第46話『何から疑うか』

 何かに操られていると感じた時は、自分の周りにどのくらい仲間がいるのかを確認することです。
 同じ様にひしめき合っていて、まるで羊の様に自由に柵の中で草を食んでいる様に見えた時、あなたの行動に目を光らせている牧羊犬はどこに居て、あなたの気配を窺っているでしょうか。
 どんな目的を胸に抱き、誰を仲間だと感じているか、誰があなたがたを指揮しているのか。
 明確に自分で決めているわけでもなく、指揮している人間がはっきりしない場合は、ひょっとしたら誰かに操られていると考えた方が良いかもしれません。
 実際にあまり意識されることはない事実ですが、古くは司馬遷が、刺客列伝の冒頭で、少しだけこのことに触れていたりしますし、多くの歴史書でふと触れられる事実として、人が心にとどめておくべき事柄だと考えて良いでしょう。
 覚悟の根本はどこにあるのか。心地よさを感じているのは何故か。
 どうしてそうなっているのかを常に問い続けるというのは、とても難しいことの様ですですが、人の歴史の中でとても多く見出すことのできる公然の秘密といえるのではないでしょうか。

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