短命で終わった民主党政権は、本当に民主党だけが悪いのか。

確かに、民主党政権が崩壊したときは私だって怒った。
もう絶対に民主党などに票は入れないと思った。

数々の公約無視。私は、特にマニフェストにもあった司法改革には期待したが、結局何もしなかった。司法改革は、他の公約と違い、予算がなくてもできるものだったので、その怠慢ぶりには怒ったものだった。

確かに、民主党が悪かった。結局最後は内ゲバのような分裂騒動。

しかし、ここで改めて、なぜ民主党政権は崩壊したのか、考えてみると、民主党以外にも責任はあったのではないか、それを考えるのは今後の政権交代もにらんで有意義なことではないかと思う。

そこで、私が考える民主党政権崩壊の原因を3つ上げてみたいと思う。

①検察の政治介入
②官僚の抵抗
③国民の心変わり

①検察の政治介入
取り調べの全面可視化は公約であった。検察にとって、これは到底受け入れられない。検察にとっては次に政権を取りそうな民主党は早めにつぶしておきたかったに違いない。
党首の小沢氏を検挙したかったようだ。秘書はなんとか逮捕にこぎつけたが、本丸は落とせなかった。しかし、検察審査会に嘘の報告書まで出して、なんとか、起訴まではもっていった。
結局、小沢氏は党首を辞任することになった。
党の一番の実力者が、党首でなかったことが、その後の分裂の原因になったことは確かだ。
検察は、結果的に目的を達成した。検察を甘く見てはいけない。

②官僚の抵抗
民主党政権時代、役所は混乱した。それをもって、役所からは「悪夢の民主党政権」と言われることがある。
しかしだ。長年の自民党長期政権で、自民党と役所はずぶずぶの関係だ。
そこに、まったく別の政権が乗り込んでくるわけだから、混乱するのは当たり前だ。
アメリカのように、政治任用の役所では政権が交代すると、ごっそりスタッフが入れ替わるが、日本は官僚は変わらない。
官僚たちは一斉に抵抗勢力になる。
新政権は、人事権を含めて相当な権力がないと、コントロールは無理だ。

③国民の心変わり
数々の公約破りをした民衆党であるが、国民にも責任がある。
例えば、八ッ場ダムの中止問題。八ッ場ダムの中止は民主党が政権をとるはるか前から民主党が掲げる無駄な公共工事中止の代表だった。
それを掲げて政権をとったわけだから、国民もそれを受け入れるべきだった。
しかし、政権交代後の世論調査では中止に否定的な意見が多かった。
高速道路無料化もそうだった。世論調査では否定的な意見が多かった。
こういった大きな改革は国民の支持がないと、なかなか進まない。

それでは、それらを踏まえて今後どうするべきか。

①検察の政治介入
これは今後も間違えなく起こるだろう。
政治側の対抗策としては「指揮権発動」がある。しかし、これは慣習的に封印されている。
私は、法律で認められている権利であるから、「指揮権発動」は認めていいように思う。もちろん悪用される恐れはあるが、それは国民が監視すればいいだけだ。
いずれにせよ、政治は検察に対して、相当な人事権を持たないとこのような事は何度でも起こる。
このような事があったのに、今の立憲民主党が、検察への人事権を否定しているのは驚きである。立憲民主党は本当に政権をとるつもりがあるのだろうか。

②官僚の抵抗
まず、政権交代が起これば、役所は混乱するのは当たり前だ。
国民はこれは我慢するべきである。
とにかく、新政権には、我慢強く応援すべきだ。
日本人は飽きっぽい。
また、これも検察と同じで、官僚に対して、相当な人事権を与えないとダメだ。
立憲民主党は、ここでも「内閣人事局」なるものを否定している。
本当に、政権をとるつもりがあるのだろうか。

③国民の心変わり
「総論賛成、各論反対」とはよく言ったものだ。
日本人は改革への覚悟が足りない。改革すれば、混乱も起きるし、損する人もいる。死ぬ人だっている。
「マイナ保険証」だって、コロナ渦の時にあれだけ、デジタル化の遅れが問題になったのに、いざ、保険証という身近な問題になると、反対の声を上げる。
結局、昨日と同じであることが、一番いいと思ってる国民性である。
しかし、同じと思っていても、実は少しづつ衰退しているのである。
何時かは覚悟を決めないと、本当にゆでガエルになる。

いかがであっただろうか。確かに民主党は悪かった。しかし、その背後にある構造的な問題にも目を向けないと、同じことの繰り返しだ。


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