中澤浩一

小さな技術系会社を経営中。50代。 「推定無罪を理解できない日本人」と「民主主義を理解…

中澤浩一

小さな技術系会社を経営中。50代。 「推定無罪を理解できない日本人」と「民主主義を理解できない日本人」この2つのテーマで、日本の問題点を探る記事を書いて行こうと思います。

マガジン

  • 民主主義を理解できない日本人

    民主政治は国民の期待だ。期待なき批判は、政治を委縮させるだけで何も変わらない。ほんとうに政治が悪いのか。我々国民に責任はないのか。民主主義を今一度考える。

  • 推定無罪を理解できない日本人

    いつかあなたの身にも降りかかる冤罪問題。けして他人事ではない。 日本の司法はほんとうにこれでいいのか。推定無罪の観点から考える。

最近の記事

司法の政治介入も問題だ。

東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年延長を巡り、法務省内で協議した関連記録を不開示とした国の決定を、大阪地裁は違法として取り消し、開示を命じた裁判。 これに対して、京都新聞の社説。 まず、前提として、内閣が黒川氏個人のために法律の解釈を変えたことは、これははっきり言って良くない。それはわかる。 しかし、この判決の中で裁判所は、 「解釈変更は黒川氏の定年延長が目的と考えざるを得ない」と指摘した。 司法がここまで断言する権利があるのだろうか? この裁判は記録の開示を求めた

    • ついに「人質司法」を糾弾する裁判が始まった。

      ついに、ついに始まった。「人質司法」自体の違憲性を問う裁判だ。 これは、日本の正義を問う、非常に重要な裁判だ。ほんとはもっと注目されていい裁判だ。相変わらず日本のマスコミや評論家のレベルの低さにはあきれる。 この裁判を簡単に説明すると、罪を否認すると、認めた人に比べて、保釈されにくくなり、様々な権利を侵害されるというものである。 実際、原告の角川氏は否認したため、病気で体調も悪い中、226日にわたって拘束された。 日本の刑事司法は「推定無罪」を採用しており、「無罪」を主

      • 短命で終わった民主党政権は、本当に民主党だけが悪いのか。

        確かに、民主党政権が崩壊したときは私だって怒った。 もう絶対に民主党などに票は入れないと思った。 数々の公約無視。私は、特にマニフェストにもあった司法改革には期待したが、結局何もしなかった。司法改革は、他の公約と違い、予算がなくてもできるものだったので、その怠慢ぶりには怒ったものだった。 確かに、民主党が悪かった。結局最後は内ゲバのような分裂騒動。 しかし、ここで改めて、なぜ民主党政権は崩壊したのか、考えてみると、民主党以外にも責任はあったのではないか、それを考えるのは

        • 日本人は司法の限界を悟るべき。

          未だに、「自民党裏金問題」に対して、検察とかに、追及が甘いとか、放置してるとか、忖度してるとか、批判を言う人がいる。 私は、検察が忖度してるとは思わない。本当は逮捕できるなら、逮捕したいのでしょう。でもできない。 今回、裏金問題で直接、嫌疑をかけられるのは、会計責任者であって、政治家本人ではない。政治家の関与があったどうかが問題になるが、それは「言った言わない」の話で、証明するのは難しい。 「秘書がやったことを政治家は知らないはずはないだろう」では人を有罪にできない。

        司法の政治介入も問題だ。

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        • 民主主義を理解できない日本人
          9本
        • 推定無罪を理解できない日本人
          29本

        記事

          本当のことを堂々と話せる社会にしようよ。

          前回の記事で、冤罪で逮捕されたら「黙秘」が一番いいと書きました。 私は、冤罪についてもう何十年も独自に研究してきました。 そして、日本の司法に詳しい人ほど、弁護士や、元裁判官や元検事とか、冤罪被害者とか、必ずといっていいほど、「黙秘」がいいと言います。 でも、正直に話すより、黙ってる方がいいと、断言できるような司法がいいと思いますか? ほんとに、もう変えましょうよ、日本の司法。 最低限でも、取り調べの完全可視化と、弁護士の立ち合いです。 これが実現できていないのは、民

          本当のことを堂々と話せる社会にしようよ。

          冤罪で逮捕されたら、黙秘がいちばん良い理由。

          いまだに「黙秘」に対して、否定的な意見が多い。 卑怯だとか、印象を悪くして逆に不利になるとか。 日本人は、正直すぎる。 まず、逮捕される時点で、捜査機関側は、相当な確証を持って逮捕してる。ほんとにやったかどうか、不確かな状態では逮捕はしない。 それを逆転させるのは、素人には相当難しい。 あなたは、相反することを言う、二人のどちらを信じますか? Aさん、最初から最後まで矛盾のない完璧な話。 Bさん、話のところどころに間違えがあり、何度も訂正した話。 当然、Aさんでしょ

          冤罪で逮捕されたら、黙秘がいちばん良い理由。

          NHK党、立花孝志氏、そろそろ逮捕されそうだ。

          東京都知事選の掲示板ジャックで、NHK党のやり方が問題になっている。 今までの歴史を見れば、検察はそろそろ立花氏を逮捕しそうだ。 今ここで逮捕すれば、「正義の味方」検察はヒーローになれそうだ。 こんなチャンスを検察が逃すはずがない。 ただ、多くの専門家が言うように、この件を公職選挙法で訴追するのは難しそうだ。 しかし、大丈夫、検察には、「人質司法」がある。 まず、解釈でどうにでもなるような罪で、立花氏およびその周辺人物を逮捕する。立花氏は人質司法に堕ちるような人物ではな

          NHK党、立花孝志氏、そろそろ逮捕されそうだ。

          検察のストーリー主義の弊害

          よく知られている通り、検察はストーリー主義だ。 証拠を分析して、真実に近づくというより、最初にストーリーを作り、それに合うように証拠集めや供述を得る。 これが、冤罪の温床になることはたびたび問題にされている。 しかし、問題はもっと深い。 私は、このストーリー主義が、本来もっと重罪で起訴すべき被疑者の刑を軽くしているのではないかと思う。 というのは、最初にストーリーを決めてしまうと、検察の知らないもっと重要な犯罪の追及までもが、おろそうかになってしまい、逆にストーリーに反

          検察のストーリー主義の弊害

          クリーンな政治家が良い政策をするとは限らない。

          テレビで、イタリアの災害避難生活環境の特集を見た。対応の早さと、環境の良さが日本よりはるかに良く驚いた。 イタリアも日本と同じく災害大国で繰り返される災害に学び、改善を重ねてきた。そういえば、台湾も日本よりはるかに良かった。 日本はこんなところでも、世界に遅れをとってしまったかと。 ところで、イタリアの政治と言えば、腐敗や汚職で一時有名になった。台湾も今は少し良いが昔はあまり良いイメージはない。 ちなみに2023年の腐敗認識指数国別ランキングを見ると、イタリア42位、

          クリーンな政治家が良い政策をするとは限らない。

          司法の独立を盾に暴走する検察は、統帥権の独立を盾に暴走する日本陸軍と同じ。

          国の統治機構の中に、「一方向」の独立機関が存在し、それにマスコミと国民が応援すると、必ず暴走し、国を亡ぼす。 太平洋戦争を始めてしまった理由は多くの要因があり、単純に一つの原因にまとめることはできない。しかし、よく言われるように「陸軍が暴走し、それを政治が止められなかった。」というのは、大きな要因の一つだと思う。 なぜ、止められなかったのか。それはこれも良く言われるように「統帥権の独立」があったからだ。天皇の軍隊であり、「国民=内閣」の軍隊ではなかった。天皇の軍隊なら、天

          司法の独立を盾に暴走する検察は、統帥権の独立を盾に暴走する日本陸軍と同じ。

          これが日本の司法の現実。壮絶人質司法、#検察庁法改正反対なんて言ってる場合でない。

          この状況を変えるには、政治しかない。それには、政治から検察への人事権も必要。 #検察庁法改正反対、司法の独立なんて言ってる場合じゃない。

          これが日本の司法の現実。壮絶人質司法、#検察庁法改正反対なんて言ってる場合でない。

          推定無罪が徹底された社会、人質司法がない社会。はたして、日本社会は耐えられるだろうか?

          多くの人が冤罪と戦っています。また冤罪を生まない司法を目指して頑張っています。 冤罪の多くは、裁判所が「疑わしきは罰せず」の理念を軽視したため、あるいは人質司法によって起こります。 では、ある日、突然、裁判官や検事が改心して、裁判所は「疑わしきは罰せず」の理念を徹底し、人質司法がなくなり、多くの被疑者が保釈されるようなったとします。 はたして、このような司法に日本社会は耐えられるでしょうか? 想像してみてください。 「疑わしきは罰せず」の理念を尊重することによって、無

          推定無罪が徹底された社会、人質司法がない社会。はたして、日本社会は耐えられるだろうか?

          日本の司法の正当性を問う、重要な裁判。

          日本の司法の正当性を問う重要な裁判が始まっている。 黙秘権を行使する被疑者に対し、執拗に供述強要する検察に対して、違法、人権侵害として、損害賠償を請求する裁判。 この取り調べは、映像が残っており、一部公開されている。それを見る限り、これはあまりにも酷い。拷問以外の何物でもない。この被疑者は弁護士なので、黙秘を貫き通したが、一般人なら、まず無理だろう。 日本では黙秘権はほぼない。 この裁判は、おそらく最高裁まで争われるだろう、また憲法判断が絡むので、最終的には最高裁で判断

          日本の司法の正当性を問う、重要な裁判。

          袴田冤罪事件や、大川原化工機事件で、警察や検察を批判するのは簡単だが。。。

          袴田冤罪事件の無理な自白の強要や、証拠捏造。大川原化工機事件での人質司法など、警察や検察の捜査手法に批判の声が上がっています。 しかし、これは、これらの事件が冤罪と我々は分かっているから、警察や検察はなんてひどいことをするんだと怒るんであって、 もし、こいつが犯人に間違えないと疑いようのないケースで、同様の批判ができるだろうか? 袴田事件だって、事件当時は、なんてひどいことするんだ、自白しないなら、なんとしてでも自白させろ。という世間の圧力があったに違いない。 場合によ

          袴田冤罪事件や、大川原化工機事件で、警察や検察を批判するのは簡単だが。。。

          検察と裁判所の相互依存スパイラルが起訴ハードルをどんどん下げる。

          6年前の、状況証拠しかない殺人事件の公判が始まったというニュース。 なんか、最近は状況証拠だけの起訴がやたら多いと感じる。特にこの事件などは、その状況証拠自体もとても弱い。 「似た人物が写ってる」とか、不確かな証拠。 「近隣住民以外にありえない」とか、消去法。 そもそも動機自体も弱い。 この被告が、本当に犯人かどうかは分からない。しかし、これだけの証拠で、一人の人間を殺人罪で起訴してしまう日本の検察。恐ろしさを感じる。 近所で、殺人事件があった、防犯カメラに自分と似た

          検察と裁判所の相互依存スパイラルが起訴ハードルをどんどん下げる。

          インフレ時に減税は、MMTに反するのでは?

          政府はインフレ対策として、4万円の定額減税をするらしい。 良いことと思うが、 インフレ時に減税とか給付をすると、さらにインフレが加速し、減税分もあっという間に吸収されてしまう。 ところで、MMT(現在貨幣理論)では、インフレになりそうになったら、増税をしてインフレを抑制するというのが、理論的支柱と思うが、今回、MMT論者たちはこの定額減税に対して、あまり反対の声を上げていないが、どうしたことか。 MMT論者の高橋洋一氏は、この減税はタイミングが悪く、批判こそしているが、今

          インフレ時に減税は、MMTに反するのでは?