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発酵レモンサワーを推す

発酵レモンサワーシリーズに忍び寄る製造終了

「麒麟 発酵レモンサワー ALC.5%」「麒麟 発酵ジンジャーサワー」製造を終了させていただきました。ご愛顧いただきありがとうございました。

「麒麟 発酵レモンサワー ブランドサイト」より

 信じられない言葉が目に飛び込んできた。「発酵レモンサワーが製造終了」!!よく読んでみると終了するのは「ALC5%」と「ジンジャーサワー」の方だ。
良かった。自分がこよなく愛している「発酵レモンサワーALC7%」は大丈夫そうだ。正直、発酵レモンサワーの中でも、「濃いレモン」や「ALC5%」のものは、そこまで自分にも刺さらなかった。とはいえ、これはあまり良い状況ではなさそうだ。相次ぐ発酵シリーズの製造終了ということは、「発酵レモンサワー」もピンチなのではないか。打ち切りマンガでいうところの、「発酵レモンサワー先生の次回作にご期待ください」状態なのではないか。それは大変だ。

発酵レモンサワーとの出会い

 そもそも何で「発酵レモンサワー」を飲み始めたんだっけ。
まだTwitterがTwitterという名前だったころ。イナダシュンスケさんをフォローした。エリックサウスの文字多いメニューがおもしろかったからだったか、30分チキンのレシピが話題になってたからだったか。詳しいことは忘れてしまったが、ある日彼がキリンの発酵レモンサワーについてこんなつぶやきをしていた。

 なるほど、一体どんなお酒なんだろうと興味を持ったのがきっかけ。普段はお酒を買うならビールかハイボールが多いので、チューハイ系の飲み物は晩酌には選んでこなかった。
 近所のスーパーマーケットで見かけたので、買って飲んでみるとこれがおいしい。濃縮されたレモンの香りと味。限りなくレモンそのものに近く、むしろレモンよりレモン感が強い。それが「発酵」要素なのだろう。普段飲んでいるレモンサワーが、甘いカフェオレだとしたら、発酵レモンサワーはエスプレッソだ。それくらい濃厚だった。レモンの皮の持つほろ苦さのような部分も、果汁の持つ酸味も、変に取り除いたり甘くしたりせず、檸檬そのものの良さを上手く引き出していた。

気づけば発酵レモンサワー沼の住人に

 次の日、缶を6本セットで買ってきた。「これは絶対に唐揚げに合う!」と思ったので、唐揚げと一緒に食べた。またある時には、ケンタッキー・フライド・チキンを買ってきた。唐揚げのアメリカ代表である。いずれも発酵レモンサワーにドンピシャだった。コーラより合う。オフィシャルドリンクにして、セット販売した方がいいレベルの美味しさだった。こうなったら、箱買いである。24缶セットを箱で買って、なくなれば買い足す。まさに発酵レモンサワー沼の住人の誕生だ。

 それにしても、唐揚げにレモンを絞るより、唐揚げを食べて発酵レモンサワーを飲む方がうまい。何なんだこの現象は?と思った。

 自分なりに分析しようよう。
 一般的なレモンサワーはレモンをズゴックハンドのような道具で絞って、出てきた果汁をサワーに入れる。生絞り系のチューハイを出す居酒屋などでは、柑橘類のサワーは自分で絞って注ぐ形式のところもある。これはこれで、かき氷にかかってるような香料のついたシロップを薄めたサワーより、本格的な味がする。レモンティーにレモンの輪切りが入ってる感覚に近い。
 だが、この本格サワーでも、「発酵レモンサワー」には勝てない。生絞り果汁を薄めて飲んでいるようなものだから。いや、絞った果汁をそのまま飲んでも、やはり「発酵レモンサワー」には勝てないだろう。もはや、ぶどうジュースとワインくらい、別物の仕上がりになっている。
 正直リニューアル前の、最初期の発酵レモンサワーが一番好きだったのだが、リニューアル後もややマイルドで丸い味になったとはいえ、その美味しさは衰えていない(味変わったよね?最初に衝撃を受けてから、頻繁に飲みすぎて舌が慣れてきただけかもしれないけど)。

イスラエル産レモンの力、なのか?

 隙あれば活字を読む癖があるため、お酒を飲みながら成分表示などをつい読んでしまう。缶の表面には果汁10%(これはチューハイ系の飲み物の中では多い方なのでは?)とあり、原材料名には「レモン(イスラエル)」とある。ほう、イスラエル。イタリアのシチリアレモンや、瀬戸内レモンは聞いたことがあるが、イスラエルは初耳だ。
 気になって調べてみると、日本の輸入レモン果汁の1位イタリア2位アルゼンチンに次いで、3位がイスラエルらしい。それは知らなかった。

日本にとって重要なレモン果汁の輸入先国イスラエル

イスラエルはイタリアと同じく地中海に面した国ですが、レモン(ライム含む)生産量世界ランキングは20位以下(※1)と、世界的に見て生産量が多い国とはいえません。
しかし、日本に輸入されるレモン果汁の国別順位ではイスラエルは第3位と、順位が大きく上がります。
じつは、日本は30年以上前よりイスラエルから果汁を輸入しており、その高い技術力と安定した供給力によりイスラエルは日本にとって欠かせない果汁の輸入先国なのです。

「麒麟 発酵レモンサワー ブランドサイト」の原料原産地「レモン」をクリック

 同じキリンのキリンレモンには瀬戸内レモンエキスって書いていた気がするのに、こっちはイスラエル。そこに何らかのこだわりがあるのだろう。
 二番目に書いてる発酵レモン果汁も、味の決め手としてかなり重要そうな名前をしている。
 実は新しく出た「麒麟百年」も飲んでみたのだが、「発酵レモンサワー」ほどハマらなかった。こちらには「レモン(イスラエル、イタリア)、発酵レモン果汁」が入っていて、一見豪華そうなキャスティングなのだが、発酵レモンサワーほどのレモンのワイルドさは感じられなかった。あの自然のレモンが持つ良さを濃縮した味わいは、そうそう出せるもんじゃない。

 好きな漫画の連載にアンケートを送り、読者は連載が打ち切りにならないように願う。だから自分も、発酵レモンサワーが販売終了しないよう、推しへの愛を語ることにしたのでした。

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