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【読書感想】『おせっかいな神々』星新一

大人なショートショートだと思った。エロは全くないが話のつくりが難しめのものが大半だった。タイトルがピッタリすぎる。ほんとにお節介だわ〜笑

星新一といえば学校の教室に置いてあって子供に人気のイメージだったが、良い意味で裏切られた。オチもわかりにくいものや、イヤ〜な気分になる(バッドエンド)ものもある。

ブラックユーモア満載で皮肉な話も多い。あとがきから引用するならば「悪魔の嘲笑!嘲に満ちた毒!」である。まぁそこが面白いんだけど。クセになる。 やっぱオチが最高!最後に全て腑に落ちる感じがたまらん。

気に入った話

「夜の声」は全て手遅れで救われない。でもその不条理さがよい。なんともモヤっとする

「未知の星へ」は地球の未来を風刺しているような、皮肉がこめられている気がする。行き着く先は皆同じ…

「夜の事件」は最後の青年の一言が爽やかでどこか可笑しさを感じる。傍から見るとバッドエンドなのに…。なんか好きな作品。なぜか良かったねと言ってしまいたくなる、。このセリフを言った時の自分は実に人間っぽいな〜と思ったり。

「敬服すべき一生」はループモノでゾワっとした。

気に入った文章

「狂った人を正気に戻すことは、ちょうど正気な人間から、2の3倍は6であるという常識を奪おうとするのと同じことだ」

秀逸!


「歯はカスタネットのような音をたてていた」

ありそうだけど初めて見た表現!

真鍋博 の挿絵カットがよい〜!SFチックでお洒落。チェッカー模様が良い味をだしている。


50年以上前の作品とは思えん。

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