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キャリコネにHR事業のイノベーションは期待できるのか?決算から読み解く「グローバルウェイ社」の戦略。HRのIR

元リクのなまリクです。HR領域のIRについて書いています。今回はグローバルウェイ社のIR分析です。
※この回は、グローバルウェイ社「2022年3月期 第1四半期(2021年4月〜6月)」決算発表をもとに解説しています。

気になる1Qアップデート。コロナ禍からの回復は?

グローバルウェイ社。口コミサイト「キャリコネ」を中心に人材紹介、受託事業そして「タイムチケット」という兼業・副業のシェアリングビジネス事業を手掛ける企業。
もともとは「キャリコネ」などHR領域を中心ですが、最近では「タイムチケット」など幅広い事業を展開してます。

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グローバルウェイ社 2022年3月期 第1四半期 決算資料より

まずは前期のラップアップですが、2021年3月期は新型コロナウィルスの影響もあり減収減益、YoYで売上およそ△6%です。「キャリコネ」などHR事業であるソーシャルウェブメディア事業はコロナ禍で減収減益(売上△16%、営業利益△73%)。受託のビジネスアプリケーション事業は堅調。「タイムチケット」などシェアリングビジネス事業は投資フェーズにより増収減益という構造でした。

さて今回の1Q(2022年4月〜6月)決算ですが、YoYで売上およそ+46%、営業利益も回復し、想定を上回る順調な回復を見せました。今期からセグメントが再編され細分化されたのですが、内訳を見ると主に人材紹介である「リクルーティング事業」と、Salesforce関連の受託事業である「セールスフォース事業」が牽引したようです。キャリコネの所属する「プラットフォーム事業」も回復傾向、YoYで売上およそ+15%、営業利益も黒字で着地です。

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グローバルウェイ社 2022年3月期 第1四半期 決算資料より

グローバルウェイにHR事業のイノベーションは期待できるのか?

「タイムチケット」など事業の多角化が進むグローバルウェイですが、本丸のHRの事業はどのような位置づけなのでしょうか?グローバルウェイのHR本丸は転職の口コミサイトの「キャリコネ」。転職の口コミサイト領域は、オープンワークや転職会議、エンライトハウスなど数は少ないが競争環境が激しいという特徴があり、またリクルートが保有する世界最大級の口コミサイトGrassdoorが上陸すると一気に情勢が変わる不安定な市場です。

そこで口コミサイトプレーヤー、特にトッププレーヤーではない「キャリコネ」は差別化戦略が必要なのですが、今回「タイムチケット」と連携した「キャリコネトラスト」を開始しました。

「キャリコネトラスト」は、質の高い転職先の情報がほしい求職者に、現役社員による仕事や働き方アドバイスを「タイムチケット」経由で有料で提供するサービスとなります。これはビザスクが牽引しこれから間違いなく伸長する副業兼業市場にフィットし、お金を払ってもリアルな情報がほしい求職者課金という市場を創造する可能性もあり、個人的には非常に楽しみなプロダクトです。

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「キャリコネトラスト」キャリコネサイトより引用

また「キャリコネ」自体も送客連携先である⼤⼿⼈材紹介会社の集客予算回復によりQoQで売上+15% 。求人開拓に関しても「キャリコネ ニュース」での取材をバーターにした営業や、求職者集客も企業研究メディア「Resaco」を活用し外部データベースに依存しない独自集客チャネルも磨いているようです。

今どきのシェアリングエコノミー系新規プロダクトや派手な印象は無いですが自前メディアを既存のHR事業に装着することでイノベーションが起こせるかに注目したいと思います。

社外取締役に元リクの黒田さんも参画していますので期待しています笑。


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グローバルウェイ社 2022年3月期 第1四半期 決算資料より

今回の記事はお楽しみいただけましたでしょうか。また次回の記事でお会いしましょう。なまリクでした🐶🐶🐶

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