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「アポ電話が苦手」その裏に潜む見過ごせない深層心理に気づいてしまった

「いつお世話になっております。〇〇のライターをしております、神田と申します」

これ、コミュ力を評価されることの多い私が、この世界で一番口に出すのに気が重くなる言葉。

フリーライターとして、企画からアポ取り、取材・執筆まで一貫して担当するお仕事をしているのだが、一連の流れの中で何よりもハードルを感じるのが「アポ電話」だ。
メールを送るのもちょっとばかし億劫になるんだけど、何より電話は辛い。
実は3週間くらい前から「そろそろ電話しなきゃな」と思っている取材先に、まだ電話できずにいる。

何度HPを覗きに行ったことか。
何度SNSで取材先の同行を確認したことか。

そしてその度に、「まだ開店直後だから今はタイミング悪いな」とか、「そろそろ別件の打ち合わせが始まるから、それが終わってから電話してみるか」とか「あ、もうそろそろお迎えの時間だから今日は一旦やめておくか」とかとか。
何かと理由をつけて「また明日」を繰り返すうちにとんでもない時間が過ぎていたことに気づく。

振り返れば、大学生時代に半年間だけ従事したアポ取りインターンもめちゃくちゃ辛かった。
1日何十件というノルマがある中、まずは片っ端からメールを送るけれど、送信先の弾が尽きたらいよいよ電話。
一度かけ始めるともうどうでもよくなって無双状態でかけ続けられるけれど、最初の一本がどうしてもハードル高くて、30分くらいはデスクトップの画面を見ながら時間潰してたな。
一緒に働いていたインターン仲間はその後、大手IT企業に新卒入社して企業していた……。

多分、すぐに相手の反応がわかるのが怖いのかもしれないなぁ。

メールはこちらから一方的にボールを投げるだけで、その場ですぐに返事が来ないことが当たり前。
その反面電話は、自分の表情が相手に見えないから身振り手振りで言葉の過不足をフォローできないし、相手からの反応もその場で返ってくる。

ぶっちゃけ、「NG」をもらったところで別に再起不能なくらい凹むってわけでもないのよね。
そんなに傷つくことはないんだけど、でもなぜかめっちゃズタズタに傷つけられるんじゃないかってことを想定して死ぬほどビビる。
慣れてないからってだけなのかしら。


新卒で入社した会社で営業と営業事務をしていたとき、既存顧客に電話をかけるのも億劫に感じていたこともあった。
会社としても担当者個人としても十分関係性は築けていて仲良くしているのに。

そもそも営業が苦手で、自分の持っているものを売り込んで受け入れてもらってって、相手に何かしてもらう感覚になるのが苦痛だった。
相手に負担はかけたくないって思ってしまうタイプ。
それは多分、自分が提供する価値にすこぶる自信がなかったのが原因だと思うんだけど。
(販売している商品自体の魅力だったり、あるいは自分が担当者としてお客さんに提供している素早いレスポンスなり事務処理能力なり……)

でもそれって、相手に対して失礼だよね。
自分が自信を持てないものを押し付けようとしていたってことなんだから。


話が巧妙にずれていっているような気がするけど、要するに自分が取材アポを取るときこんなにもハードルの高さを感じるのは、相手に断られることを必要以上に恐れているからで、なぜ断られると直感しちゃうかというと、自分の取材や記事としてのアウトプットに自信がなくて、その記事によって取材先へのメリットをお返しできないかもしれないと勝手に決めつけているからなんだな。

これ、仕事として書いているプロのライターとしてどうなんだ。
私、自分の取材にも文章にも自信を持っているはずだよ。
取材先の素敵なところ、絶対引き出せるし、表現できるって確信してるはずよ。


と、ここまでnoteを書きながら及び腰な自分を一髪ぶん殴って2本のアポ電をしました。
勝率、50%。
ええやん。
そしてやっぱり、NGでも凹まなかったよ。

次回の荷電の際にもこの気持ちを忘れてほしくないので、こんな真っ昼間からnoteを書いてみました。
頑張れ、弱虫ライター。

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