見出し画像

アラサー婚活女子と二人目の鉄オタ

《山本(仮名)》での休止期間のあと、程なくして、《兵庫の鉄オタ》とマッチングしました。


鉄道の話で仲良くなる

6年以上も付き合った元彼《じわお》は重度の鉄オタでした。
そのおかげで、わたしは無駄に鉄道に詳しい女になりました。
別れてからその知識は不要になったのですが、記憶力があるので、一度覚えたことはなかなか忘れません。

《兵庫の鉄オタ》は鉄道旅行が好きだと言います。
わたしもその昔は鉄道旅行によく連れていかれましたから、今までの旅行の話でメッセージが盛り上がります。

早々に、一度お茶しましょう、ということになり、休日に会いました。
カフェでお茶を飲み、旅行の話をします。

おそらく、こんなに鉄道の話を聞いてくれる女の子に初めて会ったのでしょう。
《兵庫の鉄オタ》に気に入られていくのがよくわかりました。

その日の夜に電話がかかってきて、
「こんなに気が合う人は初めてだ」
とさっそく交際を申し込まれます。

デートはその日の一回きりでしたが、言葉を尽くして、わたしのことが好きだ、ということを伝えてくれたので、「結婚前提ですよ」と念押しはしつつ、
彼を信じて付き合うことにしました。

少しずつ現れる本性

倹約家というよりケチ

出会った頃、《兵庫の鉄オタ》は実家に住んでいましたが、引越しが決まっていました。
引越し当日に手伝いに行ったのですが、学生が住むような小さなアパートでした。
家賃もとても安かったと記憶しています。

会話の中でとにかく「節約」とか「安い」という言葉が出てきます。
いつかは靴が激安だったと自慢されました。

少しずつ節約して、旅行にどばっとつぎ込む。
そういう生き方をしているようでした。

彼は自炊をしないので、彼の家に行くと外食することになり、飲食代は自分で出します。
わたしの家に彼が来るときは、わたしが事前に買い出しに行って料理をして、その分のお金は貰いません。
しかも、わたしの家に来ることのほうが多いのです。

だんだん違和感を覚えるようになり、
自炊は手間もお金もかかっているのに……と思うと、将来を考えることが不安になってきました。

「初めて会ったときカフェ代は出してくれたよね」というのをいつか言ったことがあります。
「ケチな僕がそんなことを?よっぽど君のこと気に入ったんだろうね
と言われました。
ときめかないわね……

将来を考えているかわからない

《兵庫の鉄オタ》はよく、「友だちは3人しかいない」と言いました。
一方わたしは、部活やサークルも規模の大きいものに所属していたことが多く、友だちは多いほうです。

アプリ婚活の状況を細かに報告している親友もいました。

「この間のデートのことを友だちに話したんだよ」
と彼に言うと、
「友だちに僕のこと話すのやめてよ」
と言われました。

結婚前提で付き合うのですから、
いずれ友だちや家族に紹介したいとわたしは思っていたのです。
でも、彼はそうではないらしい。
彼の友だちにも会わせてくれる気はまったくないようなのです。

雲行きが怪しくなってきました。

デートのドタキャン

ある日、2週間以上前から決まっていたおうちデートを、直前になってキャンセルされました。

──急に実家に弟が帰ってくることになって、車で迎えにいかないといけなくて!
というのがキャンセル理由。
でも、これがよくわからないのです。

弟は車を持っていて、普段実家に帰るときは、自力で帰ります。
この日は車が修理中で、駅から足が必要だと言うのです。
なぜ、車がない日に、急に帰ることになったのでしょうか。
──それは急だね。何の用事で帰ってくるの?
と聞いても、知らない、と。

いや、聞けよ。
実家を出て一人暮らしをしている兄をわざわざ呼びつけるほどの事情があるのか、ちゃんと聞けよ。
家族間のコミュニケーションはどうなってるの。

勘が鋭すぎるのも時に考えものですが、
これは別の事情があるはすだ、と思いました。

しかし、ここでわがままを言っても仕方ありません。

──残念。でも、次同じようなことがあったら、嫌いになっちゃうよ

たったこれだけ、LINEを返しました。
今回のドタキャンは意味がわからないよ、という気持ちを込めて。しかし、顔文字もつけて、できるだけかわいらしく。

数時間後、返事が来ます。
習い事に行っていて、すぐには返事ができない時間に届いていました。

──冗談でもその言葉使うのだけは許せない。さようなら

LINEはブロックされたようで、何を返しても、既読にはなりませんでした。

「嫌い」という強い言葉を使ったことについては反省していますが、
彼のドタキャンはあまりに不誠実だったと思いますし、話し合いを持たずに、わたしが返信できないとわかっているタイミングでブロックする、というのは、大人のやり方とは思えません。

将来の話が進み始める前に、向こうから離れていってくれてよかった、と思うようにしていますが、
今思い出しても非常に悲しい出来事でした。

ドタキャンの本当の理由

実際に弟が帰ってきたわけではなさそうだ、ということはすぐにわかりました。

LINEもインスタもブロックされていましたが、
彼はSNSをオープンアカウントで使用する人だったので、Twitterがすぐに見つかったのです。

わたしとデートをするはずだったその日、
彼は友だち二人と、鉄道旅行に出ていました。
そのうち一人は女の子でした。

ドタキャンの本当の理由はこれか。
嘘をついてまで行きたかったのか。

この女の子が、後に彼の恋人になったのかどうかまではつきとめていませんが、
心変わりがあったのだろう、と思います。

彼は別れるきっかけを探していただけだろう、というのがわたしの予測です。

やっぱり鉄オタはだめ

読者に鉄オタがいたら申し訳ないのですが、
元彼《じわお》とこの《兵庫の鉄オタ》の二人のサンプルをもって、
わたしのなかでは「鉄オタは恋愛対象外」となってしまいました。

二人とも、決められたレールの上を走るのは嫌いというタイプでした。
人は自分にないものに憧れるのでしょう。


⬇サンプル二人ですが、鉄オタに比べて飛行機オタクは推せるという話⬇

⬇重度の鉄オタ元彼《じわお》の話⬇

⬇初体験シリーズ⬇

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?