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これが私のほしいもの

昨日鳥を見に行った時のこと。
一通りコースを回って帰ろうとした時である。
木々にカメラを向ける男性がいた。

バズーカみたいなレンズ持っているなぁ。
憧れるなぁ。
何か鳥でもいるのかなぁ。

そう思いつつ横を通り過ぎようとした。
するとその男性に声をかけられた。
「何かいましたか?」

ついにきた!
同じ趣味を持っているであろう人からのあいさつ!
しかもすごくジェントルマンな人から!

今まで趣味で知らない人と交流することはなかった。
だからそういう交流は初めてなのである。

しかしそんな興奮を表に出すわけにもいかず、
平静を装って返答をした。
「いやぁ、全然みつけられませんでした」
もちろん見栄を張らず正直な結果である。

こちらからも同じ質問をしたら、向こうも同じようだった。
どうやら最近は見れる鳥の数が減っているらしい。
今は森の木々の整備をしていて、
大きな音が出る作業が多くなったのだとか。
新入りの自分にとっては勉強になる情報である。

そんな世間話をした後は、
その男性が過去に撮った鳥の写真を見せてくれた。
どれも図鑑では見たことあるが、
実際には見たことないものばかり。
中にはそのスポットで撮ったものもあった。
羨ましいと思うとともに、
自分も頑張って見つけてみたいと思った。

そんな感じで10分くらいの立ち話をした。
自分はあまり交友関係が広い人間ではない。
なぜなら自分から友達を作ろうという意識が薄いから。
しかし、今回の一件でやはり趣味の友達は憧れた。
同じ趣味を持つ人と同じ趣味活動をして楽しくないわけがない。
やはり、野鳥の会みたいなのに入るべきなのか。

そして何より、声をかけてくださった男性の魅力たるや。
優しい雰囲気が滲み出ていたし、
趣味を楽しんでいることも伝わってきた。

あんな老後を送りたい。

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