おすすめのクィア映画〜人と人との繋がりを描いた作品編〜

6月ももう終わりに近付いてますね。

せっかくのプライド月間なので、今日はセクシャルマイノリティを描いた素敵な映画やドラマについて語りたいと思います🕊

あ、ちなみに。最近のエンタメはポリコレのせいで窮屈だー!なんて言う人も居るけど、私は逆に最近の作品の方が表現方法が幅広いように思う。

色んな人種やセクシュアリティを持った人が居るのが当たり前じゃない?社会で生きていく限り多種多様な人に出会うのがむしろ普通。なのに数十年前の洋画を観ていると、白人のシスジェンダー、ヘテロセクシャルしかいなくてすごく違和感を感じるし、窮屈だなと思う。

だから様々な人に焦点を当てて描かれるようになってきた最近の傾向は、エンタメオタクとしても楽しいしありがたい。今日はそんな中でも特に多種多様な人達の繋がりや連携を描いた、“誰もが心の居場所を感じられる”ような作品を紹介したいと思います。


おすすめのクィア作品〜ドラマ編〜

「glee」(2009年-2015年放送)

オハイオ州ライマにある架空の学校、ウィリアム・マッキンリー高校の合唱部(グリークラブ)を中心に描かれる、ミュージック・コメディ・ドラマである。
出典:Wikipedia「glee/グリー」

大好きなドラマ。十年以上前に始まったドラマだけど、“多様性”とはこの事か…!と思うくらい、本当に色々な人種やセクシュアリティ、障害を持った人が出てくる。

登場人物は皆欠点を持ち、未熟ゆえにぶつかり合う事も多い。それでも時間を共有するにつれ、互いを受け入れ合い、お互いがお互いの居場所になる。“人と人とが向き合う”って本当に大変だけど、温かくて愛おしいものだなと感じるドラマです。
ミュージカルが苦手でない方はぜひ!
Netflixやアマプラで観れます🎥


「POSE」(2018年-2021年)

1980年代のアメリカ・ニューヨークを舞台に、ファッションとパフォーマンスを競うコンテストである「ボール」に青春を懸けるLGBTQの若者たちを描いた群像劇である。
出典:Wikipedia「POSE/ポーズ」

これはトランスジェンダーの方々が主役の物語。差別や偏見に晒され、肩身の狭い思いをして生きて居たもの達が「ボール」というカルチャーの中で居場所を見つけ、放つ輝きが切なくも素敵で元気を貰える。

ストーリーの良さやファッションの美しさはもちろんのこと、トランスジェンダーの描き方も革新的ですごく良い。

これまでの多くの作品でのトランスジェンダーの描かれ方って、数々の問題点があるんですよね。Netflixに加入している方は、ぜひ「トランスジェンダーとハリウッド」というドキュメンタリーを観て欲しい。自分の中にも、今まで見てきたメディアのイメージによって、トランスジェンダーの方への偏見が無意識のうちに形成されていたんだなと私はこれを見て気付くことが出来ました。

例えば、トランス女性役って男性の俳優さんが演じることが多いですよね。日本の作品でも最近だと、草彅剛さんが「ミッドナイトスワン」でトランス女性役を演じていた。でもそれって実はすごく問題で、観てる側に「トランス女性は男性だ」というイメージを植え付けしまうことになる。

その点、この作品はトランスジェンダーの俳優さんがトランスジェンダー役を演じている。すごく自然だし、トランスの俳優さんの雇用も生まれるし、良い事づくし。日本のエンタメ界も早くこういう流れになって欲しいなぁ。
Netflixやアマプラで観れます🎥


おすすめのクィア作品〜映画編〜

「パレードへようこそ」(2014年公開)

作品は、レズビアン・ゲイの活動家たちが、サッチャー政権下で起きた1984年から1985年の炭鉱ストライキの際に炭鉱労働者の家族に金銭支援を行い、レズビアンズ・アンド・ゲイズ・サポート・ザ・マイナーズ(LGSM、字幕では「炭鉱夫支援同性愛者の会」)の活動の端緒となった実話を映像化したものである。
出典:Wikipedia「パレードへようこそ」

英題は「Pride」。まさにプライド月間に相応しい作品ですね。

LGBTコミュニティの、周りから投げかけられた蔑称をわざと自分達で使用して、ポジティブな文脈に塗り替えていってしまう文化からは本当に力強さを感じる。「クィア」という言葉もそうだし、「プライド」という言葉からだって逆境をも自分達の力にしてしまうような誇りが伝わってくる。

そんな彼らのエネルギッシュな活動から生まれる人と人との温かい繋がりに希望を貰える作品だ。

良い側面だけではなく、ゲイコミュニティの男性権威的な空気によりレズビアンが分派を作っていく様子など、負の側面もきちんと描いているのもまた見所。HuluやU-NEXTで観れます🎥


「RENT」(2005年)

1989年12月24日から、ちょうど1年間のニューヨークのイーストヴィレッジが舞台。
〜略〜
主要登場人物の中にはゲイやレズビアン、ヘロイン中毒、そしてHIV陽性の者もおり、社会によって「マイノリティ」の枠に属さざるを得ない背景を持つ登場人物たちの個性、そして彼・彼女らが歌う「革命的」とも評されたラーソンによる劇中歌によって1980年代終わりのニューヨークの世相と今では失われた「ボヘミアン イーストヴィレッジ」の世界が鮮やかに描かれていく。
出典:Wikipedia「レント(ミュージカル)」

ブロードウェイミュージカルが元となった映画。舞台版のオリジナルキャストの多くが映画にもそのままの役で出演しています。多様な人種、セクシュアリティを持った登場人物達が苦しい「現実」にもがきながら、夢を追い求め、愛に生きる物語。

とにかく、音楽が良い。
貧困や感染症の流行、差別など社会の問題は簡単には解決しないし、自分1人でどうこう出来る問題でもないが、確実に降り掛かってくるものだ。そんな現実の中で生きていかなければならないってしんどいけれど、一緒に夢を追う仲間と音楽があればなんだかんだ生けていけるのかもな、なんて思わされた作品です。
U-NEXTやアマプラで観れます🎥


「ザ・プロム」(2020年)

ニューヨークの“元”超人気舞台俳優ディーディーとバリーは、新作ブロードウェイミュージカルが大コケしてしまい、役者生命の危機が訪れ大ピンチ。一方、インディアナ州の田舎町では、恋人同士の女子高校生エマとアリッサが、女性カップル2人でプロムに参加することが問題になって禁止され、悲嘆に暮れていました。ひょんなことをきっかけにその事実を知ったディーディーとバリーは、この機会に乗じて自らの役者イメージを挽回しようと、同じくキャリアアップを図るアンジーらと共に計画を練ることにしますが、ベテラン俳優たちと、若い女性カップルが交わることで、思いもよらない騒動と、愛と感動のドラマが待ち受けていましたーー。
出典:filmarks「ザ・プロム」

Netflixが制作した、ブロードウェイミュージカルが元となった映画。以前も記事で語ったのですが、これまで観た映画NO.1かもってくらい好きな作品です。

これもとにかく音楽が良くて、元気が出るのでおすすめ。時間の関係か、舞台版より映画版の方が若干人物描写が薄くて入り込みにくい部分はあるかも。アメリカでは舞台版がツアー中らしいので、アメリカ在住の方はそちらもどうぞ。
Netflixで観れます🎥


ひとまず今日はここまで。今日は“人と人との繋がり”に焦点を当てたような作品を書いたけれど、ある“一人の人物の人生”に焦点を当てて描いた素敵なクィア映画も沢山あったりします。それについてもまた書きたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?