子どもの頃から「生きるために」ケンカ漬けの日々

『日本駆け込み寺』（新宿歌舞伎町）設立者であり理事の玄秀盛さんに会ってきた。

玄さんは、なかなかの経歴を持つ方で、その半生は、テレビドラマにもなっている。玄さん役（主演）は、渡辺謙さんが演じたとか！
まずは、そんな玄さんのプロフィール。

1956年、大阪市西成区生まれ。両親の離婚などによって、「4人の母」「4人の父」を転々とする複雑な家庭環境で育つ。中学卒業後、28業種に及ぶ職業を経験した後に経営者としての才覚を発揮し、6社を同時経営を含む10社を設立。その一方、比叡山の酒井大阿闍梨のもとで得度し、僧籍に入る。
2002年、「新宿歌舞伎町駆け込み寺」を立ち上げる。家庭内暴力、DV、虐待、ひきこもり、ストーカー、金銭トラブルなど、悩み苦しむ人々を救済するため、一時期は24時間体制で面談・電話相談に応じていた。過去15年で3万人以上の相談者の問題を解決する。
2011年12月、駆け込み寺をモデルにしたテレビドラマ『愛・命 ～新宿歌舞伎町駆け込み寺～』（主演・渡辺謙）が放送され話題に。

玄さんと私は、『ビタミンラジオ局』のパーソナリティ仲間。玄さんは、極ちゃん（元フジテレビ勤務／メンタルコーチ）と一緒に、『玄さん極ちゃんの一日一笑・ショータイム』を放送している。

”在日韓国人”として生まれた玄さんは、小学校を8回転校。その後も、どこに行っても、死ぬか生きるかのケンカをしながら、生き延びてきた。
ケンカの年季も根性も、その辺のチンピラとは比べ物にならないから、ヤクザを前にしても、圧倒的に強い。

玄さんは、傷ついたり、傷つけたり、大金を稼いだり、豪遊したり、自己破産したり、女の子と遊んだり、家庭作ったり、離婚したり、会社作ったり、そういうことを繰り返しながら、濃い人生を歩いてきた。

あらゆる相談を無料で受ける『駆け込み寺』

玄さんは今、おもに人助けをしている。

転機となったのは、2000年。白血病ウイルス感染が判明して、自分の命の使い方を見つめた末に、ボランティア、人助けに行き着いたそうだ。

2002年に『日本駆け込み寺』を設立。

『日本駆け込み寺』では、駆け込んでくる人々の相談に無料で応じている。

あらゆる相談が持ち込まれているようだけれど、きっと玄さんは、何を聞いても驚かず、相手の心に踏み込み、悩みの本質をつく指摘・アドバイスをしているに違いない。

人の死にも、たくさん向き合ってきた玄さん曰く、「死んだら、終わり」。
歳を重ねることが怖い人も、借金に苦しんでいる人も、死にたくなった人も、とりあえず、玄さんに会いに行ってほしい。

玄さんに若さの秘訣を聞いてみた

首にはボルトが入っていて、「体はボロボロ」というけれど、歌舞伎町を歩く玄さんは、背筋も伸びて、肌ツヤもよく、声にもハリがあって、とても65歳には見えない。男性としての機能も気持ちも衰えていない。
何より、会話が「今」と「未来」と「社会」を向いていて、意識も行動も、現役だ。

玄さんに若さの秘訣を聞いてみた。

意外にもサプリを採ったり、日傘をさしたりというケアもしているとか。オシャレや身だしなみ、姿勢、立居振る舞いなども意識しているらしい。

しかし、「何よりも大事なのは、心」と玄さんは言う。
「若者にこびず、えらぶらず、仲間にはいる」
「好奇心をもち、わからないことは、教えてもらう」。

そして、玄さんのモットーのひとつは、「還暦を過ぎたら、社会に還元を」。

「還暦というのは、社会に還元するという意味もある。還暦を過ぎたら、今までの人生で人にいただいてきたものを、還元しないといけない」

私は、「年齢にかかわらず、自分の人生を生き切っている人ほど、『人や社会に貢献したい』という意識が強い」と感じているけれど、玄さんからは本当に、「生きている！」というエネルギーを感じる。

玄さんには、不安も、怖いものも、ないんだって。お金はなくなっても、必要なときには入ってくるし、”人たらし”だから、最後は人とのつながりで、なんとかなるみたい。

玄さんを見て確信した。

いつまでも、自分が若く美しくあることや、自分だけを満たすことを追い求める40歳、50歳よりも、人や社会のために還元できる65歳の方が、ずっと輝いているし、若いし、美しい。
実際、玄さんは、その辺の若造より、ずっとモテるし、キラキラしてる。

エネルギーもらった✨

玄さん、ありがとうございました。

『新宿駆け込みで寺』のサイトで、毎月、「今月の悩み」という報告が更新されるのですが、これが、なかなかすごい。これらの相談には、社会とか、家族とか、人間そのものが、凝縮されている。ぜひ、サイトをのぞいてみてください。　 http://nippon-kakekomidera.jp/