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【イベントレポート】SNSとの付き合い方

顔の見えない不特定多数の人の言葉が大量に飛び込んでくるようになった昨今。
もはやSNSやメディアの情報は、ときに自ら見聞きする現実以上に強い影響力を持つようになりました。

新型コロナの流行によりオフラインでの人とのコミュニケーションが少なくなった今、SNSとどう向き合い、付き合っていくのかによって人生が大きく変わっていく。
#シーライクス のオンラインイベント「大人たちこそ知っておきたい。SNSの付き合い方」のアーカイブ動画を視聴したので、イベントレポートを書いてみたいと思います。

※現在はアーカイブを見ることはできませんのでご了承ください。

悲しみを繰り返したくない

イベントは登壇者の熱い思いとともに幕を開けました。

登壇者紹介

一般社団法人日本メディアリテラシー協会の代表理事を務める寺島絵里花さん
上智大学文学部新聞学科卒業。
日系の航空会社の総合職として従事後、6年前に日本メディアリテラシー協会を起業。
現在は東京学系大学大学院に所属され、教育について専門的な研究をされています。
経営と大学院、さらにインフルエンサー教育にも携わり、プライベートでも三児のママさんとして多方面でご活躍。
ご自身もメディアに露出し執筆活動を行うことで、SNSの最前線で学術的な知見を深めていらっしゃいます。

協会を立ち上げたきっかけ

今回のイベントは、寺島さんが日本メディアリテラシー協会を立ち上げるきっかけになった過去のご経験談から始まりました。

プライベートで親しくされていた女子高生を、心ない書き込みが襲った悲劇。
最後のサインに気づくことができなかったと、寺島さんは涙ながらに後悔の念を語りました。
そして出産を経験し、自分の子供に対して同じ過ちを犯したくないという強い思いから、SNSのルール・マナーを世間に広めるために協会を立ち上げました。

実用的で本当に役に立つメディアリテラシーを広めたい。
そのためには単にルールや知識を伝えるにとどまらず、なぜそれが必要なのかをわかりやすく伝える必要があると、寺島さんは語られています。

以下からは、私がイベントを通じて感じたこと、学んだことなどをまとめます。

情報には意図がある

メディア情報リテラシーを語る上でまず特に気をつけるべきことは、情報をどう読み解き、自分自身がどう発信していくのかということ
特に現代はSNSやブログ、ネットニュースなどあらゆるメディアが誕生し、個人の声が世界中に届けられることが現実に起こりうるようになりました。

あらゆる情報は誰が、どのような考えのもと送り出したものなのか。
現代を生きるためには、情報の読み取り力が重要視されると気づくことができました。

送り手の意図が無数にあるのと同様に、読み手によっても一つの情報から受け取る印象が大きく変わり、さらに今度は読み手が送り手となってSNSで発信することで情報の混乱が起こります。
寺島さんの言葉をお借りすると、存在する「真実」は一つだけれども、発信者が増えるほどそれぞれの「事実」が無限に生まれていくという事態が起きるというのです。

情報に飲み込まれないために

イベント内で、多文化社会かつ、多くの人が自らの声を自由に発信できるこの時代に、情報に飲み込まれずに生きてくためのポイントを教えていただきました。
その中のいくつか心に残っているものを紹介します。

自分の意見と相反する意見を知る

家族や友人など、元々距離が近い人とは主義主張が一致する傾向にあり視野が狭くなりがちですが、世界中にはバックグラウンドや価値観などが全く異なる人が溢れています。
自分自身が情報の質の高い受け手・送り手となる意識を持つことで、自分の考えと近い情報だけでなく、異なった考えに基づいた質の高い情報も手に入るようになります。

考える余地(余白)を残す

もし自分と異なる意見をぶつけられ、受け入れられないと感じたときはどうすればいいのか。
その解は、考える余地(余白)を残すことだと寺島さんは語られました。
すなわち、受け取ったその場で言い返したり反論しようとするのではなく、その場では一度受け止めて後に改めてその意見に向き合うのです。
そうすることで感情的にぶつかったり、互いの意見を押し付けあったりすることを防ぐことができます。

SNSとの距離感

コロナ禍で対面コミュニケーションが格段に減り、孤独感や運動不足、スクリーンタイムの長時間化など、私たちのライフスタイルに変化が起きています。
SNSに依存し影響されすぎないためにも、スマホタイムやPCタイムの自己管理能力が必要となってきています。

また、SNSは顔が見えずテキストのみのコミュニケーションといえど、対面時と同程度、ときにはそれ以上の影響力を持つことがあります。
今や対面とSNS上でのコミュニケーションは同じものだという意識が重要だというのです。
嘘の情報を受け取るリスクだけでなく、自分自身も発信しているかもしれないという責任感を持ち、コミュニケーションの際にはテキストのみに依存せず音声なども組み合わせて正しく意図が伝わるように努力をすることが大切です。

親の私ができること、私のためにできること

このイベントを通して、広い視野と心の余白を持って様々な情報発信・収集やコミュニケーションを行うことの重要性を痛感しました。

私が小学校の頃は、家族とご近所さん、小学校で出会う友人や先生がコミュニティの全てでした。
中学校に上がった頃から一気に交友関係が大きくなっていき、大学を卒業する時点では世界中に知人友人がいるという、幼い頃には想像もしていなかったほどの規模まで世界が広がったのです。

息子はまだ生後半年。
きっと私が経験した以上のスピードで、彼の目にする情報は広がっていくことともいます。
これからどんな人生を歩むかは想像もできません。
ですが少なくとも、情報社会においてどのような考えや心を持って生きていくべきなのかを示していくことが、これから親としてしてあげられることなんじゃないかと、確信できました。

それは息子のためでなく、私自身のこれからの人生もきっと豊かにしてくれる。
あらゆる情報を横流しするのではなく、広く穏やかに受け取り自分の中で消化することは、本当の意味で自分の世界が広がっていくことになるんじゃないかと思うんです。

SNSの使い方だけでなく、人生をどう生きるか、人とどうコミュニケーションを取ればよいかを学ぶことのできた、とても貴重なイベント。
この気付きを胸に、これからの情報社会も逞しく生きていきたいと感じる時間となりました。

▼イベント視聴直後のツイート……


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