![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19704359/rectangle_large_type_2_f84cd632b77fe09edd95fc71233ebf8c.jpeg?width=800)
Photo by
masakazu
本当に、お陰様。ありがとう。
久々に一時間以上も、母と電話で話し込んだ。いつもは、あれを送ったとか次はいつ帰省するとかいう10分ほどの要件連絡なのが、今回は珍しく。
ひとりで暮らす苦労性なこの人の、ガス抜きの意味もあった。仕事のこと、体調のこと、そして被災した街の、その後のこと。ここ最近は色々なことが重なり、心の張力がかなり上がっているようだった。
そしてそれに耳を傾けることが、私が長くかじらせてもらったその脛への、今さらながらのささやかな労りという思いもある。途切れることのない愚痴の密度に比例して上ずる声に、私の役割を実感してもいた。
転じて、私の仕事や西での暮らしの話題を振られる。
年明けから続いていたデスマーチぶりを呆れ気味に話したつもりだったが、その根底には揺るぎない楽しさがあることを、私の声色で感じたのかもしれない。「それは大変だったね。でもね、」に続く声がもう一段、うわずる。
「あなたがずっと目指してたことに今たどり着けているのが、何より嬉しい。」
初めて言われた気がした。ありがとう。それは本当に、お陰様なのだ。だから私は、縁も身寄りも経験もないこの地に移って、がんばれている。
まだここがゴールでは、ないけれど。
そのお金で、美味しい珈琲をいただきます。 ありがとうございます。