お母さんより 2022.10.2.
大きな変化が一気に訪れた生後7ヶ月の期間も過ぎ去って、また一つ月齢が上がり大きくなったね。
お父さんもお母さんも、そしてきみも一生懸命に走り抜けた1ヶ月だった。
今回もどんなことがあったか振り返りながらきみにお手紙を書こうと思う。
前回のお手紙……
生後8ヶ月までの歩み
お父さんのお熱
きみが生後7ヶ月を迎えてすぐに、お父さんが体調を崩してしまった。
熱が数日間続いて、週末だったから検査結果もすぐにはわからず、不安な日々を過ごしたね。
例の病気じゃないか、そうでなくても何か悪い病気にかかってしまっていないか……
朝起きて、まだ眠たい目を擦りながらも、きみがいるところまで来ておはようの挨拶をする。
そんなお父さんが、自分の部屋にずっと引きこもって、抱っこしてもらうこともできない。
お母さんも、もちろんお父さんのことが心配でもあるし、それ以上にきみに何かあってしまったらどうしようととにかく不安で、余裕がなかった。
いつも以上に静かなお家。
基本的にはご機嫌に過ごしてくれていたように見えたけど、きみなりに何か変化を感じ取っていたんじゃないかなと今になって思う。
結果的にはただの夏風邪だったみたいでとても安心したけれど、今まで以上に感染対策や健康管理をしっかりしていきたいと思ったし、家族で一つ山場を乗り越えた実感があったよ。
突然の引っ越し
そして、お父さんのお熱騒動の直後、急にお引っ越しが決まった。
生まれる前、産前入院のときから一緒だったお友達、慣れ親しんだ保育園、見慣れた風景、そしてようやく自分の意志であちこち歩き回り探検できるようになったこの家も。
実はあと数日で離れることになるんだよ。
きみはまだこれから何が起こるのか、分かってないかもしれないね。
そもそもここで過ごした時間なんて、もしかしたら記憶に残ってなくてあっという間に忘れてしまうかもしれない。
でも、きみという小さな人間は東京都のこののどかな地で宿り、育まれ、生まれ生きてきた。
お父さんとお母さんと、数ヶ月ながら一緒に暮らしたこの地。
観光地でもないし、住居に選ばなければ訪れることもなかったかもしれないこの地は、確実にきみにはなくてはならない場所だったんだよ。
お母さんはそんなことを思いながら、幾分センチメンタルな気持ちに浸ってしまってるんだ。
いつか大きくなってから、この場所をみんなで訪れる日が来るといいな。
初めての手足口病
一難去ってまた一難とはまさにこのことを言うんだと思う。
初めての病気と闘って乗り越えたのも、この時期だった。
発熱、湿疹、口内炎。
いつもニコニコ笑顔を浮かべて元気いっぱいなきみが、みるみるうちに弱っていく姿を見ながら、お母さんはどうにかなってしまいそうだった。
それはお父さんも一緒で、会社をお休みしてきみのそばでお世話をしてくれたんだよ。
食事もミルクも上手にとれなくて、元々ほっそりしていた身体がさらに軽くなったような気がして、代わってあげられたらどんなにいいかと願ったりもした。
ネットで検索してはどれくらいで回復するのかを調べて、もしこのまま治らなかったら……なんて恐ろしいことを考えたりもした。
だけどきみは、ちゃんと闘い抜いて、病気に打ち勝ってくれたね。
回復したきみと、秋の晴れ空の下でお散歩したとき、改めてなんてことない日常がどんなに幸せだったかを再確認できたよ。
これからも、ときには体調を崩してしまうことがあるかもしれないけれど、変わらずお父さんお母さんは全力できみを支えるから、その都度一緒に乗り越えて、この幸せを守っていこうね。
大きな成長と、少しの戸惑いと
この1ヶ月、予期せぬトラブルも続いていたけれど、そんなことにも負けずにきみは力強く成長していた。
お母さんがちょっと戸惑ってしまうくらい、まるで別人みたいに変わっていったね。
まず、生まれて初めて言葉を喋った。
今まで「あーあ」「うーう」とかばかりだったきみの口から、初めて放たれた言葉は、まさかの「ばあば」だったね。笑
おかげでばあばはとっても喜んでた!
たまたまスマホで動画を回してて、その瞬間を捉えてたもんだから、耳を疑って息を呑むお母さんの「ハッ?!」って声も一緒に録音されてたよ。
ハイハイもできるようになったね。
今まではずり這い、それもすごく早く動けるようになってたけど、手足口病が回復した後すぐくらいに、気づいたらハイハイができるようになってて、それもすごくびっくりしたんだ。
つかまり立ちもできるようになっていた。
ハイハイの次の日だったかな。
今では自由気ままにあちこちに手をかけて足を伸ばしたがるもんだから、ボールが跳ねるように尻もちをつく姿もよく目にするようになって、お母さんは常にヒヤヒヤ。
そのうち、自分で立って歩いて、自分の望むように動き回るようになるんだね。
やっぱりまだ、きみの成長が嬉しいようで、少し寂しい。
8ヶ月前、ころころちっちゃくて何もできなかったきみが、もう自分がやりたいようにいろんなことができるようになっている。
毎日どんなことを考えているんだろう?
きみの瞳に、この世界はどう映っているんだろう?
あばあば、んまんまと一生懸命に投げかけるその一つ一つに、どんな思いが込められているの?
嬉しく、切ない。
気持ちの整理ができないくらい忙しなく、そんな日々がたまらなく愛しい。
最後に
次にお手紙を書くときは、もしかしたら新しい環境に慣れつつある頃かもしれないね。
きみの記憶には残らないかもしれないけれど、この場所で過ごした日々をこうして手紙に書き留めることができて、お母さんはよかったと思うよ。
これからもきみの変化に喜びつつ、戸惑いつつも、ともに生きていることを噛み締めて過ごしたいと、心から願っています。
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