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カレー1993

 カレーを食べに授業を抜け出して、学生服のままで町中華に自転車で向かった。高校の規則で昼休みに無断外出など本来できない。
 俺は規則に縛られない生き方に憧れている。学校の外でカレーを食って、何が悪い。
 山王飯店の前で自転車を止めた。俺はのれんをくぐり、カレーを頼む。
 しばらく待って、店員がカレーを持ってきた。
 その時、7人の同級生が現れた。俺とは言葉をかわさない。
 俺は黙々とカレーを食い、外に出た。
 仁藤公二が俺の眼の前を通り過ぎた。仁藤公二も同級生である。仁藤公二に声をかけてやろうかと思ったが、やめた。
 そして、俺は、教室に戻った。
 7人の同級生は、俺が店から出たあと、俺について触れなかった。
 グループのリーダー格と言われる岩原石也はラーメンを頼み、全員が真似した。山王飯店のラーメンは、どうってことのないラーメンである。
 2時間後、俺は学校の授業が終わると、裏口から校舎を出た。
 俺は自転車に乗り、家に帰る。               
 俺にとって、学校とは、カレー以上の存在ではない。
 今日は良き一日だった。
 仁藤公二はチンポがもげた。岩原石也のグループはラーメンで食中毒を起こし、学校を休まなければならなくなった。チンポは無事であり、運の良い奴等だと思う。


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